遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

怪談シリーズ! 戦慄のデイウォーカーの巻

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遥かなる宇宙の彼方、暗黒星雲の奥深くから……

今日も虎視眈々と、地球を狙い続けている恐怖の怪獣軍団。

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我々の故郷・青き水の惑星――

地球を目指して今日もまた、新たなる悪の使者が暗黒星雲から飛び立った。

果たして、今度の敵はいかなる恐怖を地上にもたらすのであろうか!?

 

 

「キキキキキキ……!!」

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赤い光球が地表に激突し、飛び散る土砂の中から巨体を現したのは……

蝙蝠がそのまま巨大化したかのような、何とも不気味な宇宙魔人。

怪獣軍団の一員、カーミラ星出身の吸血宇宙星人・ドラキュラスだ!

 

みくるん「ああっ、また何か出てきたですぅ!」

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ピグモン「きゃああんっ、怪獣なの、おっかないの~!」

ドラキュラス「キキキ、我を凡百の野蛮な怪獣と一緒にされては困る――

 カーミラ星出身の、由緒正しき吸血貴族の雅な風格、とくと見よ!」

ビーコン「あー、でも結局、やることは同じなんしょ?」

ドラキュラス「……そ、それを言われると弱いのである(汗)」

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そんなやり取りの間にも、のっしのっしと突き進んでくるドラキュラス。

迫り来る巨体をじっと見つめていたながもんが……ふと、ある事に気づいた。

 

「(ボソッと)……お か し い

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宙マン「おかしいって……」

ピグモン「はう~、何がおかしいの~? ながもんちゃん」

ながもん「(頷き)怪獣図鑑の、記述によれば……

 吸血宇宙星人、ドラキュラスは……夜行性の……はず

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ビーコン「あっ!」

落合さん「(も思い当たって)そう言われてみれば……」

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ビーコン「フツー、吸血鬼って言やぁ……

 みんなが寝静まった真夜中に、こ~んな感じ……」

落合さん「(頷き)……ですわよねぇ!?」

 

そう、このセピア調の画像はあくまでイメージではあるが……

強い光を嫌う夜行性のカーミラ星人の特質上、正に「こんな感じ」で

夜の闇にまぎれ、少女の生き血を狙うのが常のはずなのだが。

 

宙マン「そんな奴が、陽の光の下でも堂々と歩き回っているって事は……

 彼は、所謂“デイウォーカー”なのかもしれんぞ」

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落合さん「デイウォーカー……

 通常の吸血鬼と違って、陽の光が平気な種族のことですわね」

ドラキュラス「ふふふ、デイウォーカーか……ある意味、我はそうかも知れぬな」

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ドラキュラス「そう、総ては最近加入したドラマ視聴サイトだ。

 我が見たいドラマに限って、無料の見放題期間が限られているから……

 寝る間も惜しんでドラマ鑑賞に勤しんでいるうち、夜に眠って昼間に起きる

 画期的ライフスタイルを獲得し、今や陽の光を恐れなくなったのだ!」

 

ビーコン「く、く……くっだらねぇ~っス!!(思わずズッコケ)」

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落合さん「単に夜更かしの度が過ぎて、昼夜逆転しただけではございませんの」

ドラキュラス「キキキキ、我の場合はむしろ“昼更かし”と言ってもらおうか!」

落合さん「(呆れ)そういう問題じゃありませんっ!!」

みくるん「ふぇぇん、しかも無意味にドヤ顔ですぅ~(涙目)」

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イフ「さぁやれ、大いに暴れろドラキュラス!

 昼間からブラブラされるより、その方がまだいくらか建設的だ――

 思い切り暴れて千歳を制圧し、ワシら怪獣軍団の前進基地を築くのだ!」

ドラキュラス「キキキキ、魔王様、全てこの我にお任せあれ!」

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進撃開始したドラキュラスの巨体を前に、慌てて逃げ出す人々。

理由がどんなに他愛なくとも、今、ここにある吸血星人の存在そのものが

千歳市民にとっての大いなる脅威なのは紛れもない事実である。

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ビーコン「どひ~っ、どんどんこっち来てるっスよ~!(汗)」

落合さん「理由はアレですのに、ちょっと状況がシャレにならなすぎですわ!」

ピグモン「(怯えて)きゃああん、怖いの~!」

宙マン「みんな、とにかく逃げるんだ!!」

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おお、早くも千歳は絶体絶命の大ピンチ!

が、この状況を前に、航空防衛隊が直ちにスクランブルをかけた。

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ビーコン「おおっ、今日も今日とて航空防衛隊っス!」

落合さん「頼みましたわよ~、どうか今度こそは!」

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「ようし……全機、一斉攻撃開始っ!

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攻撃、攻撃、また攻撃!

吸血星人へと、嵐の激しさで叩きこまれる一斉砲火だが……。

 

ドラキュラス「キキキキ……我を侮るでない!」

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「……う、うわぁぁぁぁ~っ!?」

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一機、また一機……

ドラキュラスの吐き出す火球によって、撃墜されていく戦闘機。

 

みくるん「ああっ、やられちゃったぁ!」

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ながもん「さすが、怪獣軍団……一筋縄じゃ……いかない」

ビーコン「って、感心してる場合じゃないっスよ!(汗)」

 

……などと、人々が嘆いたりボヤいたりしている間にも。

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口から断続的に、真っ赤に燃え盛る火球を吐き出すドラキュラス。

直撃を受けたものは瞬時に大爆発を起こし、街がみるみる炎に包まれていく。

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みくるん「あわあわ……どうしましょう、千歳の街が大ピンチですぅ!」

ビーコン「単なる昼夜逆転生活が、こんなことになっちまうなんて……」

落合さん「これだから、生活リズムの乱れは大問題なんですわ! もう!」

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ながもん「ここは、一発……ヒーローの……出番」

ピグモン「はわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ! 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、吸血ドラキュラスの前に舞い降りる!

