遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

さすらいのレッド・アンド・ブルー

左右非対称の強烈なシルエットと、レッド&ブルーのビビッドカラーに彩られた

インパクト重視のルックスを、鬼才たる故・石ノ森章太郎氏のイマジネーションが

“不完全なメカニズムゆえの人間的苦悩の産物”として捉え、昇華したことにより

同時期にメガヒットを飛ばしていた『仮面ライダー』との作品的な差別化に成功し

今なお伝説のロボット・ヒーローとして語り継がれている『人造人間キカイダー』。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210502j:plain

2014年5月公開の劇場映画『キカイダーREBOOT』と歩調を合わせる形で

バンダイのインターネット通販部門「プレミアムバンダイ・魂ウェブ商店」限定での

リリースとなった、この「S.H.フィギュアーツ」版のキカイダー

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210618j:plain

何が嬉しいって――萬画(アニメ)版でも、ましてや最新の「REBOOT」版でもない

我々が親しんだ、1972年の実写TVシリーズ準拠での可動フィギュア化というのが

心の底から有難いことじゃないですか、ねぇ。

 

てなわけで、何はなくともさっそく開封

レッド&ブルーのカラーリングが眩しい正義の人造人間、今こそ貴方の出番です。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210734j:plain

本記事の冒頭でも軽く述べさせてもらいました通り、全身のディティールやイメージは

1972年放映の実写特撮TVシリーズ版『人造人間キカイダー』における主人公像を

踏襲するかたちをとってはいますが、プロポーションなどは現代のヒーローたちと

並び立たせて釣り合うよう、より頭身の高いスマートなデフォルメがなされていて

旧来のキカイダーファンと新規の若いユーザー層、そのどちらにも配慮した上での

それぞれの要素の折衷ぶりに苦心と吟味のあとが伺える本品。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210827j:plain

とは言えそのどちらの要素をも突出させて、現代の目から見れば野暮ったかったり

或いは旧来ファンからするとスマート&シャープすぎて逆に違和感があったり、と

少なからず生じてくるであろう「ヒーロー像の現イメージからの乖離」というものを

必要最小限に抑え、幅広い世代にアピールしうる「最大公約数」的とも言うべき

ノーブルなキカイダー像として結実させた造形の絶妙な匙加減にまず拍手です。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210908j:plain

そして何といっても「フィギュアーツ」ですから……

固定ポーズのリアル・フィギュアでは決して味わえない、関節の可動性能による

自在なポーズをとらせることが出来る、と言う最大のお楽しみが待っています。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204210941j:plain

全身を包む大型の縫いぐるみゆえに、派手なアクションシーンにはあまり適さない

敵方のダークロボットをフォローし、殺陣の鈍重なイメージを払拭する意味もあって

劇中においてはとにかくよく動く、アクロバティックなまでの軽快さが魅力だった

このキカイダーであるだけに、優れた造形に範囲の広い可動性能が加わることは

まさしく「ファンの夢の実現」であると言ってよいでしょう。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211013j:plain

劇中においてキカイダーが見せてくれたあんなポーズ、こんなポーズ……

商品に付属しているオプション手首パーツも併用することにより、それらの多くを

ストレスなく、スムーズに決めることが出来るのはなかなかの快感です。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211045j:plain

ダブルチョップに回転アタック、銀河ハリケーンに大車輪投げ。

それらのことごとくを再現可能なのは、2008年のリリース開始以来の歴史の中で

確実に蓄積され、洗練されてきた可動関節ギミックの賜物。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211109j:plain

加えて本商品は、両肩部の関節が引き出し式の二重構造になっている事により

更に腕部ポージングの自由度が高まり、ポーズ決めの幅が増しています――

そう、幾多のダークロボットを粉砕した、キカイダーの必殺技だってこの通り!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211134j:plain

デンジ・エンド!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211158j:plain

以上、今回は簡単ながら「フィギュアーツ」版キカイダー・初お遊びの巻でした。

 

よく動いて楽しいことに加え、昭和ライダーたちのフィギュアーツとは異なって

“うっかり触覚アンテナが折れてしまう”ことを気にせずに取り回せるというのも

プレイ派的には何気に有難かったりする(笑)本アイテム。

本商品を機に、これから“仮面ライダー以外”の、往年の東映特撮名キャラにも

敵・味方の別なくフィギュアーツ化のスポットが当たってほしいもんですね~。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220204211233j:plain

“謎の秘密結社「ダーク」と戦うために生まれた

 正義の戦士、キカイダー

 それを追う「ダーク破壊部隊」との恐るべき死闘の日々が

 これから始まるのだ。

 行け、キカイダー

 戦え、赤いギターの青年ジロー!”

(『人造人間キカイダー』第1話クロージング・ナレーション)