遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

哀愁の師走に風が吹くの巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162148j:plain

今年ももう、残りあとわずか……

気が付いてみれば、あっという間に12月へと突入。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162248j:plain

だが、ひとまずそれはそれとして、地球に生きる人々はそれぞれに

それぞれの日常を、淡々と過ごしていたのであった――

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162508j:plain

そんなこんなで幕を開ける、今回の『宙マン』。

師走の街を行く、宙マンファミリーの姿に目を向けてみよう。

 

 

落合さん「う~、風の冷たさが身に沁みますわねぇ!」

ピグモン「えう~、今日は一段と冷えてるの~」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162633j:plain

今日から12月、暦の上では「師走」と言うだけあって……

いつも呑気な宙マンファミリーも、徐々に年越し準備モードに入り

微妙に慌しかったり、そうでもなかったり。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162702j:plain

宙マン「こんな寒い中、いつまでも外にいるテはないね。

 用事の方も、滞りなく済んだことだし……」

落合さん「えぇ、今日はまっすぐお家に帰りましょう」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも異議なしなの~」

ビーコン「いーや、オイラは異議ありっス!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118162849j:plain

落合さん「あら? 何ですのビーコンさん、藪から棒に」

ビーコン「いやいや~、せっかく街まで出てきたんスよ!?

 このまま素通りなんて、勿体ないじゃないっスか」

落合さん「そうは言いますけど、この寒さですし……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118163016j:plain

ビーコン「や、だからこそあったかい食い物が旨いんスよ!

 ラーメン食ってくっスよ~、白濁した豚骨塩ラーメン!」

落合さん「あら、やけに具体的ですこと」

ビーコン「ヒヒヒ、そりゃもうね――」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427212336j:plain

ビーコン「この場合の“白濁”は、エロスの暗喩ってことでひとつ。

 そう、つまり、具体的に言うとっスねぇ……」

落合さん「だーっ、そんな説明求めてませんからっ!(赤面)」

 

暑かろうと寒かろうと、宙マンファミリーはいつもの調子。

だが、そんな平穏を破るかのように、突如……!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427212641j:plain

ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!

 

落合さん「(驚いて)……は、はぁっ!?」

ビーコン「どひ~っ、どひ~っ、なんスか何スか、なんなんスかぁ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118163334j:plain

突如として、街のど真ん中に鳴り響いた爆発音。

建物を吹き飛ばし、崩れ落ちる瓦礫の中から立ち上がった影は!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118163555j:plain

「ふふふ、はははは……!」

 

ピグモン「ああっ、怪獣が出てきたの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118163732j:plain

ビーコン「うんにゃ、あれは宇宙人っス!」

落合さん「両手に鋏……バルタン星人? とも、少し違っているような……」

宙マン「(頷き)……反重力宇宙人・ゴドラ星人だ!」

 

「はははは……流石は宙マン、俺のことをよーくご存知だ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118163941j:plain

ひとつの建物を粉砕して巨大化し、千歳市にその姿を見せたのは

紛れもなく「反重力宇宙人」の異名をとるゴドラ星人。

こういう現れ方をするからには、もちろん彼も怪獣軍団の一員だ!

 

ビーコン「そのゴドラ星人が、千歳に何の用っスか!?」

落合さん「どうせまた、ろくでもない目的なんでしょうけど……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118164143j:plain

ゴドラ星人「ねーい、うるへぇ、うるへぇっ!

 お前らなんかに、今の俺の気持ちが判ってたまるかっ!」

ビーコン「へっ!?……ちょ、落合さん、これは……」

落合さん「(頷き)……何か、深いご事情がおありになりそうですわねぇ」

ゴドラ星人「……あぁ、あれは三日前のことだった。

 忘年会も兼ねての合コンで、メチャ可愛い女の子と親しくなって

 ようやくデートの約束まで取り付けられるか、と思った矢先……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118164302j:plain

「えぇっ、あなた、バルタン星の方じゃなかったんですか?

