遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

新人さん、やってますネ!! の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108142620j:plain

渦巻く暗黒星雲の奥深く、怪獣軍団の本拠地では……

今日も今日とて、地球征服のための悪企みが進行中。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115252j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115259j:plain

イフ「うぐぐぐっ、それにつけても憎むべきは宙マンよ。

 ……奴さえおらなんだら、ワシらはとっくに地球など征服して

 あの美しく、青い星の支配者となり君臨できていたものを!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211129212807j:plain

イフ「今度こそ宙マンを倒し、地球を怪獣軍団のものにする。

 ……その輝かしい第一歩を示す、悪の勇者はいないのか!?」

 

 

「我にお任せあれ、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143005j:plain

力強い声とともに、怪獣魔王の前に進み出てきたのは……

宇宙金属製の鎧に身を固めた、威風堂々たる偉丈夫。

 

スライ「おおっ、君は!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143030j:plain

スライ「確か、新人のゼブラゴーネ君、だったね。

 今春から、我が怪獣軍団に本採用になったばかりの……」

ゼブラゴーネ「(頷き)いかにも、いつもお世話になっております!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143114j:plain

怪獣軍団のニューフェイス、グロース星人ゼブラゴーネ。

かつてグロース星・地球侵略軍の二代目戦闘隊長として、地球人や

ジャンボーグ9と幾多の死闘を繰り広げてきた、かのマッドゴーネは

彼の父方の叔父にあたる存在なのだ、と言う。

 

ゼブラゴーネ「怪獣軍団の一員となり、もうすぐ1ヶ月……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143149j:plain

ゼブラゴーネ「そろそろ我も、大手柄をあげさせてもらおうかと。

 幹部候補生たるバルタン星人Jrや、ダークネスファイブの不甲斐なさ……

 それを見せられ続けるのも、そろそろ我慢の限界でしてな!」

スライ「ぬぬっ……のっけから言っちゃってくれますな!」

イフ「ぬははは……元気が良くて結構、結構!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143239j:plain

イフ「どうやらやる気が有り余っておるようじゃの、ゼブラゴーネ。

 だが、そこまで大口を叩いた以上、そなたの為すべきは――」

ゼブラゴーネ「地球の完全制圧、そしてにっくき宙マンめの打倒。

 我にとって、それ以外の余分な目的はございませぬ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143317j:plain

イフ「よかろう、ならば行くがよいゼブラゴーネ!

 地球へ向かえ! そして宙マンを倒すのだ!」

ゼブラゴーネ「ははぁーッ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426122355j:plain

かくて勇躍、暗黒星雲から……

空間跳躍によって、地球を目指して出撃したゼブラゴーネである。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220105220443j:plain

スライ「んー、ふふふ……。

 張り切るのは結構、ですが肩の力は抜きませんと。ねぇ?」

イフ「(ジト目)お前はリラックスしすぎだ、“魔導の”スライ」

スライ「(鼻白んで)……あららっ」

 

と、まぁ、ひとまずそれはそれとして。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427203700j:plain

今回の挑戦者、グロース星人ゼブラゴーネ。

空間跳躍で大宇宙を一気に飛び越え、北海道千歳市のド真中へと

その巨大で、凶悪な姿を現した!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108143728j:plain

「ぐわはははは……!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「あっ、なんか出てきたの!」

ビーコン「あれは、怪獣……いや、宇宙人っスかね!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211227023742j:plain

落合さん「以前にPATチームの隊史で、見たことがありますわっ」

宙マン「……そうだ、あの顔立ちはグロース星の!」

ゼブラゴーネ「ぐわははは……如何にも、我が名はゼブラゴーネ!

 この春、グロース星参謀本部から怪獣軍団への転職を果たし

 怪獣魔王様の命により、地球を征服するためにやって来た!」

ピグモン「(涙目)ふぇぇん、おっかないの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144343j:plain

ビーコン「全く、いつもそっちの都合最優先なんスから!」

落合さん「えぇ、全くですわ。

 事前にアポをとっておく、訪問マナーの基礎も基礎ですわよ!?」

ゼブラゴーネ「ぐわははは! そんなこと、我の知ったことか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144414j:plain

ゼブラゴーネ「なぁに、すぐにそんな呑気な台詞は吐けなくなる――

 ゼブラゴーネの力で、間もなく千歳は地獄と化すのだからな!」

ビーコン「どひ~っ、とりつく縞もないっスよ!(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220106162824j:plain

落合さん「……えぇ、もう、こういう方が一番困るんです!(汗)」

宙マン「(歯噛みして)……うぬっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「わははは! 存分に力を奮うがよい、期待の新人ゼブラゴーネ!

