さてさて！
今回の『宙マン』も、例によって毎度お馴染みの北海道千歳市から
物語を始めることとしよう。
宙マン「いやぁ、実に良い日和だねぇ！」
ピグモン「お天気もいいし、言う事なしなの～」
ながもん「すべて、世は……ことも、なし」
みくるん「のんびり、ゆったり。
こういう時間を過ごせるのが、何より幸せなんだなって思いますぅ～」
落合さん「えぇ。全くもって、平和が一番ですわ」
ビーコン「いやいや～、でも、適度に刺激もなくちゃ世の中つまんないっスよ。
とりあえず景気付けに、ドカーンと一発ド派手な花火でも……」
ズゴゴゴグワーンっ！！
おお、見よ！ 驚愕せよ！
何の前触れもなしに……
突如、落合さんたちの背後に上がった巨大な火の手！
落合さん「ほらっ、ビーコンさんが余計なこと仰るから！」
ビーコン「ちょ、オイラのせいっスかぁ！？（汗）」
ビーコン「って言うか……前にもあったっスよねぇ、こんな展開！」
みくるん「ふぇぇっ、って言うことは、まさかぁ……」
ながもん「今度も……またまた……」
宙マン「ううむっ、またしても怪獣軍団の仕業かな！？」
爆発！ 炎上！
そして、事態はただそれだけにとどまらず――
ながもん「（ボソッと）おおっ。……あれは」
ビーコン「どひ～っ、またまた何か出てきたんスか！？」
ながもん「……（無言で上空を指差し）」
鳥か？ 飛行機か？ スーパーマンか！？
否、そのどれでもない――
千歳上空に浮かぶ巨大な怪物体、“大魔球グローバー”。
そして、この怪メカニックに乗りこんでこれを操っているのは……
またまた登場、怪獣軍団の幹部候補生・バルタン星人Jrだ！
バルタン星人Jr「フォッフォッフォッ……久しぶりだねぇ、宙マン！」
宙マン「その声は……確か、巨腕ガンガーの時の……！」
koumemylove4794.hatenablog.com
バルタン星人Ｊｒ「ああ、そうとも、バルタン星人Jrだ！
怪獣軍団の筆頭幹部候補生が、今ここに宣言する――
先日受けたあの屈辱、今日この場で叩き返してやろう！」
落合さん「……あらまぁ、なんてハタ迷惑な！」
「おりょりょ、誰かと思えば……」
「バルタンJrの坊ンズでねーのよ、おい！」
「にしてもアイツ、今日はやけに張り切ってやがんなぁ――」
「オンナでも出来たか、さもなきゃオンナに振られたかぁ……？」
バルタン星人Jr「フォッフォッ……せいぜい囀ってろ、有象無象の三下連中！
お前たちが、そうやって呑気にしている間に……
この僕が大魔球の力で地球を征服し、出世街道まっしぐらさ！」
イフ「うむ、素晴らしいぞバルタン星人Jr！
それでこそ筆頭幹部候補生、我が怪獣軍団の「期待される宇宙人像」だ！
その気迫とヤル気でもって、みごと地球征服、成し遂げてみせよ！」
怪獣魔王のお墨付きを得て、がぜん張り切るバルタン星人Jr！
彼の操縦するグローバーが、地上への容赦ない砲撃を開始。
ビーコン「どひ～っ、おっ始まっちまったっス～！」
落合さん「全くもう、いつだって強引なんですから！」
みくるん「ふぇぇ、ぼやいてる場合じゃないですよ～！（汗）」
大魔球の暴虐、もはや断じて許すまじ！
千歳の平和を守るべく、航空防衛隊が直ちに出撃した。
ビーコン「おおっ、今日もまたまたお出ましっスよ！」
ピグモン「はうはう～、かっこいいの～！」
落合さん「……今回こそは、何とかなりますかしら！？」
「これ以上、市街地の被害を広げてはならん――
全機、アタック！ 攻撃開始っ！！」
高火力のロケット弾が、矢継ぎ早やに叩きこまれる――
今回こそは、怪獣軍団の猛威を阻止できるであろうか！？
バルタン星人Jr「僕のグローバーに、そんな花火が通じるものか！」
「……ど、どわぁぁぁ～っ！？」
グローバー砲の威力に、一機、また一機と撃墜されていく戦闘機。
……あぁ、やっぱり今回も無理でした。
みくるん「ふぇぇ、なんか悲しすぎる結論ですぅ～」
ながもん「おおっ。……そんなこと、言ってる……間に」
ビーコン「おろろ、大魔球から足が生えてきたっス！」
バルタン星人Jr「そうとも、グローバーにはこんな能力もある！」
ジャキンッ！
金属音を響かせ、二本の足ですっくと大地に立つグローバー。
異形の巨体が、ゆっくりと進撃を開始する！
バルタン星人Jr「フォッフォッフォッフォッ……
ご照覧あれ魔王様、大魔球グローバーの素晴らしい威力！」
重々しい足音とともに、グローバーの異形が千歳の街を蹂躙する！
その進撃を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。
バルタン星人Jr「フォッフォッフォッフォッ……そぉれっ！」
大魔球の機体各部から突き出た突起物……
それは、全方位に破壊光弾を発射するグローバー砲である。
ズガーン！ グワーンっ！
号砲一発、グローバー砲！
連射される光弾によって、次々と建造物が破壊され……
