ポカポカの陽気、気持ちよく晴れ渡った青空。
日本全国津々浦々、まさに黄金週間の真っ只中!
お馴染み、千歳市ほんわか町5丁目の「宙マンハウス」。
その住人である宙マンファミリーの面々も、このゴールデンウィークの
うららかな日々を、心ゆくまで満喫しているところであった。
そんなわけで、今回の『宙マン』は……
五月の陽光に暖められた、「宙マンハウス」の庭先から物語を始めよう。
ピグモン「はうはう~、今日はとってもいいお天気なの~♪」
落合さん「気温も頃合い、空模様もご機嫌……
嬉しいですわね、何でも思い通りのことができますもの!」
ビーコン「外に飛び出して駆けまわるもよし、家に籠ってオタク趣味もよし。
ヒヒヒ、もちろんオイラはインドア趣味一択っスけどね~!」
落合さん「ちょっと、ビーコンさんったら……
ピグモンちゃんの悪いお手本になるような事は、ご勘弁頂けません?(汗)」
ビーコン「んー、それじゃ……ぐっと建設的に“淫ドア派”ってことで!」
落合さん「(赤面)妙な当て字もやめて下さいっ!!」
宙マン「はっはっはっはっ、まぁまぁ、二人とも♪」
みくるん「うふふっ、ほ~んと、今日は過ごしやすくて良い日ですね~」
ながもん「なべて、世は……こともなし」
宙マン「このままず~っと、こんな平和が続いてくれるといいよねぇ」
ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも宙マンに賛成なの~♪」
だが、そんな彼らの感慨とは裏腹に……
防衛隊基地の様子が、「基地のまち・千歳」と言う特殊な事情を鑑みてもなお
尋常ならざる、と思えるほどに慌ただしかった。
みくるん「なんか……さっきからやたら、戦闘機が飛んでいきますね~」
ビーコン「イベントに備えた、アクロバット飛行の訓練っスかねぇ?」
落合さん「それにしては、心なしか様子が仰々しすぎる気が……」
宙マン「って言うか、さっきから聞こえてるこの音。……
……これ、もしかして非常警報じゃないのかな!?(汗)」
ながもん「おおっ。……みんな、見て……アレ」
ピグモン「はう?」
例によって無表情かつ淡々と、ながもんの指さした空の一角……
そこには要塞のごとき重厚さで、戦闘機隊の爆音と非常警報音をBGMに
轟然と飛来してくる巨大怪獣の姿があった!
「びゃるるるるぅぅ~っ!!」
みくるん「ああっ、あれは!?」
ながもん「(ボソッと)アストロモンス。……別名、宇宙大怪獣」
ビーコン「いやいや、そういうコト聞いてるんじゃないと思うっスよ!?(汗)」
怪獣軍団が送り込んだ今度の刺客――
神秘の毒花・チグリスフラワーの化身たる宇宙大怪獣、アストロモンス。
戦闘機隊のスクランブルは、この空からの猛威を迎撃するためだったのだ!
イフ「行け! 行け! 徹底的に暴れろ、宇宙大怪獣アストロモンス!
地球人の抵抗など歯牙にもかけぬ、お前の強さを見せてやれ!」
アストロモンス「びゃるるぅぅ~、お任せでもんす、魔王様!」
ロケット砲による、戦闘機隊の一斉攻撃!
が、相次ぐ直撃弾をものともせず、アストロモンスは轟然と空中を突き進んでくる。
アストロモンス「びゃるる~、うるさいでもんす、蚊トンボども!」
「う、うわぁぁぁ~っ!?」
大空を舞いながら、アストロモンスが縦横に奮う右手の鞭!
その痛打を受けて、勇戦空しく次々に撃墜されていく戦闘機隊である。
みくるん「ああっ、戦闘機隊の皆さんが!」
ながもん「こうも、あっさり……やられちゃう……なんて」
アストロモンス「ウォーイっ、それこそオイの実力でもんす!」
ズシィィーンっ!!
重々しい足音を響かせ、勢いよく土砂を巻き上げて……
アストロモンスの巨体が、千歳の大地に勢いよく舞い降りた。
アストロモンス「びゃるる~、恐れ入ったか、思い知ったでもんすかァ!?
だが、オイの真の恐ろしさは、まだこんなもんじゃないでもんす……
この千歳を徹底的に破壊して、お前らにそれを教えてやるでもんす~!」
ビーコン「どひ~っ、そんなの、全力で遠慮したいんスけど~!?(汗)」
落合さん「そうですわ、暴れたければ余所の山奥でやって下さいませ!」
アストロモンス「ウォーイっ、それじゃオイの点数にならないんでもんす~っ!」
ながもん「……おお、なるほど」
みくるん「ふぇぇん、ながもん、納得してる場合じゃないよ~!(涙目)」
ピグモン「はわわわ、宙マン、宙マン、何とかしてなの~」
宙マン「荒事は好みじゃないが……この際、やむを得ん!
さぁ行くぞ! 宙マン・ファイト・ゴー!!」
閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
華麗な空中回転とともに、荒れ狂うアストロモンスの前に舞い降りる!
宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上!
宇宙の暴れ者め、ここから先は私が黙ってはいないぞ!」
ズ、ズーンっ!!
