遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

あッ、千歳が溶ける……! の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701220114j:plain

完全防寒の分厚いコートに頼らずとも外出できる陽気の中で、

あちこちで雪溶けが急速に進みつつあるここ数日。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210904232305j:plain

そう、暦の上だけのことではなく……

北のさいはて・北海道も、ようやく名実ともに春を迎えつつあった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428010428j:plain

そんな中、今回もいつも通り幕を開ける『飛び出せ!! 宙マン』。

「いつも通り」を謳うからには、物語の始まりも当然、例のごとく

北海道千歳市から、ということになる。

 

 

 

てなわけで、こちらは千歳市・ほんわか町5丁目……

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210904232322j:plain

そしてその一角に建つ、おなじみの「宙マンハウス」。

ちょうどその庭先に、今年最初のフキノトウがちょこんと顔を出していた。

 

みくるん「あっ、みんな……あったよ、フキノトウ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211211221751j:plain

宙マン「これを見ると、春が来たんだってしみじみ実感できるよねぇ」

ピグモン「今年は普段より、フキノトウ出るのが早い気もするの~」

ながもん「そこは、それ……今年……暖冬、だったから?」

みくるん「理由はさておき、嬉しいものは嬉しいですぅ♪」

宙マン「(頷いて)あぁ、全くだね!」

ビーコン「そう、理由はさておき嬉しいものは嬉しいんスよ!

 ヒヒヒ、良い事言うっスねぇ、みくるんちゃん。

 てなわけでオイラも、早速いつも以上のセクハラで……」

 げ し っ !

落合さん「ねーい、お黙りんこっ、このエロ怪獣!

 そんな理不尽な行為は、ほんわか町では通りません――

 えぇ、この落合が通しませんともっ!」

ビーコン「ハンニャラ、ヒ~っ……

 ……だ、だけどオイラはくじけないっス、これしきで!」

ビーコン「日本全国……うんにゃ、世界各国の同志たちが!

 このオイラのセクハラを待ち望んでくれている限りはっ。

 オイラの使命感が、簡単にあきらめるなと叫んでるっス!」

落合さん「そんな使命感、ドブ川に叩き捨てておしまいなさいっ!」

ビーコン「っがー、何で判ってくれないんスか、落合さぁん!?」

落合さん「判ってたまるものですかッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426223956j:plain

ピグモン「えう~……落合さんとビーコンちゃん、またやってるの~」

宙マン「(苦笑)たっはっはっ……

 良くも悪くも通常営業だねぇ、あの二人は」

みくるん「ええっと、私たちは敢えてノーコメントで……」

ながもん「(無表情に頷き)それが、正しい……処世術」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427212336j:plain

ビーコン「オイラの命ある限り、ポリコレ棒なにするものぞっス!

 それよりも尊く逞しい一本の棒が、オイラにはあるんスからっ。

 あ、具体的にその「棒」がどこを指すかってぇと……」

落合さん「だーっ、そんな説明いりませんからっ!(赤面)

 それ以上言ったら、本気でお仕置きですわよ……!?」

 

またまた落合さんの鉄拳が炸裂するかと思われた時……

事態は、思いもよらぬ急展開を見せたのであった!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「あっ、みんな見て、あれ……!」

落合さん「(ハッとして)えっ!?」

 

おお、何と言うことであろう!?

ピグモンの指差した先……

振り返った宙マンたちの視界に飛び込んできたのは、街の建物が

泡に包まれ、溶け去っていく怖ろしい光景であった!

 

落合さん「こ、これは一体、どうしたことでしょう!?」

ビーコン「ひえぇ、あっちもっスよ、あっちも!」

異変はひとつの建物のみにとどまらなかった――

ひとつ、またひとつと、市内のビルが異様な泡の中に包まれて

グズグズと溶解し、跡形もなく消え去っていくではないか!?

