遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

落日まぢかの決斗の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202229j:plain

季節は秋――

耳を澄ませば、近づきつつある冬の足音さえ聞こえてきそうな肌寒さ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202346j:plain

そんな10月の、北海道千歳市の日暮れ時。

ゆっくり赤く染まりつつある空の色と、北国の山々を彩る紅葉の色とが相まって

今、この季節ならではの風情を感じさせてくれる光景である。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202415j:plain

と言ったところで、今回は……

木枯らしの吹く夕暮れ手前の街を、の~んびりお散歩と洒落込んでいたりする

宙マンとピグモンの二人連れから物語を始めよう。

 

 

 ピグモン「はう~、風がすっかり冷たくなってきたの~」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202503j:plain

宙マン「はっはっはっはっ、冷たいのも道理だよ、ピグモン

 なんせ今年も残り僅か、ってことは冬がもう間近だからねぇ」

ピグモン「これからどんどん寒くなって、もうすぐ雪もふってくるの~。

 ……でも、今の季節のお山、とってもきれいなの~」

宙マン「ああ、こういうのを“秋色”って言うんだろうねぇ。

 葉が全部散ってしまう前に、目にしっかり焼きつけておこうじゃないか」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202700j:plain

ピグモン「はうはう~、のんびり、ゆったりなの~♪」

宙マン「はっはっはっ、まったり、まったり♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202755j:plain

山の紅葉を楽しみながら、穏やかな足取りで近所の散歩を満喫中の宙マンたち。

だが、このまま何事もなく、ゆる~く時間が過ぎて行くのかと言えば……

……当然、そうは問屋が卸さなかった!

 

ピカッ、ゴロゴロドドーンっ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210507234214j:plain

宙マン「!?」

 

突如、天空から降り注いできた一条の雷光!

まばゆいその輝きの前に、思わず目がくらむ宙マンとピグモン

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202931j:plain

「ジャジャジャジャ……!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825202955j:plain

ピグモン「あっ、なんか見たことない人が出てきたの!」

宙マン「……さては、また怪獣軍団の一員か!?」

 

「ジャジャジャジャ! 察しが良いな、宙マン。

 俺様は怪獣軍団きっての喧嘩大将、ジャシュライン様だジャジャ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203048j:plain

宙マン「……う~ん、わざわざ来てもらって申し訳ないんだけど……

 私たちはいま散歩の途中だし、もうすぐ見たいドラマの再放送もあるもんで

 とても君に付き合ってあげられる暇はないんだよねぇ。

 申し訳ないけれど日を改めて……ってことで、どうかなぁ?」
ジャシュライン「ジャジャジャ、相変わらず緊張感のない奴ジャジャ。

 ……だが、これを見ても、まだそんな口がきけるジャジャ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203144j:plain

バシュッ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203159j:plain

突如、ジャシュラインの額から迸る閃光!

その光をまともに浴びたピグモンが、みるみるうちに石化してしまったではないか。

 

宙マン「(驚き)ぴ、ピグモンっ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203240j:plain

宙マン「……貴様ぁっ!」

ジャシュライン「ジャジャジャジャ、俺様と勝負するジャジャ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203313j:plain

ジャシュライン「シュラシュラシュラ、このチビ怪獣を元に戻したいかシュラ?

 だったら僕チンと戦って、僕チンを倒すより他に方法はないシュラよ」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203336j:plain

ジャシュライン「インインイン、もっとも……勝つのはワシらに決まっとるイン!」

宙マン「やむを得ん……その挑戦、しかと受けてやる!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズをとり、敢然と身構える宙マン。

さぁ、またまたスーパーバトルの幕開けだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203453j:plain

宙マン「悪く思うなよ、ジャシュライン。

 ピグモンの事があるのでね、今日ばかりは手加減できる余裕がないんだ!」

ジャシュライン「ジャジャジャ、抜かせ宙マン!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「わははは……そうだ、その意気だ、思い切り戦えジャシュライン!

 かつてエリダヌス座宇宙を荒らし回り、悪名を轟かせた喧嘩大将……

 宇宙のストリートファイターの腕っぷしで、宙マンを叩きのめしてしまえ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203649j:plain
ジャシュライン「ジャジャジャ~、お任せをジャジャ、魔王様!」

宙マン「なんの、そうはいくものか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203725j:plain

激突!!

