遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

大決戦! 宙マンVSロード・ゼッドの巻

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ロード・ゼッド「我輩に向かって、よくぞそこまで吠えたものよ……

 だが、職人としてのその矜持と拘り、分からぬでもない」

ロード・ゼッド「だが、それはそれとして……

 怪物職人としてそなたを雇い入れた以上、結果は出してもらわねばならぬ。

 聞こう、次なる「作品」完成はいつぐらいになる……?」

フィニスター「(しれっと)ふーむ、そうですなぁ。

 あと400年か500年ほどお時間の余裕を頂ければ、間違いなく!」

ロード・ゼッド「……あ、あ、アホかぁーっ!!

 えぇい、もういい、そなたのことは当てにせん!

腕のいい怪物造形職人として、自陣営に雇い入れたまではよかったが……

芸術家気質の完璧主義が祟って、新怪物の頭数を揃えることもままならず

肝心の地球侵攻が、いつまで経っても先へ進まない。

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この現状に対し、遂に堪忍袋の緒が切れ……

宇宙空間を飛び越えて、自ら地球へと向かうロード・ゼッド。

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その目的は、ただひとつ。

別宇宙の支配者として恐れられた悪の魔力を自ら揮うことによって

宙マンを倒し、地球侵略の第一歩「小樽侵攻」を成し遂げること!

 

 

みくるん「ふぇぇん、筋肉のお化けです~!」

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ピグモン「って言うか、前に一度見た事ある気がするの~」

ながもん「(頷き)別宇宙の、悪の帝王……ロード・ゼッド……!」

ロード・ゼッド「ぐぁぼははは……左様、如何にもロード・ゼッド!

 全宇宙の征服者にして、悪の華を華麗に咲かせる統治者……

 そうとも、宇宙創成以来、最強最高のカリスマである!」

ビーコン「そのカリスマさんが、小樽にちょっかいかけて来たわけっスか」

落合さん「(皮肉)……ありがたくって、涙が出ますわね!」

ロード・ゼッド「ぐぁぼはは、もっと有難い思いをさせてやるぞ――

 何しろこのゼッドが自ら、小樽侵攻のために出向いてやったのだからな。

 さぁ、人間どもよ、怯えろ、わめけ、許しを請え!

 そして今こそ、ゼッドの威光の前に全てがひれ伏す時なのだ!」

宙マン「くっ、よくも勝手な――」

ロード・ゼッド「止める方法がひとつだけあるぞ、宙マン。

 今すぐ巨大化してみせい、そして我と戦ってみるがよい――

 もっとも、勝つのは我輩に決まっておるがな! ぐぁぼはははは……!!」

宙マン「(拳を握りしめ)ぬう……っ!」

ロード・ゼッド「どうした若造、怖気づいたか?

 ……いいだろう、ならば我輩が「場」を盛り上げてやろう!」

とことん身勝手な宣誓とともに、進撃開始する巨大ロード・ゼッド!

迫る巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う人々。

 

ビーコン「どひ~っ、えらいこっちゃえらいこっちゃっス!」

落合さん「さっきの舌の根も乾かぬうちに、もうコレですものねぇ!?」

ロード・ゼッド「見よ、我が力のほんの一端を!」

 

Zスタッフの先端が、邪悪な光を放つとともに……

たちまちのうち、周囲に巻き起こる爆発! 爆発! また爆発!

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ズガーン! グワーンっ!

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ゼッドにとっては、ほんの小手調べ程度の魔力発動であっても……

地球人にとっては、ご覧の通りの阿鼻叫喚。

ああ、北海道小樽市の命運は、今まさに風前の灯火であった!

 

ロード・ゼッド「ぐぁぼははは、どうした、どうした、宙マン!

 それとも、我輩の威力に怖れをなしたかな……!?」

ビーコン「どひ~っ、ゼッドの奴、あんなコト言ってるっスよ!」

落合さん「どうにもこうにも、洒落にならない最悪の事態ですわ!」

ピグモン「宙マン、宙マン、何とかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、ロード・ゼッドの前へ舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 ロード・ゼッドめ、今日こそ決着をつけてやる!」

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ズ、ズーンっ!!

