怪獣軍団からの挑戦を受け……
道内某所、荒涼たる“魔境岬”へと急ぎ出向いた我らが宙マン。
待ち受けていたのは両手の二条鞭を武器とする地底怪獣・グドン。
スピードと技巧が相まった猛攻に苦戦を強いられる事となった宙マンだが
不屈の闘魂で危機を乗り越え、鮮やかな大逆転を決めたのであった。
とどめの技は燃える鉄拳・フラッシュボンバー。
これをまともに喰らっては、いかな凶悪怪獣も無事でいられるわけもない。
やったぞ宙マン、大勝利!
……だが、魔境岬での戦いは、これだけでは終わらなかったのである。
イフ「うぐぐぐっ……おのれおのれ、よくもやってくれたな宙マンめ!
だが、これで勝ったと思ったら大間違いだぞ――見よ!」
そんな怪獣魔王の言葉を裏付けるように……
ズシーン、ズシーンと、打楽器の音色のように重々しく響いてくる足音。
迫る気配を察して振り返った宙マンの眼前……崖の上に姿を現したのは!
「ぐわぉぉーっ、俺様だァ!!」
「宙マン、今度はこの俺様が相手ンなってやるぜィ!」
宙マン「(拳を握りしめ)どくろ怪獣、レッドキング……!」
イフ「わははは! 見たか宙マン、
怪獣軍団のもてなしが、生半可なものであろうはずもなかろうが――
二番手、怪力無双の怪獣レッドキングがお前の相手だ!」
レッドキング「ぐわぉぉーっ、そう言うこった!
俺ァ小細工は苦手だ、ガンガン力押しで行かせてもらうぜィ!」
宙マン「むむっ!」
一気呵成に崖を駆け下り、激しい勢いで襲いかかるレッドキング!
応戦する間もあらばこそ、その遮二無二な突進戦法に宙マンもたじろぐ。
レッドキング「ぐわぉぉーっ、オラオラ、どうしたァ!」
「う、うわぁぁぁ……っ!」
出た、レッドキングのパワー殺法!
その怪力たるや、片腕だけで宙マンの巨体を軽々と投げ飛ばしてしまうほど。
レッドキング「ぐわぉぉーっ、どうしたどうした!
正義のヒーローだってんなら、もっと強いトコ見せてみろオラァ!」
宙マン「……なんの、これしきっ!」
地面へとしたたかに打ち付けられ、激しいダメージを受けながらも……
歯を食いしばって立ち上がり、荒ぶるレッドキングへ果敢に挑んでいく宙マン。
さぁ、世紀のスーパーバトル、第二ラウンドの幕開けだ!
持ち前の怪力で、猛然と挑みかかってくるレッドキング!
もはや宙マンも小細工や駆け引き抜きで、真っ向からパンチ連打で対抗。
宙マン「それっ、どうだ、これでもか!?」
レッドキング「ぐわぉぉーっ、お手本を見せてやるぜ――
ホンモノの打撃技ってのは、こういうもんだァ!」
「ぐ、ううう……っ!」
たった一撃、単純なチョップ攻撃のダメージが骨格にまで染み渡ってくるのは
ひとえにレッドキングの、比類なき怪力無双の賜物。
宙マンが怯んだ隙を突き、猛然とその怪力で締め上げにかかるレッドキング!
宙マン「く、くそぉ……ッ!」
レッドキングの締め技をどうにか振りほどき、一時後退する宙マン。
大きく間合いを取り、得意の光線技攻撃に持ち込もうと言う算段だったが……。
レッドキング「ぐわぉぉーっ、そうはいかねェんだよっ!」
出た、レッドキングお得意の岩石投げ!
手近な岩を拾い上げて、相手めがけて持ち前の怪力で投げつける――
たったそれだけの単純な技ながら、威力は絶大。
たまらず倒れた宙マンの体を、更に容赦なく蹴り飛ばす!
再び大きくふっとばされ、地面に叩きつけられる我らのヒーローである。
全身に激しいダメージを受け、なかなか立ち上がれない宙マン。
ズシーン、ズシーンと足音を響かせて、無情にもレッドキングが迫ってくる。
宙マン「(苦悶)ぐ、ううう……っ!」
レッドキング「ぐわぉぉーっ、ザマぁねぇな宙マン!
どれ、そんなに気に入ったんなら、もういっちょ食らわせてやるぜ!」
再び宙マンめがけて、岩を投げつけるレッドキング。
猛スピードで飛来してくるその一撃が、今度こそ宙マンの頭を叩き割るか!?
「いいや……そうはいくものかっ!」
正義の光線、ヘッドビーム一閃!
飛んできた岩を、空中で見事に粉砕――
その爆発の閃光に、思わず目がくらんでしまったレッドキング。
レッドキング「ぎゃ、ぎゃおおおっ!?」
宙マン「はっはっはっ、同じ手は二度も食わん!」
宙マン「エイヤァァーっ!
宙マン・ミラクル・キック!!」
出た、電光石火の必殺技!
ミラクル・キックの燃える足先を受け、ドドーッと倒れるレッドキング。
宙マン「よし、今だ!」
レッドキングめがけて、真っ向から突っ込んでいく宙マン。
その全身が、体内から溢れ出すエネルギーによってみるみる赤く染まる!
「トゥリャァァーッ!
宙マン・エネルギッシュ・ボンバー!!」
出た! 宙マンの肉弾戦法、エネルギッシュ・ボンバー!
真紅のエネルギーで全身を包んで、自らを巨大な光の弾丸と化し……
そのまま一気に、レッドキングのボディめがけて痛烈な一撃!!
レッドキング「……こんな筈じゃ、なかったんだけどなぁぁ~!?」
やったぞ宙マン、大勝利!
宙マン「(安堵)うん、やった。……やったぞ!」
イフ「ぬふふふ……愚かなり宙マン、お前の眼は節穴か!
ワシら怪獣軍団の此度の挑戦、生半可ではないと言ったはずだぞ!」
宙マン「――何っ!?」
虚空から不気味に響き渡る、怪獣魔王・イフの声……
その言葉の正しさを証明するように、ゴボゴボと不気味に泡立つ海面!
「ガルッ、ガルルルゥ~ンッ!!」
激闘に次ぐ激闘!
三番手は、荒波蹴立てて現れた海底怪獣レイジャ。
宙マン、恐怖の挑戦からの脱出なるか!?