遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

赤い夕陽の旭川の巻

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北海道において、札幌に次ぐ人口を有する第二の大都市……
……といえばココ、上川総合振興局の所在地でもある旭川市

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時に和やかで、時にエネルギッシュでもあった一日の締めくくりに相応しい

美しい夕陽が、静かに旭川の街並みを包んでいる。

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と言うわけで、今回の『宙マン』は……

そんな、夕刻の旭川市から物語を始めることにしよう。

 

石狩川忠別川美瑛川、牛朱別川……
四つの大きな川が流れる旭川は、「川のまち」にして「橋のまち」でもある。

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そんな川のひとつ、旭川駅前の忠別川沿いをのんびりと散歩している人影。

拙ブログの読者諸氏には、もはや説明不要と言ってよいであるこの男……

プラネット星からやって来た元・正義のヒーロー、ご存じ宙マンである。

 

千歳在住の彼が、旭川にいるその理由は――

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そう、前話からお付き合い下さっている方々には既に説明の必要もなかろう。


実はこの日、宙マンは旭川在住のヒーロー「カムイエース」からの招聘を受けて

スーパーヒーロー向けの講演会に講師として参加していたのであった。

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講演そのものは大盛況のうち成功に終わり、知己のヒーローらと旧交を暖めたり

意義深い時間であったのだが、何分スケジュールが押せ押せ気味だったのに加え

うっかり有翼怪獣チャンドラーの破壊工作現場に出くわし、一戦交えちゃったりもして

旭川到着後はろくに食事を摂る暇もなく、故に今……。

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宙マン「あぁ……今になって……猛烈に……

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宙マン「お腹が……

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宙マン「……減ってきた!!

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宙マン「あぁ、これはいかん……どうにもこうにも、いかん。

 ……よしっ、店 を 探 そ う !

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急ぎ足で、川沿いの道を往く宙マン。

……その背後から彼に注がれる、ひとつの不穏な視線があった。

 

視線の主は名うての喧嘩好き宇宙人・イカルス。

前任者であるチャンドラーの使命を引き継いだ、怪獣軍団の一員だ!

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イカルス「ぐふふふ……すっかり油断しきってやがるな、宙マンの奴め。
  今に見てやがれよ……チャンドラーの仇、ここで討ってやるぜ!」

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……と、そんなイカルスの剣呑な視線にも気づかぬまま、宙マンはと言えば

美味しい食べ物屋を求めて、急ぎ足で繁華街に向かっていたのであった。

 

宙マン「食事、食事、食事……

 ……ううむっ、今日の私の胃袋は、一体何で充たされたがっているんだ?」

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 宙マン「有名な旭川ラーメンもいいし、刺身の盛り合わせも捨て難い。

 なまじ選択肢が多いと、それはそれでまた悩まし(い)――」

 

「ぐおおお~んっ、宙マンちゃんよ!

 ンな呑気なこと、言ってる場合じゃないぜェ!?」

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 突如!

宙マンの目の前に、その荒々しい形相を見せて立ちはだかるイカルス!

こっそり先回りして、宙マンを待ち伏せしていたのだ。

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宙マン「ムム、何者だ!」

イカルス「怪獣軍団の、イカルスってモンだァ!」

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 イフ「やれぃ、イカルスよ、今こそ攻撃の時が来た!

 旭川の地において、何が何でもにっくき宙マンを打ち倒せ!」

イカルス「ぐおぉぉ~んっ、ハナからそのつもりでサァ、魔王様!」

宙マン「ふんっ、やってみるかね――私は強いよ!?」

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仲間の仇だと息まくイカルスを前に……
宙マンもまたファイティングポーズをとり、身構える。

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宙マン「バカな考えは捨てて、大人しく帰るなら今のうちだぞ。

 今の私は危険だぞ、空腹で少々機嫌が悪いからな!」

イカルス「ぐふふふ、そんな脅し文句でビビる俺かよ!」

宙マン「聞く耳持たずか……ならば、止むを得ん!」

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じりじりと間合いを詰め、同時に突進していく宙マンとイカルス。
さぁ、今回もまたビッグファイトの幕開けだ!

