遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンデッカー』16話、見ました!

多かれ少なかれ、悩んだり躓いたりという瞬間はあるもので……

普段「そういうの」と無縁に思える人間であるほど、一旦「そうなった」時の

切実さや深刻さもまたひとしお、と言うもので。

という感じで幕を開けた今回の『デッカー』。

アサカゲ博士(アガムス)の裏切りにTPU絶体絶命のピンチ、未来人デッカーの出現に

最強形態ダイナミックタイプの登場……と、あれだけの大事件が起こった直後の話に

インターバル的にこう言った挿話を差し挟むのは長期シリーズ構成の定石ですが

冒頭パートの幼獣スピニー捕獲を巡るコミカルさの「ちょっと一息」だけに終わらず

前回・前々回での怒涛の急展開を迎えて「気持ち」がついていけてないカナタの

普段とは異なる苛立ちや焦燥ぶりと、それの克服をしっかり尺を取って描写することで

経糸重視の連続ストーリーならではの、キャラ描写における一本筋を通してくれたのは

流石に安心と信頼の『デッカー』と言う感じで嬉しくなります。

ウルトラマンデッカー DXガッツホーク

ウルトラマンデッカー DXガッツホーク

 

そう。

今回のカナタの悩みは、時間さえかければいずれ彼自身が自分の力で

折り合いの糸口を見つけ出せるものだったのですが、そこに至る流れに

折からのスピニー捕獲(駆除)作戦とを上手く絡め、第2話の時にも通じる

若手隊員三人の関係性描写のリフレインによって主人公の再起を促しつつ

番組当初の「あの頃」とは明らかに異なる若手三人の関係の深化っぷりをも

『デッカー』らしい適切な距離感を保ちながら、必要以上にベタつかせずに

さらりと描写してくれたのが気持ちよくて。

 

何が良いってね、今回はリュウモン君が本当に良かったんですよ――

らしくないカナタを「こいつは使い物にならない」と切り捨てる言葉の裏に

チームメイトとしてのカナタをしっかり気遣う姿勢が明確に垣間見えていたり

状況終了後、帰還を果たしたカナタにごく控えめなサムズアップで応えたりと

単にぶっきらぼうで真面目な男というだけではない、不器用な若者の優しさが

じんわり滲み出てくるような作りになっていて、今日まで見続けたファンには

それもまた嬉しいプレゼントだったり致します――

 

ツンデレ」と言う手垢のついた言葉で片づけたくはないんですけどね(苦笑)。

 

ウルトラ怪獣シリーズ 187 パンドン

ウルトラ怪獣シリーズ 187 パンドン

 

そうそう、今回のゲスト怪獣たるパンドンを忘れるわけにはいきません。

定番怪獣ソフビのリリースとも連動し、デビュー間もないヒーローの最強形態たる

ダイナミックタイプを相手取るだけあって、かなり張り切ってた(笑)彼……

幼獣態たるスピニー(可愛い!)との同時登場ということもあって、下手をすると

「必要以上にパンドンへベタベタ感情移入したお涙頂戴編」になりかねないぞ、と

密かに危惧もしてたんですが、そこはそれ「今は可愛いルックスではあるけれども

いつどんな危害をもたらすかもわからない未知の宇宙生物」であるとして一線を引き

終始プロフェッショナルとしての対応に徹してくれたことで、オリジンの兇悪怪獣たる

パンドンのキャラ像を崩すこともなく、かつデッカー・ダイナミックタイプが見せた

「デュアルソード&シールドカリバーの二刀流」のかっこよさをも受け止めるに足る

なかなかに悪くない(いや悪いんですけど・笑)敵役ぶりを見せてくれました。

 

ええ、ここでもやっぱり光るのは、極端なデフォルメ描写に走らず地に足の着いた

『デッカー』演出面での節度なんですよねぇ(しみじみ)。

 

ウルトラマントリガー 渦巻変形 DXナースデッセイ号

ウルトラマントリガー 渦巻変形 DXナースデッセイ号

 

で、そんなパンドン騒動が解決し、カナタの中の迷いもひとまずは去って

今日もめでたしめでたしで、ヨカッタネヨカッタネ……かと思いきや

アサカゲ博士離反にまつわる諸々の出来事に関して、TPU内部調査局からの

ムラホシ隊長への聞き取り調査が行われることになった……ということで

ナースデッセイ指令室は何だかどんよりのお通夜ムード。

 

ウルトラ怪獣シリーズ 68 メトロン星人

ウルトラ怪獣シリーズ 68 メトロン星人

 

ああ、この落差と引きで、次回も見ないわけにはいかなくなってしまったのです――

って言うかマルゥル以外にもいたんですね、地球在住のメトロン星人(笑)。