遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンデッカー』12話、見ました!

毎週土曜朝のお楽しみ、『ウルトラマンデッカー』。

前回に引き続いてのGUTS-SELECT新兵器・テラフェイザーの活躍&販促(笑)編ながら

決してそれ「だけ」にとどまらない充実の内容でした。

今回のサブタイトルにもあります通り、今回のゲスト怪獣は第10話登場のネオメガスが

遺された角の一片に多数のスフィアソルジャーが融合・憑依することによって

その肉体がスフィア合成獣として再生されたスフィアネオメガス。

ウルトラ怪獣シリーズ 186 スフィアネオメガス

ウルトラ怪獣シリーズ 186 スフィアネオメガス

 

「一度はデッカーを破るほどの猛パワーをもって蘇った強敵」と言う要素を

ただ単なる力押しではなく、攻撃時におけるスフィアソルジャーとの巧みな連携や

破損箇所にも瞬時にソルジャーが取り付いてたちまち肉体を修復してしまったり

同様の憑依融合によって両手をスフィアザウルスのように超巨大化させてみたり

あるいは鋭利な鎌に変じさせて苛烈な攻撃を加えてくるなど、シリーズを通した

未知の侵略者たるスフィアが「新たな攻撃手段で攻めて来た」と言う怖さと

ビジュアル的な面白さで、経糸重視の本作らしく、次回以降の展開への期待に

上手くつなげているのがまず心憎いところで。

ウルトラマンデッカー DXガッツホーク

ウルトラマンデッカー DXガッツホーク

 

と、かくも油断のならない強敵となったスフィアネオメガス。

その攻略を軸にして、改めて強調されるカナタや若者たちの青春群像……

「怪獣に敗れてヘコんでいるし、自分の将来の道さえもまだ見えないけれど、

それでも今は前を向いてガムシャラに突き進んでいく」主人公の姿に理解を示し

さりげなくその心に寄り添うリュウモン、イチカの同期メンバー二人の姿も

押しつけがましくなく、実に爽やかで……

 

こういう青春群像をさらりと適切な匙加減で描写できる抑制の効き具合もまた

個人的には『デッカー』の大いなる美点だと思っているのですが。

ウルトラマンデッカー 電脳魔人 DXテラフェイザー

ウルトラマンデッカー 電脳魔人 DXテラフェイザー

 

そしてやはり今回は、そんな若く未熟で、ひたむきに前向きな隊員たちの姿に

感化されたかのごとく人間的な……と言いますか、熱すぎて無茶すぎる(笑)

ハネジローの奮闘ぶりこそが最大のキモ。

 

「スフィアネオメガスは任せた!」と言って、当のカナタへの了解も得ぬまま

イジェクトシステムを勝手に発動させて、ガッツグリフォンコクピットから

乱戦模様の超高空へカナタを放り出してしまったり(笑)、或いはテラフェイザーへの

援護を要請する際、カナタが変身できるチャンスを作るためにわざと(ですよね?)

テラフェイザーの巨体を倒れ込ませて土ぼこりを発生させてみたり(笑)などなど

「カナタとのやりとりの間だけはぞんざいな口をきくAI」と言う基本設定の面白さが

ここに来てさらに膨らみを見せ、その熱さが対怪獣戦の殺陣のクライマックスにあたる

「TRメガバスター発射」シークエンスの高揚感へと自然に、無理なく繋がったのも

視聴者的には大いに快哉を叫びたい要素でした。

ハネジロー おしゃべりサウンドぬいぐるみ

ハネジロー おしゃべりサウンドぬいぐるみ

 

と、そんな激しい戦いを経て、テラフェイザーがデッカーとGUTS-SELECTにとって

確実に「気の置けない、頼もしい戦友」になっていく一方で……

物語のラストでは、ハネジローの戦闘データのプロテクトを解除したことによって

「カナタ=デッカー」であるという秘密をアサカゲ博士が知ってしまう、と言う

どこか不穏なクロージング。

 

こう言う次回への期待の煽り方、引っ張り方は決して嫌いじゃないですので……

しっかり乗せられて、次回も楽しく視聴させてもらおうかと思います。

……まぁ、予告を見る限り、次回も総集編っぽい感じではあるんですが(苦笑)。

 

あ、それはそれとしまして。

この通り、スフィアネオメガスが襲撃をかけたソラフネ・シティの宙港滑走路に

TPCの宇宙戦闘機が駐機していたのが、今回の隠れた(個人的)見どころ。

 

やー、『ティガ』でのデビュー以来、この宇宙戦闘機のミニチュアも現在に至るまで

何気に、長~いお勤めっぷりですよね~(笑)。