北海道千歳市・ほんわか町5丁目……
毎度おなじみ「宙マンハウス」から、今日も物語は始まる。
「お~い、落合さん、落合さ~ん!」
やって来たのはお馴染みの顔、電波怪獣ビーコン。
さぁて、今回は……どんな話になるのかな?
落合さん「あら、どうしました? ビーコンさん」
ビーコン「いや~、落合さん、今日も一段と冷えるっスねぇ」
落合さん「まぁ、それは……この季節ですものねぇ」
ビーコン「だからこそね、オイラ……
風邪ひかないように、あったくするのがいいと思うんスよ」
落合さん「えぇ、賢明な御判断ですわ」
ビーコン「いえっふ~、お互いの意見がめでたく一致っスね!
そんじゃ、身も心も温まるようにレッツ・同衾っスよ~☆」
げ し っ !
ビーコン「ハンニャラ、ヒ~っ……」
落合さん「ねーい、のっけから何という世迷言ですかっ!(赤面)」
ビーコン「いやいや~、ここ数年の不景気と財政緊縮の折……
暖房費だってタダじゃねーし、切り詰めてかかんないとっスよ~。
その点、オイラと落合さんが抱き合えばタダっスよ、タ・ダ!」
落合さん「よして下さいな、お金を積まれてもお断りですわ!」
ビーコン「ヒヒヒ、オイラと落合さんの仲じゃないっスか♪」
落合さん「よして下さい、人聞きの悪いっ!」
と、まぁ、「いつも通り」の極楽コンビなわけである。
だが――その時!
ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!
ビーコン「(狼狽)お、おろろろろろっ!?」
落合さん「あらまぁ、何でしょう、この揺れ方!?」
大地を割り、次々と出現する大怪獣……
良くも悪くも、それがここ・北海道千歳市の「日常」となって既に久しい。
「何だかイヤな予感」は、不幸にも的中し……
今日もまた大怪獣が、地鳴りとともに巨大な姿を現した!
「グォボボボぉぉ~ンっ!!」
落合さん「あらまぁ、やっぱり大怪獣!」
ビーコン「う~ん……
慣れつつあるオイラたちも、どうかと思うっスけどねぇ!?(汗)」
グルジオボーン「グォボボボ~、つーかよぉ……
放っといたら、ただ延々と実のない二人のヨタ話だけで
一話ぶん終わっちまいそうだったんで、な!」
落合さん「う~ん、何て的確な状況分析でしょう!」
ビーコン「感心するとこ、ソコじゃないっしょ!?(汗)」
グルジオボーン「と言うわけで、ここからは俺のターン……
思いっきりド派手に暴れての、ブッ壊しシーンに突入だぜェ。
でねぇと、読者さんも納得しねぇだろうからな~!?(ニヤニヤ)」
ビーコン「どひ~っ、何て嫌なユーザーフレンドリーっスか!?(汗)」
イフ「御託はもうよい、思い切り暴れろグルジオボーン!
お前の力がいかほどか、このワシにしかと見せてみよ!」
グルジオボーン「グォボボボ~、お任せ下さい、魔王様!」
怪獣魔王の命を受け、猛然と進撃開始するグルジオボーン!
迫り来る巨体を前に、人々は逃げ惑うより他に術がない。
落合さん「あぁもう、この寒い中を全力疾走だなんて!」
ビーコン「全くもう、色々たまんないっスよねぇ!(汗)」
怪獣グルジオボーンの出現により、千歳はまたまた大騒ぎ!
だが、こんな緊急事態を、航空防衛隊は放置などしない。
直ちに空の精鋭が、怪獣攻撃用の戦闘機でスクランブル!
落合さん「ああっ、毎度ながらいいところで来て下さいました!」
ビーコン「頼んだっスよ~、防衛隊!」
「ようし……全機、怪獣への一斉攻撃開始っ!」
激しいアタックをかける戦闘機隊!
持てる火力の全てが、怒濤のごとく火炎骨獣へ叩きこまれる。
……が、全くびくともしないグルジオボーン!
グルジオボーン「グォボボボ~、懲りねぇ奴らだぜ、無駄だっての!」
「……ど、どわぁぁぁ~っ!?」
グルジオボーンの口から吐き出される、百万度もの高熱火炎……
恐るべき威力の“ボーンブレスター”!
その洗礼を受け、一機、また一機と撃ち落されていく戦闘機。
ビーコン「どひ~、やられちまったっス!」
落合さん「う~ん、これは怪獣様がお強すぎるからなのか……」
ビーコン「もしくは、防衛隊が弱(すぎ)……」
グルジオボーン「(ニヤリ)グォボボボ、呑気に感想述べてる場合かよォ!?」
勢いに乗り、ボーンブレスターを吐き散らす火炎骨獣。
その威力で、平和な街がみるみる炎の渦巻く地獄絵図に!
グルジオボーン「グォボボボ~、どんなもんだ~いっ!」
ビーコン「どひ~っ、アイツ、すっかり得意になってやがるっス!」
ああ、千歳市、絶体絶命の大ピンチ――
ピグモン「はうはう~、ただいまなの~」
宙マン「何だか騒がしいねぇ、一体どうしたって言うんだい?」
落合さん「ああっ、お殿様、よいところへお帰りに!
