遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

さて、そのとき彼は何をしていた? の巻

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北海道における「空の玄関」……

国際空港を擁することで知られる、北海道千歳市

本シリーズの舞台ともなっている、豊かな自然に囲まれた美しい街。

そして今回、この千歳市は――

……のっけからもう、大変なことになっていたのであった!

 

 

ズガーン! グワーンっ!

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千歳市のあちこちで、次から次に巻き上がる大爆炎!

燃え盛る炎と逆巻く爆風の中、悲鳴を上げて逃げ惑う千歳の人々。

そして、そんな混乱の中……異形の巨体が、またしても姿を現した!

「テュククク……クァカカカカッ……!」

不気味な唸り声とともに出現したのは、やはり怪獣軍団の一員。

蜘蛛ともヒトデともつかない形状をした、ジャンボ・サイズの宇宙人!

 

「テュカカカ……その名も高き、エマー星人だァ!」

ながもん「おお、このタイミングで……星人が、出た」

みくるん「もしかして……今の爆発、あなたの仕業なんですかぁ!?」

エマー星人「テュカカカッ、その通り!」

エマー星人「千歳市内に仕掛けた、連鎖反応式の時限爆弾……

 怪獣軍団の期待を担って行われた実験は、この通り見事に成功したのさ」

熊澤さん「ひょえ~っ、何てハタ迷惑な話だィ!?(汗)」

エマー星人「そして今、この実験成功とともに地球侵略の機は熟した。

 あとはこの私の手で、千歳の街を完膚なきまでに破壊し尽くしてくれる!

みくるん「ふぇぇん、それって……」

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ながもん「(頷き)いつも通りの……大暴れ」

みくるん「(涙目)だよねぇ、薄々わかってたけど、判りたくなかったよ~!」

イフ「わははは、その意気だ、やれやれエマー星人!

 破壊し尽くし、燃やし尽くして、千歳を我ら怪獣軍団のものとするのだ!」

エマー星人「テュクカカカぁ~、お任せ下さいませ、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、猛然と進撃開始するエマー星人!

迫り来るその巨体を前に、右往左往して逃げ惑う人々。

 

ああ、千歳の大ピンチだ――だが、その時である!

ながもん「(空を見上げて)……おおっ」

みくるん「あ、あれは……!」

星人の進撃を阻むべく、直ちにスクランブルをかけた防衛隊の戦闘機。

壮絶なる死闘が、凄まじくも華やかにその幕を開けようとしている。

 

だが、そんな緊迫した状況の中……

我らが宙マンは、いったいどこで何をしているというのだろうか?

と、ここで唐突に場面は変わって、こちらは市内某所の焼肉屋さん。

 

そう、賢明なる読者諸兄諸姉は既にお気づきのこととは思うが……

お馴染み宙マンファミリー、焼肉と同じくラーメンの旨さにも定評がある

このお店まで、わざわざラーメンを食べに来たのである。

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宙マン「おおっ、来た来た、来ましたよっと!」

落合さん「これが、評判の味噌カツラーメンですか……」

ビーコン「味噌味スープに揚げたてのカツ。

 なんたってこの、色合いのマッチングがまず良いっスよね~」

ビーコン「もぐもぐ……うん、ちょっとカツの揚がり具合が固めっスかねぇ?」

宙マン「でも、そのおかげでカツがスープの中で必要以上にふやけたりしないで

 最後の一口までしっかり元の形を保っていられるんだよ」

ビーコン「なぁるほど、それもまたひとつの知恵っスねぇ」

ピグモン「はうはう~、とってもおいしいの~」

もちろんその間にも、戦闘機隊とダダの死闘は続いているわけだが……

宙マンファミリーはそれに気づいていないし、気に留める様子もない。

まぁ、いつもの彼ららしいと言えば確かにその通りなのだが。

落合さん「麺の腰もしっかりとしていて、カツの旨味に負けていませんし……

 ずずず、何よりこのスープがいいですわねぇ」

宙マン「(頷き)野菜と挽き肉をベースに、しっかり丁寧にダシを取っているね」

落合さん「その上でカツとも麺とも喧嘩せず、しっかり両方の橋渡しを務めて……

 クリーミィなのにすっきり飲みやすい、味の吟味が流石ですわね」

ビーコン「おおう、さすがに鋭い分析っスねぇ、落合さん!」

落合さん「それはもう、私もメイドのはしくれですもの♪」

宙マン「いやぁ、本当に旨いねぇ! 箸が止まらないよ!」

 

……と、宙マンファミリーが楽しく盛り上がっているその間にも。

「う、うわぁぁぁーっ!?」

星人の頭部から連射される破壊弾の直撃を受け、一機、また一機……

防衛隊の戦闘機は、勇戦空しく撃墜されていく。

熊澤さん「ああっ……なんてこった、戦闘機隊も全滅だぁ!」

宇佐美さん「むううっ、まずいぞ、これは非常にまずい!」

みくるん「ああっ、こんな時に、宙マンさんは何をやってるんでしょう!?」

 

そう、その宙マンたちはと言えば……

美味しいカツラーメンを食べ終え、ちょうど支払いを済ませたところであった。

宙マン「いやぁ~、美味しかった、すっかり堪能しちゃったよ!」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんまた来たいの~」

落合さん「ええ、是非またみんなで参りましょう!」

ビーコン「いえっふ~、目指せ全メニュー制覇っス~☆」

 

……などと言いつつ、良い気分で一歩店の外に出た瞬間!

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ピグモン「(目を丸くして)ああっ!!

