遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

ああ! わが闘志は紅蓮なりき

誕生から半世紀の時を経てもなお、リアルタイム直撃世代の胸に強烈な印象を残し

また作品そのものの有するパワーと楽しさが、新たな世代のファンをも生んでいる

本邦「ロボットもの」の金字塔、永井豪とダイナミックプロ原作による作品群。

そんなダイナミックプロ作品の50周年記念書籍のひとつとして続々と刊行され、

たっぷりと盛り込まれた情報量の充実度とも相まって多くのファンの好評を博している

双葉社「激闘録」シリーズ最新刊、『UFOロボ グレンダイザー 円盤獣/ベガ獣激闘録』。

リリース自体は3月の半ばだったものの、個人的スケジュールの都合で色々ありまして

今頃になってようやくの購入です、たはは(赤面)。

現在にまで至る「巨大ロボットもの」の文法そのものをゼロから確立して見せてくれた

偉大なエポックメイキング『マジンガーZ』『グレートマジンガー』、そこから更に進んで

より深いドラマ面での掘り下げを試み、見事に成功した『ゲッターロボ』『ゲッターロボG』……

そんな二つの潮流が合流し、それぞれに培ってきた長所や経験値のエッセンスを活かしつつ

単なる1話完結の活劇にとどまらない大河ドラマ的ロマンあふれる長編シリーズとして

更なる進化と深化を遂げ、より見ごたえのある番組となった『グレン』であるからこそ

『マジンガー』と『ゲッター』の既刊を重ねたこのタイミングにおいて発行されるのは

シリーズの本質をより分かり易く俯瞰し、把握するうえでやはり圧倒的な大正解。

そんな風に登場人物個々のドラマによりウェイトが置かれるようになったその一方において

毎回登場する円盤獣やベガ獣の存在はどうしてもエンターテイメントとしての活劇パートに

押し込められ、物語の主体たるタイミングを確実に失っていった点も否めないのですが……

それでも、なかなかどうして。

そんなゲスト敵メカとグレンダイザーとの毎回の対決と攻防、その勝敗に絞り込んだ上で

改めてのスポットを当て、一冊の本として纏めることで、『グレン』登場の円盤獣たちもまた

こんなにも個性的で素敵な奴らだったのか、と、市井の一怪獣・ロボットファンとしては

感動を新たにできること必至。

と、その一方で。

円盤獣やベガ獣そのものの機能や暴れっぷりにも増して、それらを操縦・指揮する

各コマンダーや新鋭隊員たちのキャラクター増や、その個性がもたらすドラマ面の膨らみも

また『グレン』の本編を語る上では欠かせぬエッセンスであり、それらを取りこぼさないように

しっかりこまめにフォローした結果、誌面一ページにおける情報量の詰め込みっぷりは

もうエラいことになっていて、現在ちょっと目を悪くしている(近々手術の予定でもある)

現時点の僕としましては、結構辛いものもあるんですが(苦笑)、その上でなお

誌面に釘付けにならざるを得ない内容の濃密さは圧巻の一語。

 

「円盤携帯から戦闘ロボに変形する」と言う新趣向が盛り込まれた円盤獣たちの

円盤形態や変形プロセスを一体づつ律儀にフォローしてくれるのは勿論ですし

第45話登場の「ベガ星アリ」や、第58話においてベガ獣・べにベニが化けた

「にせグレンダイザー」だけでまるまる1ページを費やす無茶編集のスピリットも

変わらず健在で、身震いするほど嬉しくなっちゃいます(笑)。

『マジンガーZ』から始まって足掛け6年……

東映動画とダイナミックプロの強力タッグによるフジテレビ系の巨大ロボットアニメが

以降の本邦TVアニメーションの世界に残した巨大な足跡と大いなる財産の数々とを

容易に、そして的確に俯瞰・把握できる「激闘録」シリーズは、ノスタルジーにとどまらず

娯楽作品としてのロボットアニメと言うジャンルの「今」、そして「未来」を見据える上でも

かけがえのない貴重な資料となってくれることは疑う余地もありません。

 

シリーズの編集に携わった全ての方々に、改めてのお礼とともに心からの最敬礼を。

素晴らしい本をありがとうございました!