遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

赤いあいつはレッドマン! の巻

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異次元人ヤプールの尖兵、ベロクロンとドラゴリー。

「怪獣よりも強い」超獣二体がかりでの苛烈な攻撃に追い詰められ

我らが宙マンが、絶体絶命の危機に陥ったとき……

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突然、その上空に姿を現した赤い光球。

「それ」は音もなく、北海道千歳市のど真ん中に降下し……

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そして、その場に居合わせた一同の前で、瞬時に実体化。

その姿はまさに……赤い巨人であった!

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「レーッド!!」

 

 

ながもん「おおっ……あれは……あの人は……レッドマン

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みくるん「知ってるの、ながもん!?」

ながもん「……(無表情に頷き)」

ビーコン「つーか、レッドマンの事ならオイラたちも知ってるっスよ」

落合さん「えぇ、お噂はかねがね、お殿様から伺っておりますので!」

 

真紅の超人、その名も人呼んで「レッドマン」。

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彼は銀河連邦の一員・レッド星から、宇宙の平和を守るために派遣された

怪獣退治の専門家であり、その際立った身体能力と数々の超能力を駆使して

平和を乱す怪獣たちと数限りない戦いを繰り広げてきた歴戦の勇士で……

 

同時に同じ「銀河連邦」に属するプラネット星人の宙マンとは、平和を愛する

その優しい気性で意気投合した親友同士でもあった。

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落合さん「そのレッドマン様が、こうしてお出ましになられたと言う事は……」

ビーコン「ウチのアニキに、力貨してくれるってコトでいいんスよね?」

 

レッドマン「(力強く)ああ、勿論だ!

ビーコン「(一瞬びくっとなるが、すぐに笑顔で)……おおっと、力強い宣誓、いただきましたっス~」

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宙マン「(よろめきつつ顔を起こし)れ、レッドマン……君か……!」

レッドマン「おっと、再会の喜びを分かち合うのは後だ。

 まずは何を置いても、この物騒な連中を片付けてからだな――」

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レッドマン「(右手を差し伸べ)まだ、やれるか?」

宙マン「(頷き、その手をとって)……当然!」

 

ドラゴリー「(嘲笑)グワルルル、お手手つないで……ってかぁ!?」

ベロクロン「賑やかしの頭数が、どれだけ増えようが同じことよ!」

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レッドマン「いいだろう、だったらその身に思い知らせるまでだ!」

宙マン「これで二対二、数の上では互角――

 いや、勝つのは正義に味方する私たちの方さ!」

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「レッド・ファイト!!」

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それぞれに闘志を燃やし、ファイティングポーズを決める二大ヒーロー。

さぁ、今こそかつてないハイパーバトルの幕開けだ!

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ベロクロン「グゥオオオ~ンっ! 潰れろ、宙マンにレッドマン!!」

宙マン「なんの、負けるものか!」

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ほぼ同時に動き、駆け寄って激突!!

宙マンはベロクロンと、レッドマンはドラゴリーを相手に戦う。

 

レッドマン「ダァァーッ!」

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悪への怒りの爆発、レッド・アクション!

ドラゴリーの内懐に飛び込み、パンチの連打で攻めに攻めまくる

レッドマンの攻撃は、怪力ドラゴリーに反撃の隙を与えない。

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そんなレッドマンに負けじとばかり、宙マンの闘志もまた燃える。

二度と同じ手は食わぬとばかり、ベロクロンめがけての技の攻勢は

連戦続きの疲れをまるで感じさせぬほど。

 

ベロクロン「グゥオオオ~ンっ、くらいやがれっ!」

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怒り、ベロクロンが吐き出す生体ミサイル。

その恐るべき連射を、宙マンはジャンプでかわして大空へ!

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ベロクロン「(目をぱちくり)ぬおおっ!?」

宙マン「そぉらっ、こっちだこっちだ!」

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華麗な空中回転でベロクロンを翻弄し、きりきり舞いさせる宙マン。

 

ベロクロン「こ、この野郎っ、なめやがって!」

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宙マン対ベロクロン、レッドマン対ドラゴリー。

千歳の街を激しく揺さぶる、超スケールのタッグマッチ!

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ビーコン「うひょひょ、スゲスゲ、こりゃスゲェっス!」

ピグモン「宙マンも、レッドマンも、がんばってなの~!」

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落合さん「お殿様~、頑張って下さいませ~!」

ピグモンレッドマンさんも、しっかりなの~♪」

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完全に勢いに乗り、戦いの「流れ」を掴んだ二大ヒーロー。

その猛攻には、凶悪な超獣たちと言えどもいささか分が悪いか。

 

ドラゴリー「(怒り)”分が悪い”だとぉっ?……アホ抜かせぇっ!」

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カッとなり、口から灼熱火焔を吐き出すドラゴリー。

だがレッドマンは、その一閃を冷静に見切って躱し、空中ジャンプ!