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ついに激突、真っ向から相打つ宙マンとイカルス。

旭川駅前・忠別川沿いに、両者の繰り出す打撃音が響き渡る。

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知性的な侵略者であるイカルス星人の中でも異彩を放ち、「暴れん坊」と呼ばれ

怪獣格闘界にその勇名を馳せる全身緑色の個体。

他の怪獣やヒーローとの死闘に明け暮れてきただけに、格闘戦はお手の物だ。

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持ち前の獰猛さとパワーで、激しく襲いかかってくるイカルス!

だが、宙マンもまた、負けず劣らずのパワーと磨き抜かれた格闘技の冴えで

決して怯むことなく、これに立ち向かい渡り合っていく。
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イカルス「オラッ! どうだ、こんにゃろ、コレでもかっ!」

宙マン「なんの!」

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がっぷり四つに組み合っての力比べ、そこからのパンチ・チョップの応酬!
いささか泥臭いが、凄絶そのものの死闘がダイナミックに展開される。

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宙マン「もう観念するがいい、悪の栄えた試しはないぞ!」

イカルス「ぐろろろっ……勝つのは、俺だっ!」

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バ キ ィ ィ ッ !!

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怒りをこめた、イカルス星人のパンチが炸裂!
痛烈な一打をまともに喰らって、大きく吹っ飛び倒れてしまう宙マン。

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宙マン「(苦悶)……うぐっ!」

イカルス「そうら、死ね死ね! 一気にトドメを刺しちゃるぜェ!」

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倒れた宙マンにのしかかり、更なる打撃を叩きつけてくるイカルス。

このままダメージを蓄積させ、宙マンを殴り殺してしまうと言うつもりなのだ。

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が、みすみすやられっ放しになっているような宙マンではない。

激しく地面を転がりながら、逆にマウントポジションをとって星人を殴打!

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そして、そんな激しい攻防戦の果て……

イカルス星人よりもわずかに早く立ち上がり、大空にジャンプする宙マン。

 

高空から、落下速度の勢いに乗って繰り出すその技の名は、もちろん!

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 宙マン「エイヤァァーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!

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出た、電光石火の必殺キック!
痛烈なその一撃に、イカルスがたまらずブッ倒れたところへ――

 

宙マン「でりゃあーっ! 宙マン・ショット!!

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裂帛の気合とともに、不可視の破壊衝撃波を放つ宙マン!

イカルスの腹部に炸裂した一閃が、平和の敵への決定打となった。

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イカルス「ぶぎゃあぁぁっ……無念、残念、口惜しや~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

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イフ「ぐ、うぬうううっ……よくも、よくもやってくれたな!

 だが、これしきの事で図に乗るでないぞ、宙マンよ。

 ワシら怪獣軍団には、まだまだ無限の力と凶悪な怪獣どもがおるのだ。

 今度こそは必ず、貴様の息の根を止めてやる……!」

 

……などと言う、もはや毎度毎度の負け惜しみはさて置いて。

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暴れん坊イカルスを降し、旭川の平和を守り抜いた宙マンの雄姿。

そして、夕陽を浴びて佇む彼の脳裏に……

この瞬間、ひときわ鮮やかにひらめくイマジネーションがあった。

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宙マン「おおっ、そうだ……新子焼きだよ、新子焼き!!

 私としたことが、コレを忘れるなんてどうかしていたな――

 そうだよ、旭川まで来て、名物の新子焼きを食べずに帰るテはないよねぇ!」

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かくして新子焼きを求め、繁華街へと軽やかな足取りで向かっていく宙マン。

そんな宙マンの勝利を讃え、美味との巡り合いを祈るかのように……

夕日に照らされながら、忠別川はさらさらと唄っていた。

 

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またまたやったぞ、さすがだ宙マン――

だが、悪の野望はとどまるところを知らない。

さァて、次回はどうなるかな?