遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

フキ採り騒動の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701220114j:plain

ピチピチ跳ね回って活きの良い海の幸、清冽で味わいの深い山の幸……

北海道の豊かな自然は、厳しい冬の寒さの見返りに、そこに暮らす人々へ

四季折々の様々な恵みをもたらしてくれる。

季節は6月、北海道の山々の木々も本格的に色づき生い茂り出した頃。

一面の緑色は、大地を彩る装いであるのみならず、この時期ならではの

様々な山菜が芽吹き始めたことを告げる目印でもある。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210506234804j:plain

こんち、お馴染み宙マンファミリーとそのご近所さんたち。

今年もそんな「山の幸」を求め、千歳の山に足を踏み入れたのであった。

 

さてさて、今年もまた宙マンたちのお目当ては、と言えば――

みくるん「うふふっ……当然フキですよ、フ・キ!」

ながもん「やっぱり……この季節は、これに……尽きる」

宙マン「はっはっはっはっ、むしろそれ以外はありえないよ!」

そう――

宙マンファミリーとコロポックル姉妹のお目当ては「フキ」。

北海道の山の中、いたるところに自生しているフキをたっぷりと採って帰り

春先から初夏にかけての美味を堪能しよう、というわけである。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428214024j:plain

熊澤さん「味噌汁に入れれば、それだけで良いダシが出るし……」

落合さん「油との相性も良いですから、いろんな料理が楽しめますのよね」

宙マン「そのフキの旬は、今この季節を置いて他になく……」

ビーコン「ヒヒヒ、そして自分で山から採ってくりゃタダっスもんね!」

落合さん「(ジト目)……ちょ、さもしいこと仰らないで下さい、ビーコンさん!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428213603j:plain

宙マン「はっはっはっはっ、だけどそれも……

 これから山に分け入って、フキを実際に採らないことには始まらない。

 みんな、今日は力を合わせて頑張ろうじゃないか!」

ながもん「それと、くれぐれも……安全には……気をつけて」

熊澤さん「クマとかに出くわすのは、ちょっと怖いけどねェ……」

ビーコン「だ~いじょぶじょぶっ、そんときゃウチのアニキがいるっスよ!」

宙マン「(頷き)ようし、いっちょ張り切って行ってみようか!」

うきうき弾む心と足取りで、元気にフキの自生地へ向かっていく一同。

だが、その直後に彼らを待っていたのは……驚くべき光景であった!

 

 

「……ああっ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701220302j:plain

落合さん「(目を疑い)こっ、これは……」

宙マン「一体……」

熊澤さん「(驚愕)……ど、どうなってるんだ、これ!?」

宙マンたちが一様に驚き、声をあげたのも無理はない――

彼らが今まさに向かおうとしていた一帯が、薄緑色の「光の壁」により覆われ

その障壁により、奥へ立ち入ることが不可能になっていたのだから!

 

ピグモン「はわわわ、どうなってるの……こ、これ、何なの!?」

宙マン「(注意深く確認しながら)……恐らくは、光波バリヤー」

みくるん「ほにゃ?……こうはばりやー、って何ですかぁ?」

宙マン「(頷きつつ)あらゆる光波・熱線・物理的衝撃を跳ね返す光の膜……

 宇宙じゃもっともポピュラーな防御手段のひとつだよ」

熊澤さん「で、でもね宙マンさん、私も北海道で暮らして長いけど……

 そんなもの、日常生活の中じゃ見たことも聞いたこともないねぇ」

宙マン「ええ、ですからこれは自然現象では在りません」

ビーコン「ってことはアニキ、まさか――」

落合さん「……これを人為的に作り出した誰かが居る、と言う事ですか!?」

 

 

「ヴァーはははは……その通りっ!!」

突如、高らかに響き渡る声!

その声に、ハッと振り返った宙マンたちの目の前で……

煙の中から忽然と姿を現したのは、宇宙で最も好戦的な種族として悪名高い

“銀河星人”の異名を持つミステラー星人であった!

ピグモン「あっ、あの宇宙人……ピグちゃん、前に見たことあるの!」

ビーコン「(頷き)……そうっス、前にアニキにやっつけられた奴っスよ!」

koumemylove4794.hatenablog.com

「ヴァはははっ、よく覚えてくれていたものだ!

 いかにも俺はミステラー星人、その中でも指折りのエリート戦士だ。

……以前、地球に現れた同胞とはワケが違うぞ!」

宙マン「ミステラー星人……

 さてはこの光波バリヤーは、お前の仕業だとでも言うのか!?」

ミステラー星人「ヴぁははは、そうとも、その通り!

