遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

ヌルッと出てきた怪獣は……の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120023735j:plain

一面の白い雪、連日のマイナス気温――

どこからどう見ても、文句なしに冬真っ盛りなここ・北海道。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120024342j:plain

厳しい寒さの中にあっても、そこに暮らす人々の心がホットなのは

冬には冬ならではの「楽しいこと」が、あれこれ一杯あるからこそ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120024413j:plain

こんち、お馴染み宙マンファミリー。

今日は千歳市のお隣、苫小牧市へ遊びに来ているぞ。

 

 

ビーコン「やー、なんかハラ減ってきたっスねぇ!」

落合さん「ちょっと、ビーコンさんったら……

 開幕早々の第一声が、いきなりそれですの?(呆)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120024525j:plain

ビーコン「おろ、飯の話題、よくなかったっスか?

 ヒヒヒ、落合さん的にはやっぱ、スパイシーでウィットの効いた

 オイラの下ネタからのスタートの方が……」

落合さん「だーっ、著しい誤解ですっ!(赤面)」

宙マン「はっはっはっ……まぁまぁ、二人とも♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120024648j:plain

宙マン「しかし、まぁ、なんだね。

 ラーメンにお寿司にホッキカレー、その他もろもろ和洋中……

 なまじ旨いものが多いと、何にしようか迷うよねぇ」

落合さん「えぇ、本当に……」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃん、あれもこれも大好きなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120024804j:plain

ビーコン「って言うか、やっぱ……

 苫小牧に来たからには、やっぱサカナ系、いきたいっスよね。

 海の物は海の物、っス!」

落合さん「あら。ビーコンさんには珍しく、まともなご提案ですこと!」

ビーコン「ちょ、“珍しく”は余計っスよぉ!?」

宙マン「う~ん、そうなると……何がいいかな?」

 

と、思案しつつ苫小牧の街を往く宙マンファミリー。

だが、その時である!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120025220j:plain

ぎゃあ! ぎゃあ!

さながら飢えた嬰児のように、けたたましい啼き声をあげて……

港に集まっていたカモメたちが、一斉に空高く飛び立つ。

 

そして次の瞬間、海からその巨大な姿を現わしたのは!?

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120025303j:plain

「グー、ギィィーッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120025330j:plain

激しい波しぶきとともに、海底からその巨体を現したのは……

タコ足と吸盤が丸まったような、何とも不可思議なシルエット。

 

ピグモン「あっ、あの怪獣、ピグちゃん知ってるの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

落合さん「えぇ、私も以前に何度か見覚えがございますわ――」

宙マン「(頷き)……オイル怪獣、タッコング

ビーコン「“タコに良く似た”って、どっかの歌詞のわりにゃ……

 正直、それほど似てないっスよねぇ!?(汗)」

落合さん「ビーコンさん、それはこのさい置いといて!(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120025657j:plain

波飛沫をあげ、海を突き進み……

宙マンたちの見守る中、怪獣タッコングは遂に苫小牧上陸を果たした。

 

タッコング「グー、ギィィーっ……見たか、知ったか、この雄姿。

 そうとも、俺がタッコング様だぁ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120025850j:plain

タッコング「太平洋でタンカー船を襲い、たらふくオイルを呑んで……

 こちとら元気モリモリ、やる気マンマンってわけさ。

 さぁて、いっちょド派手に暴れさせてもらうぜ~!」

落合さん「あらまぁ……何てことでしょう!」

ビーコン「ク~ッ、こちとら昼飯まだだってのに!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210905200631j:plain

バルタン星人Jr「フォッッフォッフォッ……

 いかがです魔王様、タッコング君のあの張り切りよう!」

イフ「うむ、元気の良い怪獣の姿は実に気持ちがよいな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210905200941j:plain

バルタン星人Jr「近年は、久々のテレビ出演も果たし……

 タッコングのやる気も俄然、増しております。

 そのノリと勢いを、地球侵略に活かさない手はございません!」

イフ「うむ、その通りだ――

 流石は幹部候補生だ、実によいところに目を付けたではないか。

 さぁタッコングよ、大いに暴れて苫小牧をメチャクチャにしろ!」

タッコング「グー、ギィィーっ! お任せ下さい、魔王様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030648j:plain