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ながもん「おおっ……宙マンの、十八番」

ビーコン「こうなりゃもう、アニキだけが頼りっス!」

みくるん「がんばって、頑張って下さい、宙マンさ~んっ!」

ロード・ゼッド「ぐぁぼはははは……

 ようやくその気になったか、嬉しいぞ宙マン!」

宙マン「私は現役引退の身だ、それに争いは好まない。

 だがな、ロード・ゼッドよ……

 お前のように嬉々として悪を為し、平和を乱す者は断じて許せん!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

ロード・ゼッド「ぐぁぼははは、ならば来い、宙マン――

 もっとも、勝つのは我輩に決まっておるがな!?」

宙マン「行くぞ、ロード・ゼッド!」

ロード・ゼッドはZスタッフをぶんぶん振り回し……

宙マンもまた、素早くスーパー剣を抜き放って突撃!

小樽市街を揺るがすように、たちまち起こる剣戟のひびき。

落合さんたちや小樽市民、観光客らが固唾をのんで見守る中……

遂に真っ向激突、宙マン対ロード・ゼッド!!

ガキーン! ジャキーンっ!

右に左に、嵐の勢いでそれぞれの得物を繰り出し……

互いに一歩も譲らぬ、気迫充分の凄まじい渡り合い。

宙マンとゼッド、まずは互角といったところか?

ロード・ゼッド「ぐぁぼはははは……

 哀れなりナレーターよ、そなたの目は節穴か!」

 

…………へっ?

ロード・ゼッド「よかろう、ならば見せてやる――

 我がZスタッフに秘められた、悪の魔力の真髄と言うものを!」

宙マン「(油断なく剣を構え)……どう来る気だ!」

ロード・ゼッド「ぬ゛ふふふ、こう来る気よ!」

Zスタッフの魔力が発動!

そのエネルギー波が、宙マンの動きを大きく鈍らせる。

 

ロード・ゼッド「ウソル・デラピダトーレ・テンタトーレ・ソイナトーレ……

 デボラトーレ・マンシトーレ・エシェデュクトーレェ……」

ロード・ゼッド「死ねィ、宙マン! カァァーッ!!

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ドガガガガァァーンっ!

 

次々と巻き起こる爆発!

建物が消し飛び、宙マンの周囲がみるみる炎に包まれていく。

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 「う、うわあぁぁぁ……っ!!」

 

みくるん「ああっ、ちゅ、宙マンさんが!」

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ビーコン「くおぉ、伊達に組織のボスやってるわけじゃないっスねぇ!」

ながもん「旭展望台での……ダメージも、地味に、効いてる」

落合さん「あれだけの戦いの後で、間髪入れずの連戦ですから……

 お殿様も、まだお疲れが抜けきってらっしゃらないんですわ」

ビーコン「ひぇぇ、それって絶望的じゃないっスかぁ!?(汗)」

ピグモン「ふぇぇ、宙マン、まけないでなの~!(涙目)」

周囲を炎に包まれた中、よろめきつつ立ち上がる宙マンだが……

流石に、連戦によるダメージの蓄積は隠せない。

 

宙マン「(苦悶)うう……うっ!」

ロード・ゼッド「ぐぁぼはは……ざまぁないな、宙マン!」

ロード・ゼッド「今日までよくも、我輩の邪魔をし続けてくれたもの。

 だが、それも今日限りだ……

 我輩自らが、そなたに引導を渡してやろうと言うのだ。

 謹んで受けるがよい、宙マン!」

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「なんの、これしき……負けて、たまる、かぁぁッ!

 

それぞれの武器を手に、同時に駆け寄っていく両者。

ズバシュゥゥゥッ!

 

おお、見よ、この一閃!

ゼッドに油断があったのか、あるいは宙マンの気迫が勝ったか……

悪の帝王の体を、すれ違いざまにスーパー剣が切り裂いていた!

ロード・ゼッド「ぐ、ぐぁぁぁっ、生意気な宙マンめ……!」

 

体から火花を噴き、よろめきつつゼッドが向き直った時には……

既に次なる攻撃のため、宙マンの巨体は宙に舞っていた。

ロード・ゼッド「(狼狽)う、うおおおっ!?」

宙マン「行くぞ、ゼッド!」

「ハイヤァァーっ!

