遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

悪魔のようなあいつ

買い求めやすい価格設定と集めやすいサイズ、そしてラインナップに加えられた

怪獣たちのメジャー・マイナー取り揃えた絶妙にバラエティ豊かな顔ぶれによって

好評とともに迎えられているバンダイの現行「ウルトラ怪獣シリーズ」。

今回リペイントの遡上に上げますのはこちら、2014年9月13日に

市場デビューしたソフビ群より、1966年『ウルトラマン』の記念すべき第1話にて

デビューを飾った怪獣界の可門良(笑)、“宇宙怪獣・ベムラー”君にてございます。

 

で、塗りあがりましたのがコチラ!

かのウルトラマンをして“宇宙の平和を乱す、悪魔のような怪獣”と形容せさしめた

内面の悪辣さを体現するかのような、爬虫類然として憎々しいその面構えをはじめ

全身のウロコやトゲ、しなやかな全身のフォルムなど、かつて傑作ソフビと賞された

1994年リリースの840円ソフビ版をも上回る、リアルで精緻な造形の素晴らしさが

塗装が大幅に省略されている商品デフォルトの状態からも如実に伺うことができ

その出来栄えに思わず驚嘆の溜息が漏れてしまう本アイテム。

ですので、ここから更に塗装の手を加えてやることで、商品本来のポテンシャルを

ぐいぐいと引き出し、より“映像作品における「あの」ベムラー”のイメージへと

近づけることが可能になってくるかと思います。

まずは商品における「塗りの足りていない箇所」を、ちまちま筆で塗り分けていき

その基本塗装が終わったところで、何段階かに分けてのドライブラシを全面に施し

ボディカラー全体に、単調ではない奥行きを加えていくようにします。

最後に油絵の具によるウォッシングで、全体の色調を落ち着かせて……

仕上げの艶消しスーパークリアーで、光沢を整えてやれば出来上がり。

 

なお、例によって目玉にだけは光沢クリアーを塗付して部分的にツヤを変えてやり

色調全体の中でのアクセントとなるようにしてみました。

以上、今回は「500シリーズ」版ベムラーのリペイントの巻でした。

わざと左右非対称で造形された、ぎろりと目を剥いた表情付けのデフォルメ具合も

宇宙を荒らす札付きのワルならではの凄みを感じさせ、実に絶妙な本ソフビ。

「腕が胴と一体になった状態で成型されている」というデメリットを補って余りある

傑作ソフビを廉価で入手できる幸福に、改めて感謝の一語です。