 

ピグモン「て、手品か何かみたいなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429165645j:plain

ビーコン「手品にしては、たちが悪すぎるっつーか……」

落合さん「少なくとも、種も仕掛けもあるってことですわよね」

宙マン「ああ、それも、とびきりろくでもない種だろうさ……!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211203170042j:plain

ギロロッ、グルルッ……

 ああ、そうともさ、大・正・解~っ!」

 

みくるん「(ぎょっとして)!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701220302j:plain

みくるん「み、皆さんも今の……聞きましたよ、ね!?」

ながもん「(無表情に頷き)……はっきりと」

ビーコン「ひぇぇ、この流れ、もしかして……!?」


そう、今回もまた「もしかする」のである――

宙マンたちの見守る中……

市内のとある排水溝から、勢いよくブクブクと噴き出してくる泡。

 

宙マン「(驚愕)!?」

あとからあとから、とめどなく噴き出してくる不気味な泡。

「それ」はみるみる、天を衝くような高さにまで膨れあがって

急速にひとつの「かたち」を成していく。

 

しかして、その正体は!?

ギルルル、ギロロぉぉ~っ!!」

 

ピグモン「ああっ、また新しい怪獣なの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427233353j:plain

ながもん「あれは、確か……宇宙星獣・ギロ

 人に、よっては……ギロ星獣と……呼ぶ人も、いる」

みくるん「え~ん、また使い道のない知識が増えちゃったですぅ~(涙目)」

怪獣軍団の一員、宇宙星獣ギロ。

一見するとコミカルにも思える容姿だが、なかなかどうして……

悪知恵と破壊力ではあなどれない、宇宙の無法者なのである。

ビーコン「あー、やっぱねぇ、そうだと思ったっスよ!」

落合さん「あの目が……どうにも信用ならない感じですわ」

ギロ「ギロロロ~、まぁまぁ、そうおだてるなよ♪

ギロ「んー、気分よくなったところで……

 さっそくひと仕事始めますんで、よろしくゥ!」

みくるん「ほぇ、お仕事ぉ……?」

ビーコン「どひ~っ、破壊活動のコトっスよぉ!(汗)」

宙マン「……うぬっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426122119j:plain

イフ「わはは! さぁやれ、思い切り暴れろギロ星獣! 

 お前の威力を、地球の者どもに思い知らせてやるのだ!」

ギロ「ギロロ~、万事このギロめにお任せを、魔王様!」

ギロ星獣、進撃開始!

迫り来る巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う千歳の人々。

ビーコン「どひ~っ、泡食って逃げるしかないっスねぇ!?」

落合さん「えぇ、泡だけに……って、おやかましいですっ!」

ピグモン「はわわ。ツッコミ入れてる場合じゃないの~!(涙)」

 

おお、北海道千歳市に早くも絶対の危機迫る!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220318203311p:plain

だが、そんなギロ星獣の暴虐を阻まんものと……

直ちに千歳基地から、戦闘機隊がスクランブルをかけた。

ながもん「おお……今日もまた……来てくれた」

ビーコン「う~ん、来てくれるのは嬉しいんスけど……」

落合さん「あとはもう少し、成果が伴って下さいますと……!」

「う~ん、何かヒドい言われようだけど……

 気にせず行くぞ、怪獣への攻撃開始っ!

ギロめがけて、怒濤のように叩きこまれるロケット弾!

そんな凄まじい攻撃にも、全くびくともしない宇宙星獣である。

 

ギロ「ギロロ~、悪いがお呼びじゃないねぇ!」

「ど、どわぁぁぁ~っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220318203554j:plain

ギロの角から発射される泡!

その溶解力にかかっては、戦闘機などひとたまりもない。

 

みくるん「あぁっ、やられちゃったですぅ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508155243j:plain

ビーコン「やっぱりっつーか、何つーか……(汗)」

ながもん「それでも……努力は……讃えたい」

 

ギロ「ギロロロ、もうどんどんやっちゃうよ~ん!」

調子に乗って、周囲に溶解泡を撒き散らすギロ!

街のビルが、家が……次々に溶かされ、消え去っていく修羅場。

爆発! 炎上!

今やギロ星獣により、千歳の平和は風前の灯であった!

 

落合さん「あぁ、もう、何てことでしょう!」

みくるん「これは色々、洒落にならないですよ~!」

ながもん「ここは、一発……ヒーローが、必要」

ピグモン「宙マン、宙マン、何とかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、暴れ回るギロの前へ舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 星獣ギロ、もうお前の好き勝手にはさせないぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210604234541j:plain

ながもん「おおっ……宙マンの、十八番」

ビーコン「こうなりゃもう、アニキだけが頼りっス!」

みくるん「頑張って下さい、宙マンさ~んっ!」

ギロ「ギロロロ、僕と勝負しようってか~い!?」

宙マン「お望みならば、叩きのめしてあげるまで!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

ギロ「ギロロ~っ、上等! 行くぞ宙マン!」

宙マン「どこからでもかかって来い!」

遂に激突、宙マン対ギロ星獣!