実はですね、かくかくしかじかで……(超速説明)」
宙マン「(超速納得)ようし、分かった!
さぁ行くぞ! 宙マン・ファイト・ゴー!!」
閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。
さぁ、今日もまた正義の味方のお出ましだ!
ビーコン「いよっ! 出たっス、アニキの十八番!」
落合さん「今日もまたまた、お見事に決まりましたわねぇ!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」
グルジオボーン「グォボボボ~、出たな、宙マン!
この何でもない冬の日が、お前の命日になるんだぜよ!」
宙マン「おおっと、悪いがその提案には乗れないねぇ!」
ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――
さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!
宙マン「さぁ来いっ、怪獣め!」
グルジオボーン「グォボボボ~ン、思い知らせてやるぜ、宙マン!」
真っ向激突、宙マン対グルジオボーン。
落合さんたちが見守る中、巨大戦は一気にヒートアップ!
秘められたパワーを全開に、接近戦を挑んでくるグルジオボーン。
単純な力比べだけでは、流石の宙マンも苦戦は免れない――
が、だからと言って、そこで怯むようなヒーローではない。
敵の猛攻を冷静に見切り、軽快なステップでかわしながら……
宙マンもまた、怯むことなく接近戦を挑んでいく。
そして鋭い正面蹴りが、火炎骨獣の腹部へと炸裂した!
グルジオボーン「(思わず咳こみ)ぐ、ぐふぅぅっ……」
宙マン「どうだ、グルジオボーン!
正義の宙マン・パワーの威力、文字通り「骨身」に沁みたかな!?」
グルジオボーン「……グォボボボ、調子に乗るな~ッ!!」
ズ、ズーンっ!
宙マン「う、うおぉぉぉぉっ!?」
炸裂、グルジオボーンのメガトン頭突き!
その直撃に大きく吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられる宙マン。
ピグモン「ああんっ……ちゅ、宙マン!?」
ビーコン「シャクだけど……結構効いてるっスよ、今の攻撃!」
落合さん「あら嫌だ……
ちょっと張り切り過ぎじゃございませんこと、あの怪獣さん!?」
スライ「んー、ふふふ……えぇ、そうですとも、その通りっ!」
イフ「その調子で攻めまくるのだ、頑張れグルジオボーン!
宙マンを倒し、千歳の街を制圧したその暁には……
特別賞与は勿論、大幹部にもとりたててやろうぞ!?」
宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」
グルジオボーン「どぉれ、宙マン、黒焦げになってもらうかぁ……!?」
「いいや、まだまだ……負けて、たまるかっ!!」
恐怖のボーンブレスター、一閃!
だが宙マンは、その火炎をひらりとジャンプでかわして大空へ!
グルジオボーン「(目をパチクリ)う、うおおっ!?」
宙マン「行くぞ、怪獣!」
宙マン「受けてみろ!
宙マン・ヘッドビーム!!」
宙マンの闘志そのもののような、真っ赤に輝く破壊光線……
ヘッドビームの一閃が、グルジオボーンを直撃!!
グルジオボーン「ぐ、がぁぁぁっ……これはタマラ~ンっ!」
ヘッドビームの一閃で、見事にグルジオボーンを降した宙マン。
華麗なる空中回転とともに、その巨体が着地を決めた。
ズ、ズーンっ!!
やったぞ宙マン、大勝利!
ビーコン「っしゃあ!!」
ピグモン「さっすが宙マンなの、やっぱり頼りになるの~♪」
落合さん「お見事でしたわ、お殿様!」
イフ「ぐぬぬぬ……おのれ、おのれ宙マンめが!
またしても、ワシら怪獣軍団の行く手を阻みおって。
にっくき奴め、次こそは思い知らせてくれるわ……!」
……などと言う、毎度の負け惜しみはさて置いて。
かくして今日も、我らが宙マンの活躍により……
火炎骨獣グルジオボーンは撃退され、千歳の平和は守られたのであった。
ピグモン「はうはう~、宙マン、おつかれさまなの~」
宙マン「いやぁ、みんな――お待たせ、お待たせ!」
落合さん「流石はお殿様、魂が熱くなってくるファイトっぷりでしたわ」
ビーコン「でも、その反動で……
怪獣退治が終わってみると、余計寒さが身に沁みないっスか?」
落合さん「ええ、そう言われてみれば確かに……」
ビーコン「いえっふ~、お互いの意見がめでたく一致っスね!
そんじゃ、身も心も温まるようにレッツ・同衾っスよ~☆」
げ し っ !
落合さん「ねーいっ! しつこいですわよ、このエロ怪獣っ!(怒)」
ビーコン「どひ~っ、すげぇ自然な流れだったのにぃぃ~っ」
宙マン「はっはっはっはっ」
北海道の空の玄関、千歳市に……
今日も輝く、正義の星ひとつ。
次回も頼むぞ、我らが宙マン!