 北海道のフキと言うフキは、こうやって我ら怪獣軍団が独占する――

 そして貴重なフキを高値で売りさばき、怪獣軍団の軍資金を確保せよとの

 怪獣魔王様の仰せ……それを果たすのが俺の使命だ!」

熊澤さん「そんな、ちょっとアンタ、そりゃ横暴ってもんだよ!」

落合さん「北海道の山菜は、みんなで仲良く分け合うものですのよ!?」

ビーコン「そうっスよ、独り占めなんでそんなのズルいっス!」

ミステラー星人「えぇい、黙れ黙れっ!

 大人しく立ち去らないなら追い出すまでだ――力づくで、な!!

おお、見よ! 驚愕せよ!

その双眸が、カメラのフラッシュのような眩い閃光を放ち……

次の瞬間、みるみるうちに巨大化するミステラー星人!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427233353j:plain

ピグモン「(怯えて)きゃ、きゃああんっ、おっきくなったの~!」

ながもん「(無表情)これは……判りやすい……力づく」

みくるん「って、感心してる場合じゃないよ、ながもん~!(涙目)」

ビーコン「どひ~っ、こんな山奥まで来てお馴染みの流れっスかぁ~!?(汗)」

落合さん「……毎度のこととは言え、辛いですわねぇ!」

宙マン「ミステラー星人よ、バカな真似はよせ!……考え直すんだ!」

ミステラー星人「ヴァおおお~んっ、黙れ黙れ! 話し合いの余地などないわ!

 いいか、お前たちの選ぶ道は二つにひとつ――

 大人しく立ち去るか、それともここで俺に踏み潰されるか、だ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「そうだ、それでいい! ミステラー星人よ、断固とした態度で臨め!

 毎度毎度ワシらに、敗北と屈辱の煮え湯ばかり飲ませおってからに……

 その上、美味しい山菜まで思いのまま奴らに味あわせてなどやるものか!」

 

ビーコン「ひぇぇ、アニキ、ここは逃げた方がよくないっスかぁ!?」

熊澤さん「でも、一旦ここであの宇宙人に味をしめられたら……」

落合さん「今度は北海道ばかりか、日本中の山菜が独占されてしまいますわ!」

みくるん「(涙目)ふぇぇん、そんなの嫌ですぅ~」

ながもん「それを、防ぐには……戦うしか、ない」

ピグモン「はわわ、お願い、宙マンだけが頼りなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426232617j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

さぁ、今日もまた正義の味方のお出ましだ!

 

宙マン「自然の恵みは、地球に暮らすみんなで仲良く分かち合うものだ。

 ……卑劣な独り占めなど許しはしないぞ、ミステラー星人!」

ミステラー星人「ヴァあああ~っ……大口を叩くな、宙マン!」

ミステラー星人「北海道のフキと言うフキは、全て我々のものだ。

 ……お前がブザマに負けたと言う知らせも一緒に、暗黒星雲へ持ち帰ったなら

 ただでさえ旨いフキ料理が、更に味わい深さを増すことだろうよ!」

宙マン「(ニヤリ)だが果たして、そう思い通りに運ぶものかな!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

ミステラー星人「どこまでも余裕ぶって、気に入らない奴だ!

 その天狗の鼻、俺様がへし折ってやる!」

宙マン「なんの、へし折られるのはお前のその吻(くちさき)の方だ!」

ミステラー星人「行くぞォォッ!!」

対決、宙マン対ミステラー星人!

広大な北海道の原野を舞台に、巨大な両者が真っ向から激突する。

時に大きく離れて間合いを取り、お互いの隙をうかがいながら……

次の瞬間には勢いよくダッシュしてぶつかり、パンチやチョップの打撃を

相手のボディへと次々に叩きつけていく両者。

拳と手刀の渡り合う肉弾戦……両者のパワーは、ほぼ互角。

だが、数え切れない実戦を経て磨き抜かれてきた技のスピードと冴えでは

やはり宙マンの方に一日の長があった。

 

宙マン「トゥアッ!」

まさしく「足刀」と呼ぶに相応しい、宙マンの鋭い回し蹴りが一閃!

腹部へ痛撃をまともに食らい、ミステラー星人の巨体がのけぞる。

 

ミステラー星人「(苦悶)ぐうぅぅ……っ!」

宙マン「どうだ、参ったかミステラー星人――これが正義の力だ!」

ミステラー星人「ヴァあああ~っ……なめるな宙マン!

 だったら今度は、俺が悪の力の真髄を見せてやる――死ねっ!!」

星人の口吻から、火を噴く“MTファイヤー”の破壊弾!

ミステラー星宇宙軍の兵士に標準装備された、恐るべき破壊兵器の威力が

次々に周囲の大爆発を巻き起こし、宙マンの巨体を大きくよろめかせる。

う、うわぁぁぁぁ……っ!!

 

おお、そして遂に――

MTファイヤー連射に伴う連続大爆発と爆風、衝撃によって大きく吹っ飛び

勢いよく地面に叩きつけられて大ダメージを負ってしまう宙マン!

