怪獣軍団からの新たな刺客、ゴキブリ怪獣ゴキノザウルス。
その姿で、「ゴキブリに免疫のない」北海道の人々を不安と恐怖に陥れ……
そして社会の混乱が頂点に達したところで、一気に破壊活動へと移行。
これこそ、”魔導の”スライ発案の恐るべき「G作戦」である。
だが、そんな悪の暴虐を、この男は決して見過ごしておかない。
千歳市在住の地域のヒーロー、我らが宙マン・その人は!
宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上!
平和を乱す者には容赦せんぞ、思い知らせてやる!」
ズ、ズーンっ!!
ながもん「おおっ、宙マン……いつもながら……頼もしい」
ビーコン「いよっしゃ、アニキの十八番ス!」
落合さん「ここはもう、お殿様だけが頼みの綱ですわ!」
ピグモン「宙マ~ン、よろしくお願いなの~!」
ゴキノザウルス「チャギャギャギャ、出てきたなぁ~、宙マン。
言っとくが、俺はハッキリ言って強いぜぇ!?」
宙マン「なんの、私はそれより更に上手(うわて)さ!」
ゴキノザウルス「(ムカッときて)……何ィ!?」
全身にみなぎる怒りを力に変え……
ファイティングポーズをとって、敢然と身構える我らが宙マン。
ゴキノザウルス「面白ェ! だったらやるかぁ、宙マンよぉ!?」
宙マン「無論、もとよりそのつもりだよ!」
宙マン「タァーッ!」
ゴキノザウルス「チャギチャギ、チャギャギャァァ~っ!」
空中で巨体を交錯させ、お互いの立ち位置を入れ替え……
再び同時に駆け寄って、真っ向から激突するふたつの巨体。
かくしてここに幕を開ける、世紀の巨大バトル。
宙マン対ゴキノザウルス、時間無制限の一本勝負!
持ち前の敏捷性と、昆虫怪獣ならではの防御力の高さ……
ふたつの要素をハイレベルで両立させ、宙マンめがけて牙を剥き
襲いかかってくるゴキノザウルス。
宙マン「何て頑丈な……まるで、鎧を着こんでいるような奴だ!」
ゴキノザウルス「チャギチャギ~、俺様自慢のキチン質だぜィ。
宙マン、お前にはもう勝ち目なんてない!」
宙マン「確かにお前の殻は固い、だが腹はそうでもないだろう――
それっ、これならどうだ!」
ゴキノザウルスに生じた、一瞬の隙を見逃さず……
怪獣の腹部めがけて、宙マンの鋭いストレートキックが炸裂!
その威力に、さしものゴキノザウルスも大きくよろめいた。
宙マン「くらえ! 宙マン・閃光波!」
宙マンの指から放たれる、まばゆいばかりの破壊閃光。
これまで幾多の怪獣を痛めつけ、倒してきた技であったが……
ゴキノザウルスは持ち前の素早さで、ひらりと躱して大空へ!
みくるん「よ……よけられちゃった!?」
落合さん「あの素早い一閃を、見切ってかわすだなんて……」
ビーコン「全く、ゴキブリなみのしぶとさっスねぇ!?」
ながもん「(ボソッと)それは、まぁ……元が……ゴキブリ、だから?」
ビーコン「……あー、なるほどっス、そう言えば!」
ピグモン「って、納得してる場合じゃないの~!(涙目)」
宙マン「ぬうっ、味な真似を!」
ゴキノザウルス「チャギャァァ~っ、お楽しみはここからだぜ!」
シュバババババッ!
ゴキノザウルス・額からの破壊光線が、宙マンを容赦なく襲う!
ズガーン! グワーンっ!
「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」
みくるん「ああっ、宙マンさんが!」
ピグモン「はわわわ、宙マンがんばって、負けないでなの~!」
ながもん「……(無言で拳を握りしめる)」
ゴキノザウルス「チャギ、チャギァァ~っ!」
鋭利な牙を剥き出しに、ゴキノザウルス急降下!