 宙マン・超ミラクル・キック!!

隊内のエネルギーを高め、全身を輝かせて放つ電光石火の必殺技!

超ミラクル・キックがゼッドの胸板に炸裂し、さしもの悪の帝王も

たまらず吹っ飛び、倒れたところへ――

 

宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!

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全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ロード・ゼッドを直撃!!

ロード・ゼッド「おにょれ宙マン……この仕返しは、必ず……ッ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」

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みくるん「宙マンさん、すっごく素敵でしたぁ!」

ながもん「文句、なしの……超絶、グッジョヴ」

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ビーコン「やったやった、ロード・ゼッドをやっつけたっス!」

落合さん「これで今度こそ、小樽もやれやれ……ですわねぇ」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~」

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人々の惜しみない歓声が、ヒーローの雄姿を讃える……

五月の青空の下に立つ巨体は、どこまでも雄々しく、頼もしかった。

かくして首魁のロード・ゼッド本人が「してやられた」ことにより

ゼッドの「小樽侵攻作戦」は、ここに実質的な瓦解。

 

古い歴史の美しい街は、ここに平和を取り戻したのであった。

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そして、主人のロード・ゼッドが「そういう事」になっていた時……

怪物工房長にして造形職人のフィニスターはと言えば。

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彼はと言えば相変わらずマイペースで、エンケラドゥスの魔城にある

自らの工房において、己の「芸術」追及を続けていたのであった。

フィニスター「ふぅむ、これはなかなかイメージ通り……

 いや、待てよ、まだ工夫の余地はあるのではないかな……?」

フィニスター「左様、左様、例えばじゃな。

 こことここの部分を、透明素材に置き換えてみたり、とか……」

 

などと、一人ブツブツ呟きながら作業に没頭中の怪物職人。

と、その時――!

どんがらがっしゃーんっ!

 

フィニスター「(驚いて、目をパチクリ)!?」

 

泰然自若なフィニスターも、さすがに驚いて顔を上げてみると……

そこには宙マンとの戦いにおいて不覚をとり、エンケラドゥスの魔城まで

吹っ飛ばされてきたロード・ゼッドの姿があった。

ロード・ゼッド「(目を回して)ハンニャラ、ヒ~っ……」

 

フィニスター「おやまぁ、これはゼッド卿……。

 思っていたより、ずいぶんとお早いお帰りで!」

ロード・ゼッド「や……やかましいわッ」

フィニスター「ワシゃそろそろ、早めの晩飯で小休止と思うとったんじゃが。

 ……よろしければゼッド卿も、ご一緒に炒飯でもいかがですかな?」

ロード・ゼッド「……我輩の分は大盛りだぞ! よいな!?」

フィニスター「(にっこり頷き)はいはい、ではしばしお待ちを♪」

 

と、そんなこんなで。

我らが宙マンの活躍によって、ロード・ゼッドの「小樽侵攻作戦」は

完全粉砕され、小樽市は再び、多くの市民や観光客の行き来で賑わう

美しくも活気あふれる街に戻ったのであった。

 

落合さん「改めまして……お疲れ様でした、お殿様!」

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宙マン「騒ぎの方も一段落したことだし……

 千歳に変える前に、まだまだ小樽で楽しみたいもんだね!」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも賛成、異議なしなの~」

みくるん「じゃあ、次は……どこに行きましょうかぁ?」

ビーコン「ヒヒヒ、そんなの決まってるじゃないっスか!

 小樽の歓楽街とか飲み屋街、えっちなサービスがあるなら尚よし!

 ねっ、落合さん!?

落合さん「…………!!!( ぶ ち っ )」

 げ し っ !

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落合さん「ねーいっ、私に同意を求めるんじゃありませんっ!!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、皆さんの連休は楽しかったっスかぁぁ~?」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

と、そんなこんなの珍道中・小樽行脚の末に。

このたびの旅行の「締め」として、これまたご当地・小樽ならではの

海鮮ラーメンを堪能して幸せいっぱい……

そして勿論、お腹も一杯の宙マンたちであった。とさ。

 

賑々しくも楽しかった、宙マン一家の小樽旅行。

もしもまた、海風に呼ばれたならば……

その時は是非、遊びに行かせて下さい!