遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

待ち伏せ暗殺音波の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

北海道千歳市――

眩しい朝焼けの光が、美しい街並みを静かに照らしていく。

いつもと変わらぬ夜明けとともに、今日ものんびりと繰り返されるのは

千歳市ほんわか町の住人、お馴染み宙マンのいつもの日課

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211130174214j:plain

そう。

もっか宙マンは、朝の日課であるウォーキングの真っ最中なのであった。

 

 

 

まだちょっと冷たい朝の空気。

その澄み切った清冽さを胸一杯に味わいながら、ゆったり自分のペースで

お決まりの「いつものコース」を歩いて行く。

今日もまた、平和で楽しい一日が始まる予感。

 

が、そんな健康的なウォーキングの様子を、物陰からこっそり眺める

一対の不健康な視線があった。

(くっくっくっ……来やがった、来やがった。

 宙マンよ、呑気にしていられるのも今のうちだけだ!)

おおっと、にわかに波乱の気配。

だが、そんなこととは全く知る由もない宙マンは……。

宙マン「ふぅ~。

 軽く歩いたら、なんだか気持ちよくお腹が減って来ちゃったな。

 さてさて、今日の朝ご飯は何だろうな~?」

 

「ケケケケ……

朝飯より、自分の身の心配をしな~っ!」

ババッ!

 

おお、見よ! 驚愕せよ!

待ち伏せていた不穏な影が、物陰から勢いよくその姿を現した!

宙マン「おおっ、お前はバット星人だな!?」

 

koumemylove4794.hatenablog.com

「ケケケケッ……覚えててくれたのかい、嬉しいね!

宙マン「で、今回もまた、わざわざ叩きのめされにお越しかね!?」

バット星人「っが~、舐めるのも大概にしておけよ、宙マン!

 この私は、お前を打倒するために暗黒星雲から送りこまれた殺しの使者――

 朝のウォーキング中こそ、お前が最も無防備になる瞬間と踏んだのだ」

バット星人「その推測は見事に的中した! 今こそお前の最後だぞ!」

宙マン「それで、わざわざこんな早朝に待ち伏せか……悪趣味だぞ!」

バット星人「けけけけっ、何とでもほざけ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「行けぃ、バット星人、殺しの使者よ!

 我が怪獣軍団の悲願、宙マン抹殺を今度こそ成し遂げるのだ!」

バット星人「全て私めにお任せ下さい、魔王様!」

バット星人「どうだ宙マン! 今日の朝日はひときわ綺麗だろう――

 人生の最後にあんな美しいものを見られるなんて、この幸せ者めっ!」

宙マン「なんの、絶対に負けたりなどするものかっ!」

ファイティングポーズをとり、バット星人に身構える宙マン。

さぁ、今朝もまたスーパーバトルの幕開けだ!

両腕の鋏をバタバタと打ち振り、宙マンめがけて殴りかかってくる星人。

宙マンもまた、その猛攻撃を真っ向から迎え撃つ。

両者、パンチとチョップの激しい応酬!

早朝のほんわか町が、突如として宇宙ボクシング大会タイトルマッチの

試合会場と化したかのような熱気に包まれていく。

バット星人「えぇいっ、宙マンめ――どうだ、これでもかっ!」

宙マン「まだまだ、今度はこっちから行くぞ!」

宙マンのストレート・パンチが、バット星人の頬げたにヒット!

星人が怯んだところへ、更に水平チョップをも炸裂させる。

どうだ、宙マンの華麗なる連続殺法!

その威力には、さしもの触覚宇宙人も後退を余儀なくされる。

宙マン「これ以上痛い目に遇いたくなければ、大人しく暗黒星雲に帰るがいい!」

バット星人「お、おのれッ! こうなったら奥の手だ――

 必殺技、バット超音波をくらえっ!!

おお、これこそバット星人が新たに会得した必殺技……

腹部から放射して、相手の頭脳に激しい苦痛を与える“バット超音波”!

バット超音波の洗礼に苦悶し、頭をかきむしってよろめく宙マン。

……ついに、その体がドドーッと地面に倒れ伏してしまった。

宙マン「(苦悶)……う……うう……っ!」

バット星人「けけけけっ、元・銀河連邦の英雄とも思えんザマだな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508133333j:plain

ゾネンゲ博士「おおっ、新必殺技の威力は想像以上ですな!」

イフ「いいぞバット星人、そのまま一気にとどめを刺せッ!」

バット星人「けけけけっ、お任せを~!」

最後の一撃を加えんと、猛然と突進してくるバット星人。

だが、その瞬間……

宙マンもまた、残された気力と体力を一気に爆発させて動いた!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504002554j:plain

「なんの……

 悪の思い通りになど、いくものかッ!!

バネのように勢いよく跳ね起き、そのまま一気に大空へ舞い上がる!

その超人的なジャンプ力に、バット星人が怯んだところへ――

宙マン「エイヤぁぁぁーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

出た、電光石火の必殺キック!

その威力の前に、大ダメージを受けて吹っ飛ばされるバット星人。

 

宙マン「どりゃあーっ! 宙マン・ショット!!

出た、電光石火の必殺キック!
その威力の前に、大ダメージを受けて吹っ飛ばされるバット星人ミルトン。

宙マン「どりゃあーっ! 宙マン・ショット

気合とともに、不可視の破壊衝撃波を放つ宙マン!

バット星人の腹部に炸裂した一閃が、その戦意を徹底的に殺いだ。

バット星人「も、もう……あと一歩……だったのに……!」

やったぞ宙マン、大勝利!

イフ「ぐぬぬぬっ、おのれぇぇっ……またしても宙マンめが!

 今に見ておれ、この次こそは思い知らせてくれるわ……ッ!」

 

かくして我らが宙マンの活躍により、恐怖の暗殺者・バット星人は返り討ちにされ

千歳の平和はまたまた守り抜かれたのであった。

大地を包む朝の光が、ヒーローの勝利を讃えるかのように眩しい。

まさに宙マンは、向かうところ敵なしの強さである――

 

……ぐ う ぅ ぅ ~ っ

 

……だが、そんな彼も、空腹にはからっきし弱いのであった。

宙マン「……う~ん、こりゃいかん。急いで帰ろう!」

 

朝からホントにお疲れさま、宙マン。

帰ったら、美味しい朝ご飯が君を待ってるぞ!