遊びをせんとや生まれけり

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香りたなびくハッカの里

道東における屈指の大都市のひとつ、北見市

今でこそ安い中国産のものに圧倒されて衰退してしまいましたが、かつてこの地は

全世界の七割を占めるという天然ハッカの生産地でした。

そんなかつてのハッカ産業の栄華のよすがを、今に伝えてくれる場所……

北見市「仁頃(にんごろ)はっか公園」の一角に、今は資料館として、期間限定で

一般開放されている「ハッカ御殿」があります。

そもそもこの「ハッカ御殿」というのは、北見におけるハッカ産業の黄金期を築いた

ハッカ商・五十嵐弥一氏の私邸。

邸内には大正・昭和初期における北見の人々の生活のあり方を偲ばせる物品群や

五十嵐氏の所有している屏風絵や掛軸などの貴重な古美術品などがそこかしこに

かなり無造作な形で並び、誰か心無い観覧者に面白半分で傷つけられはしないかと

他人事ながらちょっと心配にもなってしまうほどです(汗)。

今は北見市内のごく一部で、細々と栽培されているだけだという道産ハッカですが

食用のみならず、庭仕事・畑仕事の際の虫除けや夏季の入浴用など、事あるごと

お世話になり続けている香草だけに、この火は絶やさずにいて欲しいものです。