宙マン「(も驚き)……こ、これは……っ!?」

落合さん「あらイヤですわ、どうしましょう……

 ちょっとお食事を楽しんでいる間に、こんなことになっていたなんて!」

宙マン「ううむ、何となく外が騒がしいな、とは思ったんだが……」

ピグモン「はわわ、こんなコト、確か前にもあったような気がするの~」

ビーコン「むむむ、いわゆるデジャビュってやつっスね!」

 

koumemylove4794.hatenablog.com

そんな過去の出来事については、こちらをご参照頂くとして……

今、まさにこの瞬間、千歳は「大変なこと」の真っただ中にあった!

ピグモン「はわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「ああ、勿論だとも! 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、エマー星人の前へ舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

  平和を乱す無法星人め、乱暴狼藉もそこまでだ!」

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ズ、ズーンっ!!

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ビーコン「いえっふ~、頼んだっスよ、アニキ~!」」

落合さん「食後いきなりの運動で申し訳ありませんが……

 どうかお殿様のお力で、ガツンとぶちかまして下さいませ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

エマー星人「テュカカカ、宙マン、私の邪魔はさせんぞ!」

宙マン「いいや、断固として……させてもらうっ!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

今日もまたまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

イフ「ううむっ、またしても宙マンめが邪魔立てを……。

 頑張れエマー星人、決して抜かるでないぞ!」

エマー星人「テュカカカ……お任せ下さいませ、魔王様!」

真っ向激突、宙マン対エマー星人!

落合さんたちが見守る中、巨大な両者の攻防戦が火花を散らす。

六本腕を不規則に動かすことで、次の攻撃を相手に予測させない

変幻自在の時間差チョップを繰り出して迫るエマー星人。

だが、宙マンもさるもの――

負けてなるかとばかり、怯むことなくその内懐へと飛び込んでいく!

凄まじい激闘が繰り広げられ、千歳郊外を揺るがす。

エマー星人「テュクククっ、お前の力はそんなものか!?」

宙マン「ようし、だったらこいつを受けてみろ!」

宙マンの指先から、勢いよく放たれる高熱火炎。

だが星人は、その一閃をひらりとかわして空中に浮かび上がる!

宙マン「何っ!?」

エマー星人「テュカカ、どうだ宙マン、私を捉えられるか!?」

ふわふわと予測不能な軌道を描きながら、空中を自在に舞い……

宙マンを上下左右に翻弄しつつ、腕足をワシワシ動かして迫る

エマー星人の空中殺法。

 

その空中浮揚蹴りが、ついに宙マンを捉えた!

ズ、ズーンっ!

 

落合さん「……お、お殿様っ!?」

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ビーコン「どひ~っ、味な真似しやがるっス、あの宇宙人!」

ピグモン「はわわわ……宙マン、まけないでなの~!」

宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」

エマー星人「テュカカ、今度こそ引導を渡してやる!」

「なんの……負けて、たまる、かぁっ!」

宙マン、パワー全開!

エマー星人の破壊弾をジャンプでかわし、大空高く舞い上がる。

 

エマー星人「(驚愕)てゅ、テュカカカっ!?」

「エイヤァァーッ! 宙マン・ミラクル・キック!!

出た、電光石火の必殺技!

ラクルキックの威力に、大きくよろめくエマー星人。

エマー星人「テュクォォォっ……お、おのれぇぇっ……」

宙マン「それっ、受けてみろ――宙マン・閃光波!

ピッキュイィィーン!

高らかな音とともに、宙マンの手にストロボ状の発光が生じ……

次の瞬間、エマー星人のボディで激しい爆発が起こる。

宙マンの閃光波が、星人めがけて連続炸裂!

宙マン「――どうだっ!」

エマー星人「こ、こりゃたまら~んっ……!」

火花を散らして崩れ落ち、大爆発とともに吹っ飛ぶエマー星人。

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」

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ビーコン「いえっふ~、やっぱアニキはそうこなくっちゃっス!」

落合さん「今日もお見事でしたわ、お殿様……♪(うっとり)」

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イフ「うぐぐっ、おのれェ……おのれ、またしても宙マンめが!

 だが、これしきの事でいい気になるなよ。

 ワシら怪獣軍団には、必殺必勝の作戦計画がまだ幾らでもあるのだ!」

 

かくして、ここに平和は蘇った――

我らがヒーロー・宙マンの活躍によって、怪獣軍団の無差別破壊は

首謀者のエマー星人もろとも粉砕・阻止されたのであった。

落合さん「お見事でしたわ、お殿様!」

ビーコン「いえっふ~、アニキ、お疲れ様っした!」

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みくるん「宙マンさんが来てくれると、やっぱり安心感が段違いですぅ」

ながもん「一時は……どうなることかと……思った、だけに」

宙マン「たはは、遅くなって申し訳ない、なにしろ外食中だったもんでね。

 しかしアレだ、一戦交えたあとだけに……

 ラーメン食べたばかりなのに、また小腹が減ってきたねぇ」

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ビーコン「そろそろデザートタイム、ってコトっスね。

 それいじゃ落合さん、いっちょよろしくお願いするっスよ!」

落合さん「お任せ下さい、とびきり美味しいのをご用意致しますわ!」

ビーコン「(苦笑)チチチ、そうじゃないんスよ、わかってないスねぇ落合さん。

 オイラの言う「デザート」は、いわゆるエロいことの文学的な比喩であって……」

 げ し っ !

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落合さん「ねーいっ、そんな注釈いりません、激しく余計ですっ!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、今日も定番オチが見事に決まっちまったっスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

今日も本当にありがとう、宙マン!

だが未だ、怪獣軍団の野望は尽きない……

さて、次回はどんな冒険が待っているのかな?