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teacupブログで運営していた旧「遊びをせんとや生まれけり」におきまして
15年に渡って「連載」してきました『飛び出せ! 宙マン』。
このはてなブログへと移行し、シリーズも『飛び出せ!! 宙マン』として
新たにゼロからの仕切り直しを始めた今となっては、そのときのことは
必要以上に振り返らず行こうと思っているのですが……
それでもやはりこれだけは! ということで、去る2006年2月21日に
ネット上にUPした「すべてのはじまり」である旧シリーズの第1話を
旧ブログからサルベージの上、ここに公開させてもらおうと思います。
右も左もまったく勝手がわからなかった状態での「見切り発車」だったので
いま改めて見返すと、いろいろこっ恥ずかしくて赤面しきりなんですが。
それでもやっぱり、今の「こんな自分」を支えてくれているものがあるのなら
それは間違いなく、あの時の「未熟な自分」なのだ……
……な~んて言うのは、いささか気障な物言いが過ぎますでしょうか(笑)。
連載開始した新シリーズ『飛び出せ!! 宙マン』の第一話とも
見比べ、読み比べて頂くのもまた一興かもしれません――
何はともあれ、しばし甘酸っぱくメランコリックな過去への旅をお楽しみ下さい(笑)。
地球から遥か彼方の暗黒星雲……
そこは、凶悪無比な怪獣たちの集う
全宇宙の悪の総本山である。
そして、それらの怪獣たちの上に、怪獣魔王・イフが
強大な超能力によって、計り知れぬ恐怖のもとに
絶対の支配者として君臨していた――
イフ「怪獣どもよ、よく聞け!
ワシは汝らの総帥、怪獣魔王イフである。
今こそこのワシの名のもとに、我ら怪獣軍団が
太陽系の青き星・地球の新たなる支配者として
人間どもに取って代わる時がきた……
だが、その為にはどうしても取り除いておかねばならない
大いなる邪魔者が一人いる」
イフ「そうだ、宙マンだ!
銀河連邦の一員、プラネット星の宙マンだ!
今はもう現役を引退しているとはいえ、奴の力は
まだまだ決してあなどれん……
地球征服の手始めは、何をおいても宙マンを倒すことだ!
行け! 怪獣軍団・第一の使者よ!
地球へ向かえ……そして宙マンを倒すのだ!!」
怪獣魔王の恐るべき命令が下った!
危うし地球……危うし、宙マン!
さて、そのころ我らが宙マンファミリーは、と言えば……。
ビーコン「へー、ここが蘇羽鷹神社っスか」
ピグモン「なんだかピカピカできれいなお社なのー」
宙マン「古いお社は、残念ながら
昭和51年に全焼してしまったんだ。
その後昭和55年10月に新築されて、
さらに平成2年10月に改修されているから
新しくピカピカなのも当然といえば当然だね」
ビーコン「なんか対外向けのパンフを
そのまま読んでるみたいっスね、アニキ。
それよりも巫女さん! 萌え萌えでエロエロな
美少女巫女さんどこっスか?
ハァハァハァハァ、俺と今すぐ夜のウデタテフセを……」
げ し っ !
ビーコン「……なかなか痛かったっス、落合さん」
落合さん「当たり前です。痛くしてるんですから」
宙マン「こらこら、神社の境内で
そんなに騒いではいけないよ。
さあ、みんなで径津主命(ふつぬしのみこと)様にご挨拶していこう」
社殿に手を合わせる宙マンファミリー。
いったいどんなことをお祈りしているのかな?
と、その時!
ギランボ「グェヘヘヘヘヘ……宙マンというのはお前だな」
宙マン「そういう君は何者だ!」
ギランボ「俺は怪獣魔王様の第一の使者、異次元人ギランボだ。
地球征服の手始めとして、まずは邪魔なお前を始末する……
そしてこの神社の賽銭は、地球侵略のための軍資金として
われら怪獣軍団が残らず頂戴するという寸法よ」
ついに明かされた恐怖の計画! 許すな宙マン!