 

みくるん「ああっ、宙マンさんが!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428003116j:plain

落合さん「き、気のせいでしょうか、以前よりも――」

ビーコン「(頷き)前の戦いの時よりも、威力上がってないっスか!?」

ミステラー星人「ヴァーッははは、気のせいじゃないぞ!?」

ミステラー星人「我がミステラー星は常に自らの武器を分析し、改良し……

 怠ることなく戦力増強を図っている。

 最新式MTファイヤーの威力は、52年前の初期型の比ではないぞ!」

宙マン「(苦悶)くううっ……く、くそっ……!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426121145j:plain

イフ「わはは……いいぞ、いいぞミステラー星人!

 さぁ、今こそ宙マンにとどめを刺すときが来た――

 自慢のMTファイヤーで、奴の頭を吹き飛ばしてしまえ!」

とどめとばかりのMTファイヤーを発射するミステラー星人。

だが、宙マンもさるもの――

気力とパワーを振り絞って素早く立ち上がるや、こちらも光線技を放った!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211206214232j:plain

「それっ! 宙マン・ウェッジビーム!

ミステラー星人「……ヴぁ、ヴァアアアっ!?

宙マン「よし、今だっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

ウェッジビームとMTファイヤーが、空中で激突して爆発!

その際に生じた閃光に、星人の目がくらんだ隙を突いて……

宙マンは大地を蹴ってジャンプ、そして華麗なる空中回転!

宙マン「エイヤぁぁぁーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

電光石火の必殺キックが、ミステラー星人めがけて炸裂!

その一撃に、星人の巨体がドドーッと倒れたところへ――

 

宙マン「正義の刃、受けてみろ!

 秘剣・スーパー滝落とし!!

ザシュウッ!!

スーパー剣を抜き放ち、刀身にエネルギーを集中させ……

豪快な空中回転とともに、真っ向から振り降ろされる光の刃!

宙マンの「滝落とし」が、ミステラー星人を唐竹割りに切り裂いた。

ミステラー星人「フキも採れずに、吹き飛ぶ我が身……

 無念、残念、口惜しやぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

みくるん「やったぁ、最後はやっぱり宙マンさんの勝ちですね!」

ながもん「これぞ、黄金パターン……やっぱり、気持ちいい」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

イフ「う……うがががっ、おのれおのれ、またしても!

 今夜の夕食、フキ料理フルコースを楽しみにしていたのに……

 覚えておれよ宙マン、この仕返しは必ずしてやるからな……!!」

 

……などと言う風に、怪獣魔王が地団駄踏んで悔しがるのは……

地球が平和になって、みんなの笑顔が戻った何よりの証拠。

かくして我らが宙マンの活躍によって、ミステラー星人は撃退され

原生林を覆っていた巨大な光波バリヤーも消滅したのであった。

 

熊澤さん「いや~、よかった、これで安心してフキ採りが出来るよ!

 宙マンさん、ありがとう、ほんとにありがとうっ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428230858j:plain

宙マン「いやいや、何を仰いますか熊澤さん、そんなオーバーな……。

 私はただ、北海道の住人として当然のことをしたまでですよ」

熊澤さん「いやいや~、なかなか言える台詞じゃないよ、それ!」

落合さん「ええ、そうですとも、熊澤様の仰る通りですわ!」

ピグモン「はうはう~、ここからは張り切ってみんなでフキ採りなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429165645j:plain

宙マン「うん、そうしたいのは山々なんだけど、その前に……

 ……何と言うか、その……すっかりお腹がすいちゃって……ね!」

ビーコン「おろ、さっき食べたばっかでもう飯っスか!?」

落合さん「無理もございませんわ、お腹がすくのも当然です。

 ビーコンさんと違って、お殿様は正義の大仕事を終えたばかりですもの」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210701232037j:plain

ながもん「時間も、時間だし……フキ採りの前に、ランチタイム」

みくるん「ウチのお弁当もよかったらどうぞ、宙マンさん!」

宙マン「いやぁ、ありがとう……こりゃ旨そうだ!」

熊澤さん「腹が減っては戦が出来ぬ、ってね♪」

ビーコン「いえっふ~、そうと決まれば楽しい「乱痴」タイムっスよ~!

 食いしん坊の落合さんには、オイラの白老牛をたっぷり食べさせたげるっス!」

落合さん「ちょっ、いきなりなんですの!?」

ビーコン「ヒヒヒ、よいではないか、よいではないかっス~☆

 あ、ちなみに「白老牛」ってのは、もちろん性的な意味での比喩で……」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428011630j:plain

落合さん「ねーいっ、そんな説明いりませんからっ!!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、どこまでも報われぬオイラのサービス精神っス~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

平和を願い、旬の食材を愛し……

いつもニコニコ、太陽みたいな眩しい笑顔。

さァて宙マン、次回の大活躍や……いかに?