 お前の腕前、ワシの眼前にしかと示してみるがよい!」

ゼブラゴーネ「暗黒星雲よりご照覧あれ、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144625j:plain

怪獣魔王の命を受け、猛然と進撃開始するゼブラゴーネ!

荒々しく迫る巨体を前に、なすすべもなく逃げ惑う人々。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144644j:plain

ビーコン「どひ~っ、毎度とは言え、参るっスねぇぇ~っ!」

落合さん「遊びも、家仕事も、世間話も、全てはこれからでしたのに!」

ピグモン「はわわわ、そんなコト言ってる場合じゃないの~!」

宙マン「いいから逃げるんだ、早くこっちへ!」

 

ゼブラゴーネの出現で、混乱の巷と化した千歳市

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144737p:plain

だが地球人とて、ただ座して見ているだけではない――

星人の進撃を阻むべく、航空防衛隊がスクランブルをかけた。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144758p:plain

ビーコン「おおっ、今日もまたまたお出ましっスよ!」

ピグモン「はうはう~、かっこいいの~!」

落合さん「今日こそは……今回こそは、何とかなりますかしら!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144825j:plain

「これ以上、市街地の被害を広げてはならん――

 全機、アタック! 攻撃開始っ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144930j:plain

対怪獣専用に導入された、航空防衛隊の最新型戦闘機。

高火力のロケット弾が、矢継ぎ早やに叩きこまれる――

今回こそは、怪獣軍団の猛威を阻止できるであろうか!?

 

ゼブラゴーネ「ぐわははは……ちょこざいな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108144957j:plain

「う、うわぁぁぁぁ~っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145023p:plain

ゼブラゴーネの角から放たれる、くさび状の破壊光弾!

その威力の前に、一機、また一機と撃墜されていく戦闘機。

……あぁ、やっぱり今度も無理でした。

 

ビーコン「どひ~っ、なんだか泣ける結論っスねぇ!?(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426231846j:plain

などと、ボヤいている間も……

市内を我が物顔で蹂躙する、ゼブラゴーネの破壊は止まらない。

あぁ、北海道千歳市、絶体絶命の大ピンチ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145202j:plain

落合さん「何てことでしょう、あの勢い……

 ちょっとやそっとで、容易に止められるものではないですわ!」

ビーコン「どひ~っ、もうダメっス、おしまいっス!」

宙マン「いいや、まだまだだよ……千歳にはまだ、この私がいる!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、ゼブラゴーネの前に舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上! 

 怪獣軍団の悪党宇宙人め、もう好き勝手はさせないぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428002015j:plain

ビーコン「ああ、やっぱココ一番で頼れるのはアニキっスよねぇ!」

落合さん「えぇ、安心の度合いが段違いですわ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145546j:plain

ゼブラゴーネ「ぐわははは……出てきたな、プラネット星人。

 お前が噂の宙マンか、待っていたぞ!」

宙マン「グロース星人、さっさと暗黒星雲に帰れ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145627j:plain

ゼブラゴーネ「あぁ、いいとも。お前の首を手土産に、堂々の凱旋だ!」

宙マン「あくまでやる気か……ならば、やむを得ん!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズを取り、敢然と身構える宙マン。

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトルの幕開けだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145734j:plain

ゼブラゴーネ「グオォォーッ! 行くぞ、宙マン!」

宙マン「どこからでもかかって来い!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145806j:plain

激突、宙マン対ゼブラゴーネ!

人々が見守る中、巨大サイズの攻防はのっけからヒートアップ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145824j:plain

持ち前の怪力と、身につけた邪悪な格闘術……

雄叫びをあげ、猛然と宙マンめがけて怪獣さながらに襲いかかる

ゼブラゴーネの凶悪・獰猛な戦いぶりは、まさしく叔父譲り。

 

宙マン「なんの、やすやすと正義が屈するものか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145912j:plain

軽快なフットワークで、左足から、右足から……

矢継ぎ早やに次々と繰り出される、宙マンの連続ストレート蹴りが

ゼブラゴーネの巨体をよろめかせる。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108145951j:plain

宙マン「どうだ! 宙マン必殺、マシンガンキックの威力は!」

ゼブラゴーネ「ぬううっ、小癪なぁっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150022j:plain

激しく打撃で渡り合い、お互いの立ち位置を入れ替えて……

ますますヒートアップしていく、宇宙の正邪の大バトル。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150050j:plain

ゼブラゴーネの手刀が、拳が、凄まじい破壊力で繰り出される。

だが、宙マンは怯むことなく猛突進!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150120j:plain

宙マンとゼブラゴーネ、両者の全身が闘志に燃えて……

気合とともに、その巨体が交錯する。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150158j:plain

宙マン「むうっ、やるな!」

ゼブラゴーネ「ぐふふ、まだまだ……これでもくらえ、宙マン!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150232j:plain

ゼブラゴーネのベルトのバックルが、異様な閃光を放つや否や!