怪獣魔王の命を受け、進撃開始するタッコング

迫り来る巨体を前に、右往左往しつつ逃げ惑う人々。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030709j:plain

ビーコン「どひ~っ、毎度毎度の展開とは言え……」

落合さん「こればかりは慣れませんし、慣れたくないものですわねぇ!」

ピグモン「はわわ、ボヤいてる場合じゃないの~!(汗)」

 

おお……危うし苫小牧、危うし北海道!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030816j:plain

だが、こんな緊急事態を、航空防衛隊は放置などしない。

直ちに空の精鋭たちが、最新鋭の戦闘機でスクランブル!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030838j:plain

ビーコン「おっしゃ、いいところで来てくれたっスよ!」

落合さん「ああ、果たして今回は……大丈夫でしょうか!?」

ピグモン「防衛隊のおじさんたち、がんばってなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030925j:plain

「ようし……全機、一斉攻撃開始だっ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120030949j:plain

高火力のロケット弾が、矢継ぎ早やに叩きこまれる――

だが、戦闘機隊の奮戦にも、全く動じる様子を見せない怪獣。

 

タッコング「グー、ギィィーっ、こそばゆいってんだよ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120031025j:plain

「ど、どわあぁぁ~っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120031050j:plain

タッコングの口から吐きされれる、灼熱の炎!

その威力の前に、戦闘機隊は次から次に撃破されていく。

 

ピグモン「ああっ、やられちゃったの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504104655j:plain

ビーコン「う~ん、“やっぱり”ってフレーズは……」

落合さん「(頷き)言わないのが賢明ですわよ、ビーコンさん」

 

……などと、人々が嘆いたりボヤいたりしている間にも。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120031309j:plain

爆発! 炎上!

タッコングの威力により、みるみる炎に包まれていく苫小牧の街。

その中に立ち、得意満面なオイル怪獣のなんと憎らしいことよ。

 

ピグモン「はわわ、大変なことになっちゃってるの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120031445j:plain

ビーコン「このままじゃ、マジで苫小牧もおしまいっス!(汗)」

落合さん「お殿様、今回もまた……お願いできますかしら!?」

宙マン「ああ、どうやら出番のようだね! 宙マン・ファイト・ゴー!!」 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、タッコングの前へ舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

  これ以上の傍若無人な振舞いは、私が許さんぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504104655j:plain

落合さん「よろしくお願いしますわね、お殿様!」

ビーコン「こうなっちまうともう、アニキだけが頼みの綱っス!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、しっかりなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032034j:plain

タッコング「グー、ギィィーっ……

 今、一番ノリにノってる怪獣がこのタッコング様だ。

 この勢い、もう誰にも止められないぜェ!?」

宙マン「どうやら、痛い目に合わなきゃ分からないようだな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまたまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032200j:plain

激突、宙マン対タッコング

人々に見守られ、ふたつの巨体が真っ向から激突する。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032231j:plain

猛然たる突進戦法で襲いくるタッコングへ、果敢に挑む宙マン。

この凶暴さの前には、小手先のテクニックなど役に立たない……

真正面からの、パワーファイトあるのみ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032257j:plain

本能の赴くまま、押しに押しまくるタッコング

その勢いに、さしもの宙マンもズズッと後退を余儀なくされる。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032334j:plain

タッコング「グー、ギィィーっ! どうだどうだ、参ったかぁ!?」

宙マン「おおっと、調子づくのはまだ早いぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032505j:plain

宙マン、ストレートキックで反撃!

その痛烈な一撃に、タッコングの巨体もぐらりとよろめいた。

 

ズガーン! グワーンっ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032852j:plain

爆発! また爆発!

