1983年・秋からのリリース開始より、約30年ものロングランを成し遂げ
そこで蓄積されたノウハウは、現行怪獣ソフビの大いなる礎ともなって
今もなお燦然と輝き続けている旧「ウルトラ怪獣シリーズ」。
そんな旧ソフビから、今回チョイスしたのは本品……
誰によって作られ、何を目的として配備されたのかが劇中では一切明かされず
その曖昧模糊としたバックボーンゆえに却って印象深かった地底都市の守護者、
『ウルトラセブン』第17話登場の“地底ロボット・ユートム”君です。
で、塗りあがりましたのがコチラ!
「ウルトラ怪獣シリーズ」の最初期ラインナップ商品において随所に見てとれる
“気をつけ状態のポージングの固さ”という特徴が如実に顕れてはいるものの
このユートムに関しては、元々が無機的で固い動きのロボットであったが故に
そんなポージングの固さがデメリットとしてではなく、むしろプラス方向に働いて
好感の持てる怪獣ソフビに仕上がっています。
そんな見た目印象のよさと、「ロボット」という明確な個性のアピールもあって
かなり長期に渡ってリリースされ続けていたユートム君ではありますが……
それだけに「いつでも買えるからいいや」とつい油断してしまって、未入手のまま
ウン十年も過ごしていたら、いつの間にやら旧「ウルトラ怪獣シリーズ」自体が
「500シリーズ」にその役目を譲り、全部まとめて絶版状態ですよ(苦笑)。
……と、そんなお話はともかくとしてですね。
他のウルトラ怪獣ソフビのリペイントがそうであるように、ユートムの場合もまた
全身を形成する金と銀とのメタリック・カラーを、いかに単調なベタ塗りを脱して
色の奥行きが出るようにしていくか、ということを念頭におき作業を進めます――
で、今回は「地底ロボット」であるユートムの硬質なキャラクター性を重視する形で
タバコライオン使用は敢えて封印(笑)。
そして今回、全身の銀をやや抑えめの艶消しで統一する一方、実際のスーツでは
メッキを施したような加工がなされているゴールドの箇所をしっとりめの半光沢で、
同じく実際のスーツではクリアパーツが使用されているメカニック剥き出しの顔面は
デロデロの光沢仕上げ……と、部位ごとのツヤをその都度調節してやることによって
より「ユートムらしさ」に近づけるよう試みてみました。
以上、今回は旧「ウルトラ怪獣シリーズ」版ユートムのリペイントの巻でした~。