千歳市近郊の山を舞台に、宙マンとジャシュラインの死闘が展開される!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203747j:plain

エリダヌス座宇宙においてその名を轟かせた怪力……

剥き出しの暴力性が、問答無用のパンチ攻撃となって宙マンに襲いかかる。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203810j:plain

だが、宙マンもまた負けてはいない。

ジャシュラインのパンチを冷静に見切り、繰り出される鉄拳をかいくぐりながら

果敢に敵のふところへ飛び込み、反撃に転じて行く。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203834j:plain

ジャシュラインめがけて繰り出す、宙マンのストレートパンチ!

さしものジャシュラインもこれにはたじろぎ、後退を余儀なくされてしまう。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203858j:plain

宙マン「ようし、このまま一気にお前を打ち砕いてやる!」

ジャシュライン「シュララララ……ほざくな宙マン、これでも食らうシュラ~っ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825203932j:plain

ジャシュラインを「宇宙三面魔像」たらしめている三つの顔……

二つ目の顔の額からエネルギー衝撃波が迸り、宙マンの足元に炸裂!

 

宙マン「くっ!」

ジャシュライン「ジャジャジャ、踊れ踊れ宙マン、もっと踊れジャジャ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204012j:plain

続いて、一番目の顔の額から放たれたのは破壊光線。

凄まじい連射とともに噴き上がる爆炎の中を、宙マンが駆け抜けて行く。

 

ジャシュライン「インインイン……とどめはワシが刺してやるイン!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204042j:plain

そして、三番目の顔の額から放たれたのは灼熱の火球。

だが宙マンは、迫り来るその一閃を冷静に見切ってかわし、大空へジャンプ!

 

ジャシュライン「(驚愕)ジャッ!」「シュラっ!」「……インんっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204110j:plain

 宙マン「エイヤァァーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204640j:plain

出た、電光石火の必殺技!

ラクルキックの燃える足先を受け、ドドーッとブッ倒れるジャシュライン。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204702j:plain

宙マン「どうだ、参ったか!」
ジャシュライン「(激昂)おの~れ、おのれおのれ……

 宇宙一のストリートファイターの実力、舐めるなジャジャ~ッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204745j:plain

おおっと、ここでジャシュラインの怒りが爆発!!

立ち上がりざまに繰り出した鉄拳が、宙マンの胸板へ見事にヒットする。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204810j:plain

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204844j:plain

吹っ飛ばされた宙マンめがけて、のしかかってくるジャシュライン。

このままマウント・ポジションで、宙マンにとどめを刺そうと言う算段であったが

そこはそれ、そのままやられっ放しでいるような宙マンではない。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204909j:plain

地面を転がり、もみ合いながら鮮やかに形勢逆転。

逆に自らが跨り返して、ジャシュラインの三面へパンチの乱打!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825204931j:plain

ジャシュライン「ぐ、うううっ……」

宙マン「ようし、今だ! 宙マン・リフター!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825205046j:plain

ジャシュライン「さ、三人……」「揃って……」「シャクの種ぇぇ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825205106j:plain

宙マン「ふぅ。……やれやれ、手強い相手だった……!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「ぐ……うぬぬぬ、おのれおのれ……またしても宙マンめが!

 だが、これしきでワシらの挑戦が終わったと思ったら大間違いだぞ。

 ワシの目の黒いうちは、怪獣軍団は決して地球征服を諦めはせぬ!」

 

かくして宙マンの活躍により、宇宙三面魔像ジャシュラインは撃退され……

その敗退とともに、石化させられていたピグモンも元に戻ったのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825205241j:plain

ピグモン「(目をぱちくり)……はう?」

宙マン「おお、ピグモン……よかった!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825205431j:plain

宙マン「さてと、余計な寄り道しちゃったし、ここからは少し急ぎ足で帰ろう。

 ドラマ再放送の時間にも間に合わせたいし……

 それに、ぼちぼち胃袋が落合さんの手料理を恋しがってきたからね」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんもおなかペッコペコなの~♪」

宙マン「はっはっはっはっ、ようし、それじゃ行こうか!」

 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210825205522j:plain

戦い終わって、夕日が沈み……

平穏な日常は、これからも続いて行く。

宙マンありがとう、また明日!