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宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上! 

 吸血宇宙星人ドラキュラス、これ以上の無法は通らないぞ!」

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ズ、ズーンっ!!

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落合さん「よろしくお願い致しますわね、お殿様!」

ビーコン「こうなるともう、アニキだけが頼みの綱っス!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、しっかりなの~!」

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ドラキュラス「キキキキ……高貴な我に向かって、何たる口のきき方だ!

 この無礼者め、きっちり躾け直してやる!」

宙マン「貴族気取りもそこまでだ、お前こそ叩きのめされるがいい!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

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遂に真っ向から激突、宙マン対ドラキュラス!

落合さんたちがハラハラと見守る中、両者の死闘が凄絶な火花を散らす。

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鋭利な爪を振りかざし、宙マンを切り裂かんと迫るドラキュラス。

その切っ先をかわしながら、宙マンもまた決死の接近戦を挑んでいく。

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敵の間合いに飛びこんで、宙マンの猛然たるパンチ連打!

その勢いに押されるも、「吸血貴族」たるカーミラ星人のプライドで

あくまで踏みとどまり、なおもヒーローに迫るドラキュラスである。

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ズシン、ズシンと大地を揺るがし……

激しく土砂を飛び散らせながら、なおも激しく渡り合う両者!

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ドラキュラス「ギギギ、い、痛い痛いっ、耳を引っ張るな!(涙目)」

宙マン「いいや、まだまだ……お次は、これだっ!」

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すかさず繰り出す、宙マンの水平チョップ!

この一撃を顔面に受け、たまらずブッ倒れるドラキュラス。

 

ピグモン「はうはう~、宙マン、かっこいいの~♪」

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ビーコン「いよっしゃア、ここまで来りゃもう勝ったも同じっスよ!」

みくるん「頑張って下さい、宙マンさ~ん!」

ながもん「……ファイッ」

 

ドラキュラス「キキキキ……調子に乗るでないぞ、宙マンめが~っ!」

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怒りに燃え、口から火球を吐き出すドラキュラス。

宙マンの周囲に炸裂して、市街地の建物をも次々に吹き飛ばし……!

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ズガーン! グワーンっ!

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「う、うわぁぁぁっ……!!」

 

みくるん「ああっ……ちゅ、宙マンさんが!」

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落合さん「まずいですわ、あの武器は強力です!」

ビーコン「あれを今度まともに喰らったら、いくらアニキでも……!」

ピグモン「えう~、そんなの嫌~んなの~!(涙目)」

ながもん「(口の中で)……宙マン……!」

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宙マン「(苦悶)う……うう……っ!」

ドラキュラス「キキキキ、いよいよ最後だな宙マン!

 貴様の全身の血液、残らず我が吸い取ってミイラに変えてくれよう!」

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「なんの……負けて、なるものかッ!

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宙マンの額から迸る、起死回生のヘッドビーム!

肩口にその直撃を受け、大きくよろめくドラキュラス。

 

ドラキュラス「(怯んで)ギ、ギギギっ!?」

宙マン「(素早く立ち上がって、態勢を立て直し)よし、今だ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

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全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ドラキュラスを直撃!!

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ドラキュラス「キキィィッ……は、甚だ遺憾と、するところ……!!」

やったぞ宙マン、大勝利!

みくるん「わぁっ、やりましたよ、宙マンさんの勝ちですぅ!」

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ながもん「さすが、宙マン……吸血鬼退治も……お手の物」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

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イフ「うぐぐぐっ……おのれおのれ、またしても宙マンめ!

 覚えておれ、覚えておれ~っ!!」

 

かくして――

今回もまた宙マンの活躍によって、恐怖に満ちた吸血宇宙星人・ドラキュラスは

見事に撃退され、千歳の平和は守り抜かれたのであった。

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落合さん「お殿様、どうもお疲れ様でした!」

ビーコン「さっすがアニキ、最後はバッチリ決めてくれたっスね!」

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宙マン「いやぁ、みんなが応援してくれたおかげだよ。

 それにしても、こんな陽の高いうちから吸血鬼騒ぎとはねぇ」

ピグモン「はわわ、吸血鬼だなんて、ピグちゃんおっかないの~(震え)」

ながもん「ある意味……今の、季節に……ピッタリ」

みくるん「(苦笑)……怪談好きだもんねぇ、ながもん」

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ビーコン「いやいや~、怪談なんかより、もっと夏らしいもんがあるっスよ」

落合さん「(ジト目)……コミックマーケット、とか言い出さないで下さいましね?」

ビーコン「ヒヒヒ、そんなもん……

 オイラとの“二人の夏物語”に決まってるじゃないっスか~!!

 さぁ落合さん、何もかも脱ぎ捨ててオイラの胸に飛び込んで……」

 げ し っ !

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落合さん「ねーいっ、およしになって下さいな!

 私にはそっちの方が、よっぽど身の毛もよだつ恐怖体験ですっ!!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、落合さんの怒りの形相は大魔神顔負けっスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

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今日も本当にありがとう、宙マン!

だが未だ、怪獣軍団の野望は尽きない……

さて、次回はどんな冒険が待っているのかな?