遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

「影の国」より来たる者

児童向け玩具の体裁を取りつつ、実際の怪獣のイメージを忠実に再現してみせた

ブルマァク製ソフビ怪獣の造形レベルの高さは、現在も語り草となっており……

今回ご紹介させて頂くこちらのスタンダードソフビ、“分身怪獣・マルチ”もまた

そんなブルマァク黄金期ならではの優れた造形センスが遺憾なく発揮された、

正に脂の乗り切った一品(にして逸品)です。

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ミラーマン』第4話と第9話の二回に渡り別固体が登場し、その怪能力によって

我らがミラーマンを翻弄したマルチのソフビに関しては、去る2012年1月の時点で

既に一度リペイントを施し、それなりに悦に入っていた(笑)のですが……

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何せ気まぐれなワタクシめのこと、いつ再塗装の気が向くかは判りません。

……そして今回、彼にもとうとう「その時」が来てしまいました(笑)。

 

 

 

 

で、塗りあがりましたのがコチラ!

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「野菜の葉っぱ」をモチーフにしてデザインされたというだけあって、緑の色彩が

重要かつ印象的なイメージ・カラーとして機能しているマルチですので……

今回また再度のリペイントを施すに際しましては、そんなグリーンの色合いを

単調なものにしないよう、よりしつこく塗りを重ねていかねば!(笑)というのが

まず自分の中であらかじめ念頭に置いた大命題でした。

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そんなわけで今回もまた、前の塗装を「下地」として活かしつつ……

明度と彩度を少しづつ変えた緑系・グレー系の塗料複数によって、以前の塗りを

完全に塗りつぶさぬよう気をつけながら色を重ねていきます。

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もちろんその都度、塗料にはタバコライオンを艶消し剤として混入。

おかげさまでこの通り、最初のリペイント以上に徹底した艶消しに出来ました。

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そしてラッカー系による塗装が終わったところで、ペトロール溶きの油絵の具で

ウォッシングを施し、最後に艶消しスプレーを吹いてフィニッシュ。

ミラーマン』初期の怪獣たちは、泥まみれになっての泥臭い格闘戦というよりは

頭脳と超能力によるクールな戦いぶりの印象が強いので、今回はいつものような

パステル粉による土埃汚しはごくごく控えめに抑えてみました。

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以上、今回はブルマァク復刻版マルチの再リペイントの巻でした。

「レトロソフビだから」と言う色眼鏡を外して向き合ってみると、ソフビ造形面での

現在の目で見ても遜色なきレベルの高さに驚かされる本品……

復刻版ならば、気兼ねなしにリペイントを楽しめるから有難いですよね~(笑)。