古の玩具メーカー・ブルマァク社の怪獣ソフビにおける「リアルな造形タッチと
玩具的デフォルメの絶妙なる調和」という要素を自社の作風としてリスペクトし、
その作風の揺るぎなさと安定したクオリティの高さで、怪獣・玩具ファンから
多くの支持を勝ち得ている、やまなやの「怪獣郷」シリーズ。
そんな「怪獣郷」ソフビ・ラインナップのひとつとして、1999年にリリースされた
『ウルトラマンタロウ』第29~30話登場、異次元人ヤプールの尖兵として蘇った
今回はコレを塗ってみちゃおうか、と。
で、塗りあがりましたのがコチラ!
所謂「レトロ風ソフビ」として、玩具としてのポップさや派手さが前面に出ている
商品デフォルト状態も、それはそれで味わい深いのですけれど……
今回はそこからより彩度を落とし、縫いぐるみ造形の粗さが却って死霊のごとき
不気味さを漂わせている、劇中における改造ベムスターの「醜悪美」の魅力に
より近づいてゆけるように色を塗り重ねて参ります。
基本的な塗り分けの塗料は、今回も例によってラッカー系。
ですので、塗り重ねているうちに溶剤によって、塗装面がじわじわっと
溶けたり流れたり滲んだり……なんてことにもなるのですが。
そうやって溶け出した以前の塗料が
新たに塗り重ねた塗料と交じり合うことによって、より全体の色あいに
深みと奥行きが出てもきますので、溶けようが滲もうが混ざろうが
モウお構いなしでぐいぐい塗り進めていっちゃいます(笑)。
以上、今回は「怪獣郷」版・改造ベムスターの再リペイントの巻でした。
並居るインディーズ系怪獣ソフビメーカーの中でも、造形の適度なリアル志向と
たたずまいの品のよさ、クオリティ安定度では群を抜いている「怪獣郷」……
今回久しぶりに手にとってみて、改めてそのよさを再認識させられた次第です。