かつては「炭鉱のまち」として栄えていた空知地方の夕張市。
残念ながら2007年に「財政再建団体」へ指定されたものの、そんな苦しい中でも
まちを愛する地元民の思いは熱く、したたかに息づき続けています。
そんな思いの結晶化のひとつとも言うべき、夕張市の新名所……
2010年6月にオープンした、夕張駅前の「バリー屋台」こと、夕張屋台村もまた
今の夕張を訪れた際には、一度は覗いてみて損のない場所のひとつです。
地元の直売所へ夕張メロンを買いにきたり、ドライブで立ち寄ったりしたついでに
従兄弟のトモちゃん(仮名)ともども、ちょくちょくお邪魔しているバリー屋台。
こちらにおいて注文するお気に入りのメニューが、同屋台村に店舗を構えている
「夕張ラーメン」さん・お勧めの一品である“夕張黒ラーメン”です。
あっさりながら深く豊かなコクを奥底に湛えた黒醤油のスープに具材のキクラゲ、
そして食用の竹炭を練りこむことによって、石炭のように真っ黒になった麺、と
かつての炭鉱街としての栄華を偲ぶかのような「黒づくし」の一杯。
見た目こそかなりのコワモテで、なかなかおっかないのですが、いざ箸をつけると
ゲテモノ風のルックス(失礼!)とは裏腹の、ちょっとだけ懐かしい感じもする
てらいのない、飽きの来ない正統派の味わいにまとめあげられています。
今やすっかり「地元の味」として、市内における知名度も高い黒ラーメン。
まずは「話のタネ」として、夕張を訪れた際には是非一度ご賞味を――
単なるネタに終わらない、優しい満足感が貴方の全身を包んでくれるはずです。