両者の対決を煽るかのように、勢いよく噴きあがる炎。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120032947j:plain

首締めと顎裂き攻撃で、怪獣にダメージを与えようとするが……

そうはさせじと、タッコングの口から吐き出された目潰しオイルが

彼の顔面へと勢いよく浴びせかけられた!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033013j:plain

宙マン「うぷっ!?」

不意のオイル攻撃に視界を奪われてよろめき、ドドーッと倒れるヒーロー。

 

ピグモン「ああっ、宙マンがあぶないの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429162343j:plain

ビーコン「どひ~っ、なんて嬉しくない顔面シャワーっスかねぇ!?」

落合さん「(呆)またビーコンさんは、そんな下品な例えを……」

ピグモン「はわわ、宙マン、がんばってなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033312j:plain

見守る落合さんたちの目の前で、更に火炎を吐くタッコング

宙マンの周囲に凄まじい爆発が生じ、炎が上がる。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033351j:plain

……と、それだけならば対怪獣戦の日常茶飯事と言えなくもないが

こと今回は、それだけでは収まらなかったのだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033441j:plain

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

 

何と、先ほど浴びせかけられた目潰しオイルに引火する形で……

炎が宙マンの全身に燃え移ったではないか!?

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210905200941j:plain

イフ「おおっ! やったやった、素晴らしいぞタッコング!」

バルタン星人Jr「フォッッフォッフォッ……

 そうでなければ、僕が彼を見出した甲斐もないと言うもので。

 もはやこれで、宙マンの命運も尽きたようなものです!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033805j:plain

タッコング「グギグギィーッ、見たか、この俺の勝ちだぜ!」

宙マン「なんの……甘く見るなよ、タッコング!」

タッコング「――何ッ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120033920j:plain

「ぬうぅぅぅ……トゥアーッ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120034000j:plain

宙マン、残された気力を振り絞ってパワー全開!

気合一閃、全身にまとわりつく灼熱の炎を吹っ飛ばしてしまう。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120034043j:plain

タッコング「(狼狽)ま、まさかっ!?」

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120034216j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、タッコングを直撃!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120034239j:plain

タッコング「あぁ~、結局こうなっちゃうのねぇぇ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120034403j:plain

ビーコン「いえっふ~! やっぱアニキはこうじゃなきゃっス!」

落合さん「お見事ですわ、やはりお殿様です!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「ぐぐぐぐ、おのれおのれぇぇ……

 またも、またしても宙マンめが!

 このままにしてはおかんぞ、今に見ておれ!」

 

……などと言う、いつもの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211207180028j:plain

かくして宙マンの活躍により、凶暴なオイル怪獣タッコングは倒され

苫小牧の街には、再び元のおだやかな平和が蘇ったのであった。

 

ピグモン「はうはう~、宙マン、お疲れ様なの~」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429165645j:plain

ビーコン「疲れたのもそうっスけど、ハラ減ったっしょ!?」

落合さん「急いで、どこかでご飯に致しましょう!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120040017j:plain

宙マン「うん、それそれ、それなんだけどね。

 定番のラーメンに寿司、焼肉も勿論魅力的なんだけど……

 今日はひとつ、天ぷら蕎麦なんてどうかな!?」

ピグモン「はうはう~、ピグちゃんも大好物なの~☆」

落合さん「私も全く異論はございませんわ、お殿様」

宙マン「おぉ、よかったよかった、それじゃ決まりだね!

 あぁ、想像しただけでヨダレが出そうだよ。

 熟練の技でからりと揚がった、ふっくらした衣……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120040242j:plain

ビーコン「ヒヒヒ、そしてそして……

 そんな衣を脱ぎ捨てて、露わになった海老の旨さがまた!

 そう、それはまるで、ベッドの上での落合さんのように……」

落合さん「……っ!(ぷちっ)」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120040412j:plain

落合さん「ねーい、何て言うロクでもない例え方をっ!!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、上手いこと言えたと思ったのにぃぃ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120040512j:plain

北海道の平和を守った、正義のヒーローへのささやかな勲章。

美味しい天ぷら蕎麦を、大いに堪能した宙マンであった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211120040606j:plain

しぶとい寒さも、大怪獣もなんのその。

我らが宙マン、次回も大活躍だよ~っと!