昨年、誕生55周年を迎えた我が国の誇る銀色の巨人……
もはや説明不要の金字塔、偉大なその名は『ウルトラマン』。
マッハ5で空を飛び、強力なエネルギーであらゆる敵を粉砕する不死身の男。
そんな『ウルトラマン』の活躍を彩ったウルトラ・ミュージック・ワールドの始祖、
故・宮内國郎氏が紡いだ芳醇なる音楽世界より、今夜はこの一曲をチョイス。
未だ“ヒーローとしてのウルトラマンの演出と、そのための方法論”が確立する前、
前番組であった『ウルトラQ』のムードを色濃く引きずっていた時期に録音され
番組最初期におけるウルトラマンVS怪獣の戦闘曲として使用された本ナンバーは
異形の巨体がぶつかりあう重厚さと圧迫感を湛えつつ始まり、戦闘の激化とともに
次第に、静かにテンションが高揚していく編曲の妙味に唸らされてしまいます。
また本曲は、それほどの重要な楽曲であるにも関わらず、オリジナル音源テープの
発見が遅れていたがために、1991年リリースの「ウルトラマン総音楽集」に至るまで
音盤商品化がなされず、長い間ウルトラ・サントラ・ファンをやきもきさせてきたという
いわくつきの楽曲としても(笑)印象深いところです。