 ごめんなさい、私、マイナーな宇宙人さんはちょっと……

 ……ぷ、ぷぷぷっ♪

 

ゴドラ星人「……なーんて鼻で笑われて、淡い恋が潰えたときの

 あの悔しさ、みじめさ、やりきれなさっ!(泣)

 お前らに、俺の切ない胸の内が分かるっていうのか!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211104202735j:plain

ビーコン「……く、く、くっだらね~っス!(呆)」

落合さん「そんな理由で、いちいち暴れ回られたら……」

ピグモン「えう~、色々たまったものじゃないの~」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「いいや! いやいや、充分すぎる理由だぞ、ゴドラ星人よ!

 おのれの傷心、やりきりない思い……

 それらを癒すものは、もはや剥き出しの暴力しかない。

 さぁ、思い切り暴れて憂さを晴らすがよい!」

ゴドラ星人「グオォォォ~ッ、感謝します、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118164658j:plain

怪獣魔王に焚きつけられ、進撃開始するゴドラ星人!

迫り来る巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118164719j:plain

ビーコン「どひ~っ、ただでさえ寒い日だってのに……」

落合さん「冷や汗までかかされて、えらい迷惑ですわぁ!」

宙マン「いいから、こっちへ逃げるんだ――早く!」

 

北海道千歳市、またまた絶体絶命の大ピンチ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118164840j:plain

だが、この一大事に、人類もただ手をこまねいている訳ではない――

反重力宇宙人の進撃を阻むべく、航空防衛隊の空の精鋭たちが

千歳基地から直ちにスクランブルをかけたのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165034j:plain

ピグモン「あ、防衛隊が来てくれたの!」

ビーコン「頑張ってくれっス、頼むっスよ~!」

落合さん「これでも本気で応援しておりますのよ、毎度毎度!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165148j:plain

「我々の底力、見せてやれ――全機、攻撃開始っ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165204j:plain

戦闘機編隊から、雨あられとばかりに叩きこまれるロケット弾!

それらの猛攻撃をものともせず、星人は悠然と突き進んでくる。

 

ゴドラ星人「ふははは、何だそれは? 片腹痛いわ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165301j:plain

「何て奴だ、全く効いてないぞ!?」

ゴドラ星人「お返しだ、このゴドラ・ガンを受けてみろ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165324j:plain

「……ど、どわぁぁぁっ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165353j:plain

げに恐ろしきは、ゴドラ・ガンの破壊力!

戦闘機は勇戦空しく一機、また一機と撃墜されていく。

 

ピグモン「ああっ、やられちゃったの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

落合さん「どう致しましょう、このままでは本当に千歳の街が……!」

ビーコン「ひぇぇ、もうダメっス、おしまいっス!(汗)」

 

などと言う、人々の悲嘆とボヤきの間にも……

いよいよ図に乗って、大暴れするゴドラ星人。

平和だった千歳の街は、にわかに地獄絵図と化しつつあった!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165523j:plain

ピグモン「はわわ、宙マン、どうにかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ! 宙マン・ファイト・ゴー!!」 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、猛り狂うガイロスの前へ舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

  怪獣軍団の使者よ、これ以上は好き勝手にさせないぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165656j:plain

ビーコン「いよっ! 待ってましたアニキ、千両役者っス!」

落合さん「こうなってはもう、お殿様だけが頼りですわ!」

ピグモン「宙マ~ン、がんばってなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118165900j:plain

ゴドラ星人「ふははは、出てきたな宙マン。

 ……今の俺に、迂闊に触れれば火傷するぞ!」

宙マン「さぁて、火傷じゃ済まないのはどちらの方かな……!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

正義の怒りを力に変え……

ファイティングポーズをとって、敢然と身構える宙マン。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170033j:plain

ゴドラ星人「おのれぇぇっ、行くぞ宙マン!」

宙マン「どこからでもかかって来るがいい!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170106j:plain

激突、宙マン対ゴドラ星人!

