雄大なヒロイックさとクールさ、一抹の叙情と寂寥感をも見事に同居させている
「バットマンと言うヒーローの魅力が何であるか」をしっかり理解しきったうえで
縦横に鳴り響くそのサウンドは、硬質の映像美や「異形への愛情」に満ち満ちた
鬼才ティム・バートン監督の絵作り同様、1989年版『バットマン』という映画を
語る上では決して欠かせぬ、重要な魅力のエッセンスです。
ダニー・エルフマン氏の作曲によるそんな魅力的スコアの中から、今夜はこの一曲。
陽気な大悪党ジョーカー=ジャック・ネイピアとの過去の因縁をはっきり自覚して
バットスーツを身にまとい、最後の決戦に赴いたブルース・ウェイン=バットマンが、
ジョーカーの稼動させている悪魔の薬品「スマイレックス」の製造工場めがけて
バットモービルで突撃をかけ、これを爆破するという一連のシークエンスを彩った
ドラマ・映像との最高のマッチングで心を高揚させてくれたナンバーです。