宙マンの全身に、凄まじいばかりの不可視の圧力が襲いかかった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150258j:plain

宙マン「(苦悶)うう……うっ!」

ゼブラゴーネ「ぐははは、苦しめ! もっと苦しめ、宙マン!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150330j:plain

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

 

落合さん「ああっ、お、お殿様っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429162343j:plain

ビーコン「どひ~っ、アレは色々シャレにならねっス!(汗)」

ピグモン「はわわわ、宙マン、まけないでなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150500j:plain

ズシーン、ズシーンっ……

重々しく足音を響かせて、宙マンに迫ってくるゼブラゴーネ。

 

ゼブラゴーネ「ぐわははは……宙マン、我が引導を渡してやる!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150137j:plain

「なんの、これしき……やられて、たまるかッ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108150603j:plain

宙マン、パワー全開!

ゼブラゴーネの破壊光球をジャンプでかわし、大空へ舞いあがる。

 

ゼブラゴーネ「(驚愕)な、何とっ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108151709j:plain

ゼブラゴーネの頭上から、稲妻のように急降下していく宙マン。

そして今、正義の怒りとともに繰り出す技の名は!?

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211128132650p:plain

宙マン「セイヤァァーっ!

 宙マン・トルネード・キック!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108151750j:plain

ゼブラゴーネの胸板を、抉るように直撃する足先!

トルネード・キックの威力に、たまらず星人が倒れたところへ――

 

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ゼブラゴーネを直撃!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108151838j:plain

ゼブラゴーネ「がハァァッ……わ、我が……負けるとは……っ!?」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220105220005j:plain

ビーコン「いよっしゃ、さすがアニキっス!」

落合さん「お殿様のおかげで、改めてゆったりと日常を満喫できますわっ。

 家周りのお仕事に、おやつに団欒、DVD鑑賞……」

ビーコン「ヒヒヒ、そしてセクハラも……っスよね♪」

 

 げ し っ !

 

落合さん「ねーいっ、調子に乗り過ぎですっ!(怒)」

ビーコン「ハンニャラ、ヒ~っ……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220105220058j:plain

人々の歓声が、ヒーローの勝利を讃える――

五月の陽光を浴び、すっくと立つ巨体は、どこまでも逞しかった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「ぐぬぬぬ……またしてもやってくれたな、宙マン!

 だが、この次こそは……

 もっと怖ろしい、もっと凶暴な怪獣を送りこんでやる!」

 

……と、そんないつもの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220105220237j:plain

今回もまた宙マンの活躍で、恐怖のグロース星人ゼブラゴーネは

見事に撃退され、千歳の平和は守り抜かれたのであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426115252j:plain

そして。

戦いの後、暗黒星雲に帰還したゼブラゴーネは……。

 

ゼブラゴーネ「も……申し訳ございません、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108152315j:plain

イフ「おお……よくぞ戻ったゼブラゴーネ、無事で何よりじゃ!

 本懐を果たせなんだのは残念、とは言え……

 あそこまで宙マンを追い込んだのは、実に見事である!」

ゼブラゴーネ「も、勿体なきお言葉……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108152400j:plain

ゼブラゴーネ「しかしながら、失敗は失敗……

 その事実は覆らぬ以上、申し開きは致しませぬ。

 魔王様、何卒この我に死刑を賜りますよう……」

 

「よ~う、ようよう、お帰り、新入りィ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108152445j:plain

スライ「んー、ふふふ、どうもお疲れ様でした!」

ジャタール「まぁ、よくある事だよ、ドンマイドンマイ!」

グロッケン「ぱーっと飲み食いして、まずは忘れちまおうぜィ!」

ゼブラゴーネ「(目をパチクリ)……へっ!?

 いや、あの、その、話がよく見えないんだが――」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108152526j:plain

ヴィラニアス「ぱーっと飲み食い……となると、やはり焼肉だな。

 スライよ、店の予約は任せたぞ!

スライ「んふふふ、いい店知ってるんですよ! 乞うご期待!」

デスローグ「(浮き浮きと)ごっ、ごっ……♪」

 

ゼブラゴーネ.。oO(……ああ、そうか。なるほど――)

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20220108152636j:plain

ゼブラゴーネ.。oO(ここは……「そういう職場」なのだなぁ)

 

かくして、また一人……

新顔が、怪獣軍団の空気に「慣らされて」いったのであった。

どっとはらい

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426121441j:plain

今回の『宙マン』は、これにて。

さてさて、次回のお話はどうなるかな?