“父も、母も……
姉までも、一緒に殺されてしまった
哀れな三郎少年が、偶然にも発見した巨大ロボット。
大都会を破壊するローラーロボを前にして、
敢然と立ち向かう巨大ロボット!
『大鉄人17(ワンセブン)』をお楽しみに”
(『大鉄人17』新番組予告ナレーション)
棚からボタ餅状態で、唐突に訪れたビンテージ玩具とのお戯れタイム。
ただショーウィンドー越しに眺めるばかりではなく、直に触れて遊ぶことによる
何ともいえないワクワク感は、やはり何者にも代え難いものがあります。
今回ご紹介させていただくのは、こちら――
これまでの開発ノウハウ蓄積により、超合金&ポピニカをはじめとしたポピー製の
キャラクター玩具が、目に見える形で商品のクオリティを向上させていた1977年の
大傑作アイテムのひとつ、「DX超合金」版・大鉄人17です。
と、前置きが済んだところで(笑)改めまして。
サイズ的には約15センチ大と、他の「DX超合金」版ロボット玩具たちに比べると
決して大きなものではないものの、それでも本商品が「DX」たりえるものとして
多くのユーザーを納得せしめたのは、その小サイズに盛り込まれたギミックの
劇中イメージに対する忠実再現度の高さゆえのこと。
要塞ワンセブンから戦闘ワンセブンへ、一部パーツを取り外すだけで劇中同様の
完全変形が可能である、という驚異のメカニズム……
「映像ならではの嘘」ゆえ、完全変形可能なロボット玩具など不可能であろうと
半ば諦め気味に思われていた1977年時、前年発売のポピニカ・コンバトラーVや
同年発売のポピニカ・ボルテスⅤと並び、17の変形システムがいかに衝撃的で
画期的なものであったかは想像に難くないかと思われます。
ちなみにこれが、要塞ワンセブンへの変形時に取り外す腹部グラビトン発射口。
ただし余剰パーツとは言っても、玩具オリジナルの機構で、要塞ワンセブン前部に
セットすることが可能になっているのは気が利いていますよね。
そして、この変形ギミック再現の副産物として、当時の「超合金」ロボとしては
かなり上位のポージング性能を有しているのも、また17ならではの魅力。
変形させてよし、重量感を楽しんでよし、好きなポーズを堪能してよし……
しかも、それらの全てが劇中イメージに近いリアルな精密さを有していたことから
超合金の単品販売成績としては歴代トップとなる、166万個の売り上げを記録し
今なお同ブランドの金字塔としてその名を轟かせている大鉄人17。
「そうなるだけの確固たる理由」は、劇中同様の臨場感を醸し出す精密な出来が
何より雄弁に証明している、と言ってよいでしょう――
なんせ本体のクオリティに加えて、劇中同様の発着&格納ギミックをも楽しめる
シグコンジェット、シグコンタンク、サブマシーンのミニサイズ・オプションまでもが
余すところなく付属してくるこだわりっぷりですもの、ねぇ。
以上、簡単ながら「DX超合金」版ワンセブンのご紹介の巻でした。
今の目で見てもなお素晴らしい、そのトータルクオリティに舌を巻くのと同時に
現在の「超合金魂」や「S.H.フィギュアーツ」、「ROBOT魂」……などなどの
高年齢向け玩具も決して一朝一夕に生まれてきたものではないのだ、という
「歴史の堆積」の重みと貴さをも、ひしひしと感じさせてくれるアイテムです。