「空の玄関口」である新千歳空港に対しての、「海の玄関口」……
北海道を代表する、港湾・工業都市のひとつ。
今回の『宙マン』はここ、千歳市の「おとなりさん」としてすっかりお馴染み、
で、そんな風に物語がスタートするからには……
当然この日は、宙マンファミリーが苫小牧にやって来ていたのである。
宙マン「いやぁ、苫小牧はいつ来ても賑やかだねぇ!」
ビーコン「なんかこう、いかにも都会ってカンジっスよね」
ピグモン「はうはう~、ピグちゃん苫小牧だいすきなの~♪」
落合さん「お買い物に参りますか、それともどこかへ遊びにいきますか……
いずれにせよ、まずはしっかり食べてエネルギー補給から、ですわね!」
ビーコン「じゃ、いつもみたいに「マルトマ食堂」のホッキカレーいくっスか?」
宙マン「うん、それも確かに魅力的ではあるけどね……
今日の昼は気分的にラーメンを食べたいところだな、私は。
こないだ熊澤さんに教えてもらった、評判の店っていうのが気になってねぇ」
ビーコン「あ~、あそこっスか! オイラもガイドブックで見たっスよ!」
落合さん「お殿様がそう仰るのでしたら、喜んでお供致しますわ」
ピグモン「はうはう~、ラーメン、ラーメンなの~♪」
てなわけで、家長たる宙マンの「鶴の一声」により……
この日はまず、ラーメンを食べに向かった宙マンファミリー。
苫小牧市の中心部を抜けて、辿りついたのはこちらのお店である。
ビーコン「お~、燦然と光り輝くこの看板っス!」
落合さん「ビーコンさん、くれぐれもお行儀よく……ですわよッ?(汗)」
宙マン「苫小牧市・しらかば町3丁目、「味の一龍」……
うん、間違いない、前に熊澤さんが言ってた店だよ!」
宙マンファミリー、揃って「味の一龍」の店内へと。
清潔感のある店内を見回せば、様々な有名人・著名人らのサイン色紙とともに
なんとも個性的なお品書きが目を引く。
落合さん「お殿様、今日は何を頂きましょうか?」
宙マン「う~ん、あれこれ面白そうなメニューがあって目移りしちゃうけど……
まずはやっぱり、熊澤さんオススメのアレ、いきたいねェ」
ビーコン「うんうん、やっぱ最初はアレっしょ!」
落合さん「うふふ、皆様決まったご様子ですわね。
……あ、済みませーん! こちらのテーブルの注文なんですが……」
と、落合さんがメニューを注文しようとしたその矢先!
突如、苫小牧市の全域に、けたたましく鳴り響く非常サイレン。
ピグモン「はわっ! びっくりしたの~」
落合さん「あらあら、一体どうしたんでしょう!?」
宙マン「ううむ……これはどうも、只事ではなさそうだぞっ!」
驚き慌てて、宙マンファミリーが「味の一龍」から飛び出してみると!
「ガボッ、ボボボヴァァァ~っ!」
ピグモン「あっ、あれ、何!?」
妖しく渦巻く海面が、異様なスパークを放ち……
やがて激しい波しぶきを巻き上げながら、海中より現れる異形の巨体。
怪獣軍団の一員、トルトス海人だ!
ビーコン「どひ~っ、またこんな展開になっちゃったっスよぉ!」
落合さん「もう、本当に懲りない方たちですことっ!」
トルトス海人「ガボボボッ、それだけが取り得でっすぅ~!」
落合さん「……いえ、別に褒めてないですからっ!(呆)」
宙マン「ううむっ、何て言う悪のポジティブ・シンキング!」
ビーコン「……感心してる場合でもないっスよ、アニキ!(汗)」
イフ「わはははは! ワシは大いに褒めてやるぞ、トルトス海人!
その勢いで、一気に畳みかけろ――
地球征服の第一歩として、まずは苫小牧の街をめちゃくちゃにするのだ!」
トルトス海人「ガボボボッ、心得ましたでっす、魔王様~!」
怪獣魔王の命を受け、進撃開始するトルトス海人!
迫り来るその巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う苫小牧の人々。
ビーコン「どひ~っ、なんかもう張り切りすぎっスよ!(汗)」
落合さん「どうせでしたら、その情熱をもっと別のことに……!」
宙マン「いいからみんな、早く逃げるんだ!」
トルトス海人「ガボボボッ、そ~れ、それそれそれ!
地上の人間ども、手も足も出せずに泣くがいいでっす~!」
おお、今まさに……苫小牧市、絶対の大ピンチ!
海から来た暴れん坊、もうこれ以上は許すまじ!
港町の平和を守るべく、航空防衛隊が直ちに出撃した。
ビーコン「いよっしゃ、航空防衛隊のおでましっス!」
落合さん「あの怪獣さんに、ひとつお灸を据えて下さいませ!」
ピグモン「はうはう~、おじさんたち、しっかりなの~!」
「ようし……全機、一斉攻撃開始っ!」
トルトス海人めがけて、嵐のように叩きこまれるロケット弾!