ビーコン「まぁまぁアニキ、こんな三下相手に
わざわざアニキが出張ることもないっスよ。
ここはひとつオイラにお任せをっス」
宙マンを制してしゃしゃり出ていったビーコン。
う~ん、大丈夫かな?
ビーコン「やいやいやい! 怪獣軍団だか何だか知らないが、
お前の相手はこのオイラ一人で十分っス!
宙マンアニキの一の子分、このビーコン様にかかれば……」
ギランボ「まぁまぁ……時にビーコン君、キミはキャラメルBOXの
『処女はお姉さまに恋してる』は好きかね?」
ビーコン「……へ?」
ギランボ「私に一言、地球をあげますとさえ言ってくれれば
この初回限定版をポンと気前よく君に差し上げちゃってもいいんだが……」
ビーコン「えー、うっそ、ホント。マジマジぃ!?
あげちゃうあげちゃう、こんなチンケな星なんかでよかったら
もういっくらでも……」
げ し っ !
落合さん「あっさり釣られてどうするんですか、この煩悩怪獣!」
ビーコン「……だから痛いっスよ、落合さぁん」
どうやら敵は、既に宙マンファミリーのことを研究済みのようだぞ。
ここはやっぱり宙マン、君だけが頼りだ!
ピグモン「がんばってぇ、宙マン!」
落合さん「お殿様、どうぞお気をつけて……」
宙マン「なあに、まだまだ現役時代の勘は鈍っちゃいないさ」
ギランボに対して颯爽と身構える宙マン。
だが……しかし!
ギランボ「グェヘヘヘヘ……馬鹿めぇ~!」
なんとびっくり、宙マンたちの目の前でギランボが巨大化したぞ!
ギランボ「どうだ、これが異次元人ギランボの実力だ!
宙マンめ、踏みつぶしてやるわ!」
宙マン「なんの、そうはいくか!
宙 マ ン ・ フ ァ イ ト ・ ゴ ー !!」
おお、見よ!
宙マンの体が、みるみるビルよりも大きくなったぞ!
ビーコン「出たっス、アニキの十八番!」
落合さん「お殿様、素敵です……♪(うっとり)」
さあ行け宙マン、巨大ギランボをやっつけろ!
激闘……死闘……超人戦が繰り広げられ……。
宙マン「ようし、とどめだ!
宙マン必殺武器、スマッシュホークを受けてみろ!」
ズバズバズバーッ!
必殺の斧が、ギランボを袈裟懸けに切り裂いたぞ!
ギランボ「うがぁぁっ、こりゃたまらんッ」
やったぞ宙マン、大勝利!
……しかしそこへ、間髪を入れずに怪獣魔王が
その不気味な姿を現した!
イフ「おのれぇぇ……宙マン!
だがこれしきの事で、怪獣軍団に勝ったと思うなよ。
これからも次から次へ、新しい怪獣を送りこみ
必ずや地球をワシのものにしてみせる!
よいか、覚えておけ宙マn……
……って、あれ?」
宙マン「あー、久しぶりに巨大化して戦ったらすっかりお腹がすいちゃったな」
落合さん「お任せ下さいお殿様、この落合が
腕によりをかけて美味しいご飯を作りますから……。
今夜のおかずは、どう致しましょうか?」
宙マン「そうだねえ、久しぶりに和食なんていいねえ」
ピグモン「んーとね、んーとね、ピグちゃんはハンバーグ!」
ビーコン「オイラは今夜も落合さんをオカズに……」
げ し っ !
落合さん「「それ以上言うと本当にぶちますよ」
ビーコン「……ぶってから言わないで欲しいっスよ、落合さぁん」
宙マン「はっはっはっはっ」
神社へのお参りと怪獣退治を滞りなくすませて
和気藹々と引き上げていく我らの宙マンファミリー。
意気こんで出てきた怪獣魔王の存在を、さらりと完璧にスルーして……。
イフ「……あの~……。」
宙マンはこれからも大活躍するよ!
みんなもバッチリ応援してくれよ、ナッ!