左右非対称の強烈なシルエットと、レッド&ブルーのビビッドカラーに彩られた
インパクト重視のルックスを、鬼才たる故・石ノ森章太郎氏のイマジネーションが
“不完全なメカニズムゆえの人間的苦悩の産物”として捉え、昇華したことにより
同時期にメガヒットを飛ばしていた『仮面ライダー』との作品的な差別化に成功し
今なお伝説のロボット・ヒーローとして語り継がれている『人造人間キカイダー』。
そんな1972年「変身ブーム」の、熱気と興奮の一翼を担った本作の
毎回の開幕を告げるOP主題歌が、もはや説明不要の本曲。
「ジロー チェンジ キカイダー」
の歌詞からサビへと突入する瞬間、一気にスピードの上がる曲のテンポが
スタジオミュージシャン陣のテクニックに裏打ちされたアドリブともども
得も言われぬ高揚感を与えてくれ、聞けば聞くほど味の出るスルメ曲です。
そして四番の歌詞、「正義と悪との 青と赤」。
変身仮面ヒーロー番組の主題歌としては異例の四番まで歌詞の尺をとり、
メカニックヒーローたるキカイダーの魅力と機能をたっぷり謳いあげたところへ
最後のダメ押しとばかりに提示されるこの一節が堪らなく良いんですよね~。