遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

悪魔はふたたび(赤いほう)

集めやすい小サイズと手軽に買える低価格、それに反比例する造形クオリティ。

玩具店売りのスタンダードサイズ・ソフビの影に隠れ、ともすれば低く見られがちな

お菓子売場のスター、バンダイのラムネ菓子玩具「ウルトラマン対決セット」の

食玩ミニソフビもまた、その意外なラインナップや造形クオリティの高さなどで

根強い多くのファンを有している、楽しくも奥深いラインナップです。

先日アボラスを塗った以上、こっちも塗らずにはいられません――

と言うわけで今回リペイントの遡上にあげますのは、2008年にリリースされた

「対決セット ~激闘の覇者編」より、『ウルトラマン』第19話にてデビューを飾り

青い怪獣・アボラスとの壮絶な死闘を展開した“赤色火焔怪獣・バニラ”君です。

 

で、塗りあがりましたのがコチラ!

「対決セット」版ミニソフビの多くがそうであるように、このバニラ・ソフビもまた

2000年代以降の造形ノウハウの恩恵をたっぷりと受け、その小サイズの中に

みっちりと詰め込まれた造形の密度に驚かされてしまう、怪獣のソフビとして

実にクオリティ&満足度の高い逸品に仕上げられています。

その一方でやはり、お菓子売り場において廉価販売しなければならない制約ゆえ

細部の塗装省略や、成型色剥き出しの玩具的な「軽さ」がつきまとってしまうのも

また否めない事実なのですが、そこのところに塗料を塗り重ねていくことによって

商品本来の実力と「隠された牙」も、おのずと顕わになってくるかと思います。

で、この手の「ボディカラー・ほぼ単色一発勝負」な怪獣を塗る際はいつもですが

ボディカラー(バニラの場合は赤系)が、単一の塗料をベタベタっと塗りたくった

“だけ”のような、平坦で味気ないものにしないように、というその一点だけは

しっかり念頭に置き続けていなければならないものだと思います。

故に今回もまた、明度や彩度を少しづつ変えた複数のラッカー系塗料によって

何段階かに及ぶドライブラシを施し、全体の色彩により複雑な奥行きを出し、

色全体の中の微妙なグラデーションがついてくるようにしてやります。

 

たとえ「ナントカの一つ覚え」と言われても、こればっかりはやめられませんし

試すたびに新たな発見もあり、奥深くて……そして何より「楽しい」んですよね、

このドライブラシって言う技法は。

以上、今回は食玩ミニソフビ版バニラのリペイントの巻でした。

「塗ると化ける」楽しさを、より気軽に実感できるのがミニソフビの良さ――

廉価なるがゆえの入手のしやすさに加えて、なによりサイズが小さいもんですから

塗装時間が早く済む、と言うのも嬉しいポイントです。

 

あとは、それに加えて「塗料の減りが少なくて済む」というのも(爆笑)。