遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

悪魔はふたたび(青いほう)

集めやすい小サイズと手軽に買える低価格、それに反比例する造形クオリティ。

 

玩具店売りのスタンダードサイズ・ソフビの影に隠れ、ともすれば低く見られがちな

お菓子売場のスター、バンダイのラムネ菓子玩具「ウルトラマン対決セット」の

食玩ミニソフビもまた、その意外なラインナップや造形クオリティの高さなどで

根強い多くのファンを有している、楽しくも奥深いラインナップです。

そんな食玩ミニソフビから、今回リペイントの遡上に上げましたのはこちら。

2012年の夏にリリースされた「対決セット ~ゼロ、新たなる力篇」における

ラインナップ中の目玉的存在として、完全新造形&ミニソフビとしての初リリースで

多くのファンを喜ばせた“青色発泡怪獣・アボラス”君です。

 

で、塗りあがりましたのがコチラ!

お菓子売り場で手軽に買える、ラムネ菓子つきの廉価アイテムであることから

つい商品としてのクオリティまでも低いものであるかのように錯覚されがちな

「対決セット」版のミニソフビたちではありますが、きちんと向き合ってみれば

その怪獣玩具としての出来のよさ、細部まで再現された造形クオリティの高さは

所謂スタンダードソフビに比しても、何ら見劣りするものではありません。

そんなわけですので、商品サイズの違いこそあれども、リペイントの工程に関しては

通常のスタンダード・ソフビたちと何ら変わることはありません――

まぁ、ワタクシの場合は「それしか芸がない」だけでもあるんですが(苦笑)。

「青色発泡怪獣」の別名が示すとおりの、青系単色のボディのカラー・イメージが

単なる青一色のみのベタ塗りのような、単調な印象を与えるものにはならないよう

少しづつ明度を上げた青系塗料やグレー系塗料などによるドライブラシの乱れうちや

ウォッシング、パステルワーク等によって、体色により複雑な奥行きが生まれるよう

意識しながら、多分にアドリブ込みで作業を進めていきまして。

そうして塗り進め、色の情報量が増えてくるごとに、商品デフォルト状態での

成型色剥き出しの軽さからは想像もつかないような、精密なディティール類が

「見えて」くる瞬間は、何度味わっても快感ですね~(笑)。

以上、今回は食玩ミニソフビ版アボラスのリペイントの巻でした。

スタンダードソフビに負けずとも劣らぬ、リアルな造形の存在感……

これをお菓子売り場で手軽に、当たり前のように手に入れてしまえたあの時代は

ハードウェアにのみ限定するならば本当に恵まれてましたよね~(しみじみ)。