遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

壮瞥町へのカレーなる招待

洞爺湖の南東岸、北海道胆振総合振興局壮瞥町……

ここに訪れたならば、決して素通りすることの出来ないラーメンの名店が

ピッパラの森」さん。

「ラーメン嫌いの私でも食べられるラーメンを」と言うご店主の出自と動機からし

他の追随を許さず、そこからの着実に美味しい誠実さの積み重ねによって人気を博し

今や押しも押されぬ道内ラーメンの名店のひとつにまで成長したこのお店。

そして、そんなお店におきまして、敢えて一番の売りであるきのこラーメンではなくて

こちらのカツカレーを頂いてきた今回の訪問。

 

koumemylove4794.hatenablog.com

……いえですね、以前の訪問時、お得なセットメニューを注文させてもらった際に

ラーメンと一緒に供されたハーフ・サイズのポークカレー、その味わいの深さに

思いがけず驚かされてしまったからこそ、次回「ピッパラ」さんへお邪魔する際には

こちらのカレーと改めて、真っ向から向き合いたいと心に決めていたんですよね。

黒い深淵かとも思えるほどじっくりと煮込まれ、旨味を称えたルーの美しい光沢……

その深さと奥行きも、スパイシーな辛さと凛たる品格さえ感じる馥郁たる芳香も、

全てをひっくるめて「渋い」と形容せざるを得ない一皿。

 

そこにですね、さっくりした歯応えと噛み応え、そして適度な柔らかさを併せ持った

適切な揚がり具合のトンカツが、この厚みでもって惜しげもなく載るわけですよ。

一皿が1600円、ラーメン一杯の1100円を大きく上回る価格設定でありつつも

堂々とメニューの一角を占め、それがしっかりと注文され好評を博している—―

ってことは間違いなく「旨い」、お店側の自身のあらわれなんですよね。

 

ルーの深み、カツの歯ごたえと食べ応え、辛みを爽やかに切ってくれるサラダ……

何拍子も揃った魅力的エッセンスが、混然一体となってお互いを高めあいながら

口中で豊かに広がっていく至福の体験。

 

ラーメン屋さんらしからぬ、と言う形容はもはや失礼でしょう。

まさにこの風格こそが「ピッパラの森」さんの持ち味そのものであり、堂々たる

お店の看板メニューそのものです!