遊びをせんとや生まれけり

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道東に旨し蕎麦あり

釧路市内・春採湖(はるとりこ)。

 

海面下降の際に取り残された海跡湖にして、海水が入りこむ汽水湖

そしてわが国でも数少ない、“市街地のど真ん中”に位置する湖でもあります。

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さて、そんな春採湖のすぐそばにある名店中の名店……

それが「竹老園」の通称で知られる道内屈指の老舗「東家」の総本店。

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道内各地に分家を有し、広くその名を知られる「東家」さんは、釧路はもとより

本道そば文化の源流的存在でもあるのです。

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1954年の全国行幸の際に、昭和天皇裕仁氏が夕食として竹老園のそばを食し

美味しさを絶賛するとともにお代わりを求めて、当時の調理担当者である三代目を

男泣きさせたという挿話は、今もなおご当地・釧路の語り草。

そんな名店の伝統あるそばを、今回はシンプルに盛りで頂きました。 

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江戸時代から連綿と続く、藪そばの伝統を今に受け継ぐ緑色がかった麺。

かつては藪粉で色をつけていたのですが、人工着色料の使用が禁止されてからは

クロレラ粉末を使ってこの色を出しているのだそうです。

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丁寧に仕立てられた麺の心地よい舌触りと胸のすくような香り。

つゆと一体になることで、口中に滑りこんでくる心地よい喉越し。

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締めの蕎麦湯まで味わい尽くした時、ふわーっと全身に広がる幸福感とともに

「馥郁」と言う二文字の真価をしみじみ思い知らされます。

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そして、歴史と伝統のそばを堪能した後には、四季折々の美しい装いを見せる

庭園をゆったり散策できるのも嬉しい限り。

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優しく清冽な旨味が、心地よく体に染み渡るこの一杯。

皆様も釧路へご訪問の折には、ぜひ一度こちらのお蕎麦を味わってみて下さい。