黒い巨体が、地上の宙マンめがけて勢いよくのしかかってくる。
宙マン「うぬ……うっ!」
ゴキノザウルス「チャギャ~、お前の体を食いちぎってやるぜ!」
牙が、爪が、猛然とヒーローめがけて襲いかかってくる。
おお、危うし宙マン!
スライ「んー、ふふふ……素晴らしい
ご覧下さい魔王様、ゴキノザウルス君の活きのよいこと……
そして何より、あの強いこと!」
イフ「うむっ、見事じゃゴキノザウルス!」
イフ「同志たる怪獣たちも応援しておるぞ……
なればこそゴキノザウルスよ、見事それらの期待に応えてみせよ!
お前の本能の赴くまま、宙マンをズタズタに食いちぎれ!」
ゴキノザウルス「チャギャ~っ、お任せ下さい、魔王様!
……さぁ宙マン、いよいよお前の最後だぜェ……!?」
「なんの、これしき……負けて、たまるかッ!!」
宙マン、パワー全開!
ゴキノザウルスの巨体を投げ飛ばし、地面へと叩きつけたぞ。
みくるん「わぁっ、宙マンさんの大逆転ですぅ!」
ながもん「こうなれば、もう……宙マンの……ペース」
ビーコン「いえっふ~、アニキ! イケイケGOGOっスよ~!」
ゴキノザウルス「チャギャ~っ……まだだ、まだまだァッ!」
往生際悪く、額からの破壊光線で抵抗するゴキノザウルス。
だが、その一閃は宙マン・プロテクションに無力化された。
ゴキノザウルス「(驚き)ちゃ、チャギャギャッ!?」
宙マン「とどめだ!
宙マン・エクシードフラッシュ!!」
全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、ゴキノザウルスを直撃!!
ゴキノザウルス「チャギャぁぁっ……宙マンめ、覚えてろぉぉ~っ!」
やったぞ宙マン、大勝利!
ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!
落合さん「流石はお殿様、何て素晴らしいんでしょう!」
みくるん「よかった、ホントによかったですぅ!」
ながもん「さすが、宙マン……任せて、安心」
ビーコン「アニキ、ありがとっス~っ!」
イフ「うぐぐっ! おのれ、またしても宙マンめが!
だが、もはやお前には「この次」などないのだ――」
イフ「怪獣軍団には、まだまだ幾らでも強者がおるのだからな!
覚えておれ、覚えておれ~っ!!」
……などと言う、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。
かくて宙マンの活躍により、恐怖の「G作戦」は粉砕され……
みくるん、ながもんら千歳市民にも、ようやく安堵の笑顔が戻った。
みくるん「あぁ良かった、一時はどうなることかと思ったですよ~」
ながもん「これで、千歳も……一安心」
ピグモン「みんなみんな、宙マンのおかげなの~♪」
宙マン「いやぁ、そんなそんな……テレちゃうなぁ1」
落合さん「いえいえ、事実なんですもの……
正当な賞賛をどうぞ受け取って下さいませ、お殿様。
……さあっ、まずはどうぞ、あちらをご覧下さいな!」
「 う わ ぁ ~~ 」
心底怖かった「G作戦」の余韻と、戦いの疲れを洗い流すかのごとく
咲き誇るバラの見事さに、しばし見惚れる一同。
落合さん「ほら、ビーコンさんもご覧なさいな、とっても綺麗なバラですわよ。
ん~、心が洗われるようですわね~♪」
ビーコン「いやいやいや~、オイラはどっちかと言えばアレっスよ、アレ。
花は花でも、熱くてビラビラでヌルヌルな肉の華の方が……」
げ し っ !
落合さん「何て言う下ネタ、直球勝負にもほどがありますっ!(怒)」
ビーコン「どひ~っ、落合さんのツッコミがクリーンヒットっス~」
宙マン「はっはっはっはっ」
どんな相手にも、怯まず戦うこの雄姿……
正義の夏です、ご存じ宙マン。
さぁて、次回はどうなるかな?
……ふぅ~、やれやれ。
これにて、今回のお話も一段落……んっ?
むむっ……むむむむむむむ~?
これはまた……一体!?