遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンデッカー』23話、見ました!

一時的に記憶混乱状態になり、TPUに身柄を拘束されたアガムス。

そんな彼との対話を望んだカナタとの面会、そのやり取りの中で見えてきたのは

かつては彼もまたカナタのように未来を信じ、希望をもって戦い続けて……

そして、最愛の妻の死別とともに挫折を余儀なくされた悲しい事実でした。

そのさなか、突如として市街地の空を覆い尽くさんばかりの勢いで大挙飛来してきた

スフィアソルジャーの攻撃に、再び記憶を回復し……

「勝てるわけがない」と言う自暴自棄とも絶望ともとれる、余りに人間臭い衝動のまま

再度テラフェイザーを召喚し、機体に無数のスフィアソルジャーが取り付いていく中で

あれほど大切に抱き続けていた「妻・ユリアの愛したことばたち」の記憶さえもが

スフィアの侵食に伴ってどんどん朧げになっていく、凄絶にして悲し過ぎる光景が

もはや特殊メイクに頼るまでもなく、縁起と演出が相まったテンションの高まりで

いよいよ「その時」、最後の戦いのときが来たのだと言う厳然たる事実の残酷さを

真っ向から視聴者に突き付けてきます。

ウルトラ怪獣シリーズ 181 スフィアレッドキング

ウルトラ怪獣シリーズ 181 スフィアレッドキング

 

そんなスフィアの総攻撃の中、かつてデッカーやGUTS-SELECTと死闘を繰り広げた

凶暴・強力なスフィア合成獣たちが次々と復活。

ウルトラマンデッカー ウルトラ怪獣シリーズ 176 スフィアゴモラ

ウルトラマンデッカー ウルトラ怪獣シリーズ 176 スフィアゴモラ

 

所謂「再生怪人枠」の賑やかしと言ってしまえばそれまでですが、

「大勢」でありつつも巨大なひとつの「個」であり、一度吸収したものの情報は

全ての個体が共有している、と言うスフィアの設定からすれば無理のない展開ですし

それを可能なさしめるスフィアの想像を超えた生態をも提示することによって

改めて「只ならぬ敵」としての存在感を示してくれるのがまた良かったですね。

ウルトラ怪獣シリーズ 186 スフィアネオメガス

ウルトラ怪獣シリーズ 186 スフィアネオメガス

 

勿論、ただでさえ手ごわかったスフィア合成獣たちが、今度は徒党を組んで

容赦のない力押しでデッカーを攻めまくる、と言うのも、再登場怪獣枠の

「格落ち」的イメージを感じさせないという意味で絶妙の采配でしたし、

そんな合成獣軍団を苦闘の果てにデッカーが打ち倒した瞬間のカタルシスさえも

刻一刻と現在進行形で進み続けている絶望的・危機的な状況の重大さの前には

あくまで局地的で些細なものでしかない、と言う事態の切迫と事実の残酷さを

容赦なく視聴者に突き付けてくると言う点でも効果的だったと思います。

 

……だからそこ、「年末商戦向けのクリスマス販促」とか言わないッ(苦笑)。

[バンダイ] ウルトラマンデッカー DXデッカーシールドカリバー(対象年齢:3歳以上)

[バンダイ] ウルトラマンデッカー DXデッカーシールドカリバー(対象年齢:3歳以上)

 

そして今回、前半のアガムスとの面会シーンの落ち着き具合から一気呵成に

ハイテンションで急加速していく物語の展開において……

前回のラストでカナタこそがデッカーの正体であることを知り、ウルトラマンとして

戦い続けて来た彼自身の熱い思いをしっかりと理解し、心の中で反芻しながら

「お前がウルトラマンなんだろう?」的な台詞は一言たりとも吐かず、その上でなお

カナタを理解し、今日まで共に戦い続けた仲間として共に歩み、寄り添い続ける

リュウモン君の描写の匙加減、ぶっちゃけヒロイン力が本気でハンパなし(笑)!!

 

ぶっきらぼうな中に秘めた熱い思いと、確かな観察眼に裏打ちされた優しさ。

それこそがリュウモンの良さであり、魅力なのだと視聴者の誰もが知っているからこそ

クライマックスで見事に開花し、実を結んだキャラクター描写の積み重ねの成果には

一ファンとして、素直に熱く深い感慨がこみあげてくるのを禁じえません。

ウルトラマンデッカー ウルトラ怪獣DX マザースフィアザウルス

ウルトラマンデッカー ウルトラ怪獣DX マザースフィアザウルス

 

と、ここまで物語を盛り上げ、遂にスフィアの親玉たるマザースフィアザウルスが

地球へと降臨し、それを宇宙空間で阻止せんとする先輩ヒーロー・トリガーとの

真っ向激突と言う鬼のような引きっぷりでクロージングを迎えておいて……

 

その上で次回、またまた「特別総集編」!!

 

いやいやいやいや、さすがにそれはないでしょう(泣笑)!?