だが……
戦闘機編隊の猛攻を受けてもなお、海人の勢いは止まらない。
「ど、どわぁぁぁ~っ!?」
トルトス海人のハサミから、空中めがけて迸ったもの――
それは、体内に蓄えた海水を、ジェット噴射のごとき高出力で放ち
鉄をも斬り裂く“ウォーターカッター”である。
ビーコン「な、なんつー奥の手っスか!?」
落合さん「そんな形で、遠近対応だなんて……!」
トルトス海人「ガボガボ、これが俺ちゃんの強さの秘密でっす!」
トルトス海人の大暴れにより、たちまち炎に包まれていく市街地。
危うし、苫小牧!
ビーコン「ひぇぇ、これじゃのんびりラーメンどころじゃないっスよ!」
ピグモン「宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」
宙マン「ううむっ、もう許せんぞ――宙マン・ファイト・ゴー!!」
閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、トルトス海人の前へ舞い降りる!
宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!
怪獣軍団の荒くれ者め、乱暴狼藉もそこまでだ!」
ズ、ズーンっ!!
落合さん「ああっ、いつもながら、お殿様の凛々しいお姿っ♪(うっとり)」
ビーコン「こうなりゃもう、アニキだけが頼りっス!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」
宙マン「悪事千里を走ると言うが……
だが、所詮はどこかで必ず行き詰るのが悪の道と言うものさ。
そして、貴様の道はここで行き止まりと知るがいい!」」
ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――
今日もまたまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!
トルトス海人「ガボガボ、スカしたその態度、気に入らねェでっすねぇ!」
宙マン「さぁ来い、トルトス海人!」
激突、宙マン対トルトス海人!
両者のパワー、早くも拮抗!
まずは小手調べとばかりに、激しいチョップとパンチの応酬だ
宙マン「おおっと、危ない、危ない!」
トルトス海人の鋏チョップ攻撃を、宙マンが回転技でかわし……
お互いの立ち位置を入れ替えて、なおも激しく続く死闘。
打撃の応酬、いつ果てるとも知れぬ格闘戦!
両手の鋏をブン回すトルトス海人の攻撃を、軽快なフットワークで
小器用にかわしつつ、宙マンも油断なく攻撃のチャンスを伺う。
トルトス海人「ガボボボぁぁーっ!」
宙マン「トゥリャアぁぁーっ!」
気合とともに跳び、跳ね……
宙マンとトルトス海人の巨体が、幾度となく交錯する。
痺れを切らし、トルトス海人が放った奥の手。
だが、ウォーターカッターの鋭利な斬撃は、宙マンの防御技である
プロテクションにより、完全に受け止められて無力化された!
宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!」
全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、トルトス海人を直撃!!
トルトス海人「ガボガボ、憎らしいほど強烈すぎでっすぅぅ~!」
やったぞ宙マン、大勝利!
ビーコン「いえっふ~! いつもながら、流石アニキっス!」
落合さん「今日もキュンキュン来てしまいましたわ、お殿様!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」
イフ「ぐぬぬぬ……またしても宙マンめが邪魔立てをっ!
だが見ておれよ、これしきで諦める怪獣軍団ではないわ。
この次こそは、必ず地球をワシらの物にしてみせるッ!」
……などと言う、怪獣魔王の負け惜しみはさて置いて。
怪獣退治の戦い済ませ、再び「味の一龍」へ戻った宙マンファミリー。
注文をして待つこと数分、厨房から運ばれてきたラーメンは……
何とびっくり、この大ボリューム!
ビーコン「うひゃ~、これが噂のジャンボ・チャーシューっスか!」
落合さん「間近で直にみると、インパクトも壮絶ですわねぇ……」
ピグモン「はうはう~、辞書みたいに分厚いお肉なの~♪」
通常盛りのラーメンと比べてみれば、その破格っぷりは一目瞭然。
これだけ分厚いにも関わらず、箸をちょっと入れただけでホロホロほぐれ
とろけるように柔らかく、味が染み込んでいるのが嬉しいところである。
普通の人なら、その見た目だけで尻込みしそうな特盛りメニューだが……
我らが宙マンは、ご覧の通りペロリと完食!
落合さん「お見事ですわ、お殿様っ!」
ビーコン「どひ~っ、マジで完食しちまったっスか!?」
宙マン「はっはっはっはっ、なんたって育ち盛りだからねぇ♪」
ビーコン「……って、その歳で育ち盛りもないっしょ、アニキ!?(呆)」
落合さん「うふふっ、そんなお殿様も素敵です……♪(うっとり)」
ピグモン「はうはう、宙マンはおちゃめさんなの~☆」
遊び心いっぱい、宙マンファミリー。
しっかり食べて、元気の充填120%!
さァて、そんな彼らの次回は……どうなるかな?