人々が見守る中、巨大な宇宙人ふたりが鎬を削りあう。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170131j:plain

両手の鋏を打ち振り、パンチ攻撃を仕掛けてくるゴドラ星人。

その猛攻をかわしつつ、宙マンもまた果敢に接近戦を挑んでいく。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170207j:plain

パワーと、武器たる鋏を活かした打撃の強力さ。

そんなゴドラの攻撃を冷静に見切りながら、軽快なフットワークで

果敢な反撃へと転じていく宙マンである。

 

宙マン「エイヤっ、トアァーッ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170254j:plain

宙マンのストレートキックが、敵の胸板に炸裂!

これにはたまらず、ズズっと後退させられるゴドラ星人。

 

ゴドラ星人「げふ、ゴホッ……お、おのれっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170314j:plain

宙マン「どうだゴドラ星人、正義のキックに怖れをなしたか!?」

ゴドラ星人「ぐぬぬぬっ……なめるなよ、宙マン!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170350j:plain

右手の鋏から連射される破壊砲、ゴドラ・ガン!

宙マンの周囲に弾丸が炸裂し、凄まじい爆発が巻き起こる。

 

宙マン「う、うおぉぉ……っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151907j:plain

爆発! 炎上!

連射されるゴドラ・ガンによって、次々に吹き飛ぶ街の建物。

 

ピグモン「ああっ、宙マンがあぶないの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429162343j:plain

落合さん「いけませんは、一発でもあの直撃を受けようものなら……!」

ビーコン「アニキ~、ここは逃げの一手っスよ~!(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170715j:plain

ゴドラ星人「ふははは、宙マンめが、踊れ踊れ!」

宙マン「なんの、これしき……負けやしないぞっ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170821j:plain

ゴドラ・ガン乱射!

だが、それらの破壊弾を、得意の回転戦法によって回避しつつ

巧みにゴドラ星人を翻弄する宙マン。

 

ゴドラ星人「くっ……このこの、これでもか!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170850j:plain

宙マンの防御技、プロテクション発動!

ゴドラ星人の破壊弾は、それによって完全に受け止められた。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118170913j:plain

ゴドラ星人「(狼狽)……な、何ぃっ!?」

 

宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ゴドラ星人を直撃!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118171150j:plain

ゴドラ星人「……こ、こ~りゃシャクだったぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210612001448j:plain

ビーコン「いえっふ~、アニキ、流石っスねぇ!」

落合さん「お見事でしたわ、お殿様!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「うぐぐぐっ……またしても、またしても宙マンめが!

 覚えておれよ、年内に必ずこの仕返しはしてやる!

 次なる怪獣の恐怖に怯え、震えて眠るがよい……!」

 

……などと言う、いつもの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428010428j:plain

かくして、今回もまた宙マンの活躍により……

悪のゴドラ星人は倒され、千歳に平和が蘇ったのであった。

 

落合さん「どうもお疲れ様でした、お殿様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118171636j:plain

ピグモン「宙マンのおかげで、今日もめでたしめでたしなの~」

ビーコン「……それはいいんスけど……

 安心して気が抜けたら、また冷えてきたっスねぇ!?」

宙マン「無理もないさ、もう12月だものねぇ」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118171735j:plain

宙マン「よーし、それじゃ……

 帰る前に、暖かいラーメンでも食べて行こうじゃないか!」

ビーコン「いえっふ~、ラーメンいいっスねぇ、異議なしっス!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118171823j:plain

ビーコン「ヒヒヒ、ちなみにそのラーメンってのは……」

落合さん「えぇ、分かってますわよ、白濁した豚骨塩ラーメンですね?」

ビーコン「おー、さっすが、話が早くて助かるっス!」

落合さん「(ジト目)だから、その後の説明も要りませんからね?」

ビーコン「ヒヒヒ、まぁまぁ、そう遠慮なさらずにっス!

 ここでの“白濁”はエロスの暗喩で、具体的に言うと――」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428011630j:plain

落合さん「ねーいっ、今日も今日とてこのエロ怪獣っ!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、師走の北風が骨身に沁みるっスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211118172815j:plain

北海道の空の玄関、千歳市に……

今日も輝く、正義の星ひとつ。

次回も頼むぞ、我らが宙マン!