平和な街は、みるみる紅蓮の業火に包まれていく。
落合さん「あらあらまぁまぁ、大変なことに！」
ビーコン「こうなっちゃもう、アニキだけが頼りっス！」
ピグモン「はわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの～」
宙マン「ううむっ、やるしかないか！ 宙マン・ファイト・ゴー！！」
閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、大魔球グローバーの前に舞い降りる！
宙マン「トゥアーッ！ 宙マン、参上！
バルタン星人Jr、もうその辺にしておくがいい！」
ズ、ズーンっ！！
ビーコン「いえっふ～、出たっス、これぞアニキの十八番！」
落合さん「ああ、やっぱりここ一番で頼れるのはウチのお殿様ですわねぇ！」
ピグモン「はうはう～、宙マン、がんばってなの～！」
バルタン星人Jr「出たな宙マン、今度こそは僕の手でお前を……！」
宙マン「そうはいかんぞ、バルタン星人Ｊｒ！」
ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マンーー
さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。
激突、宙マン対グローバー！
落合さんたちが固唾を呑んで見守る中、攻防戦が大地を揺るがす。
とらえどころのない球形のボディ……
メカニックならではの、重装甲と猛パワー。
大魔球グローバーの突撃戦法には、さしもの宙マンも苦戦だ。
バルタン星人Jr「宙マン、これに耐えられるかな！？」
グワッシィィーンッ！
恐怖の破壊メカ、大魔球グローバーの全開パワー！
宙マンの巨体が大きく吹っ飛び、地面に叩きつけられる。
更に容赦なく、グローバー砲の砲撃が宙マンを襲う！
「う、うわぁぁぁぁ……っ！」
爆発！ また爆発！
周囲の凄まじい炎と爆風に、激しくよろめかされる宙マン。
みくるん「ああっ、宙マンさんが！」
ビーコン「どひ～っ、すっげぇヤバげじゃないっスかぁ！？」
ながもん「あの、武器は……すごく……強力」
ピグモン「ふぇぇん、宙マン、まけないでなの～！（涙目）」
落合さん「（祈るように）……お殿様……っ！」
グローバーの巨体が地上を離れ、再び空中に浮き上がる。
空中からの砲撃で、一気にとどめを刺すつもりなのだ！
バルタン星人Jr「そおれっ、死んでもらおうか、宙マン！」
宙マン「なんの、まだまだこれからが本番さ！」
ズガーン！ グワーンっ！
砲撃をかわしながら、宙マンはひとつの結論に至った。
大魔球の重装甲を攻略するには、余計な小細工は通用しない……
強力な衝撃で、一気にこれを叩き破るしかない、と！
宙マン「くらえ！ 宙マン・エクシードフラッシュ！！」
全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、グローバーを直撃！！
バルタン星人Ｊｒ「ひ、ひぇぇぇぇ～っ！
ちゅ、宙マンの奴め……お、覚えてろ、覚えてろ～っ！！」
やったぞ宙マン、大勝利！
みくるん「わぁっ、やりましたぁ、宙マンさんの勝ちですぅ！」
ピグモン「はうはう～、宙マン、かっこよかったの～♪」
ながもん「……グッジョヴ」
ビーコン「いえっふ～、やっぱアニキっスよねぇ。お見事っス！」
落合さん「えぇ、本当にお素敵でしたわ、お殿様！」
イフ「おのれ……またしても宙マンめが！
だが、この次こそはグローバー以上の超兵器が……
そして怪獣軍団の執念が、お前に真の絶望を与えてくれようぞ！」
……などと言う、怪獣魔王の負け惜しみはさて置いて。
かくて、逆襲のバルタン星人Jrは大魔球グローバーもろとも敗れ去り
千歳の街に再び平和が蘇ったのであった。
ピグモン「はうはう～、宙マン、おつかれさまなの～♪」
宙マン「いやぁ、ひと汗かいたらお腹ペコペコだよ――
早いトコお昼にしようじゃないか、お昼ご飯に」
ながもん「宙マンは、何が……食べたい？」
宙マン「う～ん、そう言われると迷っちゃうけど……」
みくるん「うふふ、それなら大定番の醤油ラーメンはどうですか？
昔ながらのすっきり味な、いいお店があるんですよ～」
宙マン「おおっ、昔風いいねぇ、全くもって異議なしだよ！」
ビーコン「ヒヒヒ……いやぁ、楽しみっスねぇ、ラーメン！
でも、本命の一皿を堪能する前に、まずは軽く前菜をば……」
むにゅん、ふにふにっ
落合さん「（赤面）……きゃ、きゃあああああっ！？」
げ し っ ！
落合さん「このエロ怪獣っ、あなたときたらホントに全く……！！（怒）」
ビーコン「ハンニャラ、ヒ～ッ……世界が回る、目も回るっスぅぅ～」
宙マン「はっはっはっはっ」
おいしい街の、おいしいヒーロー。
我らが宙マン、次回もおいしく大活躍だよ～！
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