人々が見守る中、巨大サイズの攻防はのっけからヒートアップ。

己の身一つで、宇宙を流れ歩いてきただけのことはあり……

ユーモラスな容姿に似合わず、格闘技の腕前と怪力にかけては

他の怪獣たちにもひけはとらないギロ星獣。

宙マン相手に一歩も引かず、凄まじいチョップの連打!

これにはさしものヒーローも、ズズッと後退させられるが……

 

宙マン「何の、これしき!」

怯むことなく、ギロめがけてストレートキックをお見舞い!

宙マンの反撃に、今度はギロがよろめき後退する番だ。

宙マン「どうだ星獣ギロ、正義のキックに怖れをなしたか!?」

ギロ「ギロロ~、勝ったと思うのは早いよ~ん!?」

自身の奥の手、魔の溶解泡で反撃するギロ。

そして宙マンは、それを全身に浴びてしまったではないか!?

 

宙マン「う、うわぁぁぁぁっ……!」

ズ、ズーンっ!

 

みくるん「ああっ、宙マンさんが!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428003116j:plain

落合さん「いけませんわ、あの泡だけはどうにも!」

ビーコン「どひ~っ、このままじゃマジで……」

ピグモン「はわわ、宙マンまけちゃうの!?」

ながもん「負ける、だけじゃ……済まない……かも……!」

宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」

ギロ「ギロロ~、何だか僕ちゃん、大勝利の予感~♪」

自らの勝利を確信し、ウキウキと迫ってくるギロ。

……だが、これしきで挫け、やられる宙マンではないのだ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504002554j:plain

「ぬうぅぅぅ……トゥアーッ!!」

宙マン、気力を振り絞ってパワー全開!

気合一閃、全身にまとわりつく泡を吹っ飛ばしてしまう。

ギロ「(目をパチクリ)な、何ですとぉっ!?」

宙マン「そォれっ、お返しさせてもらおうか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ギロを直撃!!

ギロ「ギロ、ルロロォォォッ!?」

怯み、よろめく宇宙星獣の巨体。

その隙をついて、素早く空へと大ジャンプする宙マン。

スパークとともに、虹色の残像を描きながらの超速回転!

ギロ「な、何とぉぉっ……そう来ちゃうぅ~!?」

宙マン「とどめだ、ギロ星獣!」

「エイヤァァーっ!

 マン・レインボーキック!!

 

全身のエネルギーを瞬時に増幅させ、両足で蹴りこむ大技……

虹色の一撃、レインボーキックがギロめがけて炸裂!

ギロ「勝利の予感……泡みたいにはかない夢でしたぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

みくるん「やった、宙マンさんがやりましたぁ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428005645j:plain

ながもん「さすが、宙マン……まかせて、安心」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「うぐぐぐ、おのれ……おのれおのれっ、またしてもか!

 だが、これで勝ったなどとは思うなよ、宙マン。

 次こそは必ず、貴様の息の根を止めてやる!」

 

怪獣魔王の、毎度毎度の負け惜しみはさて置いて。

かくして我らが宙マンの活躍によって、宇宙星獣・ギロは撃退され

千歳の街には、再び心地よい平和が戻ってきた。

 

落合さん「お殿様、どうもお疲れ様でした!」

ビーコン「いや~、一時はどうなるかと思ったっスけどね~」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210604220917j:plain

ピグモン「はうはう~、でもバッチリ宙マンの勝ちだったの~」

ながもん「結果……オーライ?」

宙マン「いやはや、一時は私も「泡食った」けどねぇ!」

みくるん「うふふ、一件落着でほんとによかったですぅ♪」

ビーコン「よ~し、オイラも改めて己の使命を……」

落合さん「(ジト目)どうせまた、卑猥なコト仰りたいだけなんでしょう?」

ビーコン「ヒヒヒ、さすが落合さん、判ってるっスね~!

 泡怪獣のお話だけに、オチはソープランド絡みでひとつ……」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428011630j:plain

落合さん「うがーっ! 泡のように消えておしまいなさいっ!!(怒)」

ビーコン「ひょえ~っ、報われぬオイラのサービス精神っスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

怪獣・怪人・怪能力……

何が来ようと、宙マンは怯まない。

さて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?