 

ドラゴリー「(驚愕)ぐ、グワルルルっ!?」

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「レッドキック!」

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空中降下の急加速も威力に加えて、敵に叩きこむ一撃……

レッドマンの得意技・レッドキックが、ドラゴリーを大きくよろめかせる。

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ドラゴリー「グワルルル、お、おのれぇぇっ……」

レッドマン「ようし、この一撃で決めさせてもらうぞ――」

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「レッドナイフ!」

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レッドマンの必殺武器、あらゆる悪を切り裂く”レッドナイフ”。

鋭利なその切っ先が、レッドマンのテレパシーによって宙を舞い

ドラゴリーの急所を、狙い違わず一撃で貫いた!

 

ドラゴリー「ぐ、グワワワァァァ~ッ!」

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レッドマンがドラゴリーを倒したのとほぼ同時に……

宙マンもまた、ベロクロンめがけて必殺技を放つ態勢に入っていた。

 

宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!

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全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ベロクロンを直撃!!

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ベロクロン「こ、こんなバカな……俺が、超獣が……負けるなんてぇぇ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」

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みくるん「宙マンさんも、レッドマンさんも、すっごく素敵でしたぁ!」

ながもん「文句、なしの……超絶、グッジョヴ」

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ビーコン「や~、えぇもん見せてもらったっスねぇ!」

落合さん「二大ヒーローの競演、心のHDDに永久保存大決定ですわ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~」

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かくして人々が、二大ヒーローの勝利に沸く中……

他でもない宙マンとレッドマンの二人もまた、万感の思いとともに

改めて向き合っていた。

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レッドマン「見事だったぞ、宙マン。

 現役時代の技の冴えは、相変わらず衰えていないようだな」

宙マン「ありがとう、レッドマン

 あの超獣たちに勝てたのは、君が来てくれたおかげだよ!」

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レッドマン「今、宇宙の各地でまたヤプール・エネルギーの活性化が見られ……

 「銀河連邦」ではヤプール復活の前兆と見て、各地に戦士を派遣している。

 私もその任務中に、不穏な動きを察知して……」

宙マン「それでこうして、地球まで来てくれたってわけだね」

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レッドマン「宙マン、君も充分に気をつけてくれ――

 君を目の仇にしている宇宙の悪は、怪獣軍団の魔王イフだけではない、と言うことだ」

宙マン「分かった、肝に銘じるよ」

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宙マン「しばらく引きとめて、思い出話に花でも咲かせたいが……

 君のことだ、そう言うわけにもいかないんだろうな?」

レッドマン「ああ、次はオリオン座大星雲・ミロー惑星での任務が待っている。

 ……だが心配ない、すぐにまた会えるとも――

 君のピンチには、いつでもこうして駆けつけるからな!」

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宙マン「(思いがこみあげ)……レッドマン!」

レッドマン「……(静かに頷いて)」

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お互いの健闘を讃えあい……

またの再会を約して、固い握手を交わす二大ヒーロー。

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かくしてここに、異次元人ヤプールの尖兵・ベロクロンとドラゴリーの

「超獣騒動」は、ひとまずの幕引きを見た。

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……そう。

あくまでも「ひとまず」である……。

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イフ「ぐぬぬぬっ、あの忌々しいヤプールめが……

 またしても懲りずに復活を遂げようと言うだけならまだしも、よりによって地球で、

 このワシらの縄張りで好き勝手な真似をしようとしおる!」

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ゾネンゲ博士「ヤプールの性根の曲がり具合、それに執念深さときましたら

 この宇宙の「悪」のコミュニティ内でも昔から良い評判を聞きませんで……。

 寝首をかかれぬよう、我らもじゅうぶん注意する必要がございますですな」

イフ「左様、まさにその通り!」

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イフ「ヤプールなどに好き勝手はさせるな、地球は怪獣軍団が征服するもの……

 そして全ての決着は、宙マンとワシらとの間でつけるべきものなのだ!

 よいか者ども、これより緊急の戦略会議に入るぞっ!」

「「「ははァーッ!!!」」」

 

と、ヤプールの気配を警戒して、いち早く動いたのは怪獣軍団。

これからまた、地球へかけるちょっかいが激しさを増すのは必至であろう。

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そして、我々の住む三次元宇宙からは決して見ることも、行き来も出来ない

四次元世界に漂う異次元人ヤプールの怨念は、今また俄かに宇宙の各所で

活性化を続けながら再びひとつに集まって実体化し、悪魔のような性質で

地球を、宇宙を弄び尽くそうとしているのである。

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そうなのである、本当の危機は未だに続いているのだ。

……まだ、「何も終わって」などはいないのだ!

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「光ある世界よ、その中に生きる者どもよ……

 今こそ、ヤプールの恨みの深きを知れ……!!」