アストロモンス「びゃるる~、出たでもんすか、宙マン。
わざわざ自分からやられに来るたァ、いい度胸でもんすね!」
宙マン「いいや、正義の力で叩きのめされるのは貴様の方だ!」
ファイティングポーズを取り、敢然と身構える宙マン。
さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ
アストロモンス「びゃる~っ! 勝負でもんすよ、宙マン!」
宙マン「徹底的にやるぞ、アストロモンス!」
激突、宙マン対アストロモンス!
千歳の人々がハラハラと見守る中、巨大な正邪の死闘が展開される。
アストロモンス「ウォーイっ、オイの強さを思い知れでもんす!」
宙マン「なんの、それしき!」
右手の鞭と、左手の鎌……
物騒な両手の獲物を激しく奮い、猛攻をかけるアストロモンス。
だが、宙マンも決して怯まず、敵の間合いへと果敢に飛び込んで反撃。
連打! 連打! マシンガンのような連打!
勢いに乗った宙マンの猛攻に、ずずっと後退する宇宙大怪獣。
アストロモンス「ぐぐっ、やるでもんすね!?」
宙マン「これで終わりだ、エクシードフラッシュを受けてみろ!」
素早く腕をL字に組み、得意の光線技を放つ宙マン。
だが――その一閃は、上空へと舞い上がったアストロモンスによって
まんまと躱されてしまったではないか!?
宙マン「(驚愕)ムッ!?」
アストロモンス「びゃるる~、見たか! これがオイの空中殺法でもんす!」
轟然と大空を舞い、宙マンめがけて襲いかかってくるアストロモンス!
質量とスピードが一体となり、爆発的にその威力を増した死の体当たりが
宙マンの巨体をも軽々と吹っ飛ばす。
宙マン「う、く……っ!」
アストロモンス「お次はモンス破壊花粉のお見舞いでもんす!」
腹部の「チグリスフラワー」、その花弁から……
破壊エネルギーを込めた毒花粉を、地上めがけて放つアストロモンス。
その威力が、宙マンの周囲を舐め回すように炸裂する。
ズガーン! グワーンっ!
「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」
みくるん「ああっ、宙マンさんが!」
落合さん「そう言えば、割と忘れられがちな設定ですけれども……」
ビーコン「(頷き)……空、飛べるんスよねぇ、アストロモンスって!」
ながもん「しかも、上手に……その力を……使ってる」
ピグモン「はわわわ、宙マン、まけないでなの~!」
イフ「わははは……いいぞ、その調子で一気に押し切れ、アストロモンスよ!
このシリーズのタイトルも、次回からは……
『飛び出せ!! 宙マン』改め、『飛び出せ! 怪獣軍団』になるのだ!」
アストロモンス「びゃるるぅぅ~、万事オイにお任せでもんす!」
宙マン「(苦悶)う……うう、うっ!」
アストロモンス「びゃるるぅぅ~、宙マン! いよいよお前の最後でもんす!」
「なんのッ、負けてなるものか――
怒れ稲妻!宙マン・ボルトサンダー!!」
ピカッ、ゴロゴロドドーンっ!
宙マンの気合とともに、念動力で発生させる正義の稲妻!
直撃した超電気エネルギーが、怪獣の全身を荒々しく駆け巡る。
アストロモンス「(悶絶)あ、あびゃらららららっ!?」」
超高圧電流の洗礼に、たまらず墜落するアストロモンス。
勢いよく地面に叩きつけられ、宇宙大怪獣が脳震盪を起こしたところへ――
宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!」
全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、アストロモンスを直撃!!
アストロモンス「あびゃぁぁ~っ、なんだかとってもヤな感じぃぃ~っ!」
やったぞ宙マン、大勝利!
みくるん「よかったぁ、今回も宙マンさんの勝ちですぅ!」
ながもん「(頷き)……グッジョヴ」
ピグモン「はうはう~、宙マン、どうもありがとうなの~♪」
イフ「うぐぐぐっ、おのれ、またしても宙マンめが……
怪獣軍団の怒りと呪い、この次こそは思い知らせてくれる!
よいか、覚えておれ、覚えておれよ~っ!!」
……などと言う、怪獣魔王の負け惜しみはさて置いて。
今回も宙マンの活躍によって、悪の尖兵・宇宙大怪獣アストロモンスは
見事に撃退され、千歳の平和はまたまた守り抜かれたのであった。
落合さん「お殿様、どうもお疲れ様でした!」
みくるん「宙マンさんにかかれば、どんな悪者怪獣さんもイチコロですぅ!」
ながもん「さすが、元・銀河連邦の……英雄」
ピグモン「はうはう~、宙マン最高なの~☆」
宙マン「はっはっはっ、そんなにおだてたって何も出ないよ?」
ビーコン「ヒヒヒ、アニキはそのまま、フツーにしててくれりゃいいっスよ!
その分オイラが、アニキの分まで思いっきり出しまくるっスから☆」
落合さん「(ジト目)……つかぬ事を伺いますが、一体何を出すおつもりなんです」
ビーコン「え? 聞きたい? 知りたいんスか、落合さん!?
(ニヤリ)……言ってもいいけど、R-18指定待ったなしっスよ?」
げ し っ !
落合さん「ねーい、そんな事だろうと思いましたわ、このエロ怪獣っ!」
ビーコン「どひ~っ、結局出たのは落合さんの鉄の拳だったっスぅぅ~」
宙マン「はっはっはっはっ」
今日も本当にありがとう、宙マン!
だが、未だ怪獣軍団の野望は尽きない……
さて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?