“全てがギリギリの線なのですよ、
これ以上、香りが強かったら下品になる、
これ以上、脂が強かったら下卑た味になる!”
「幻の魚」より、料亭「初山」店主の台詞)
2009年放映『侍戦隊シンケンジャー』に登場した、六人目の戦士……
活きのよさと人情味の熱さ、天才的なひらめきを併せ持つ寿司屋・梅盛源太こと
“シンケンゴールド”のテーマとして用意され、初登場回「第十七幕 寿司侍」での
“剣は邪道だが、強さは本物”なゴールドの活躍を颯爽と彩った本挿入歌。
明確な「和風テイスト」という意図により、大胆にフィーチャーされた和楽器や
本編中におけるシンケンゴールドの生き様とキャラクター性を真っ向から謳った
直球勝負の熱い歌詞、そして本来のご自身の声質とは異なる低いトーンに
苦戦しながらも、しっかり熱く歌いきってくれたYOFFY氏のパワフルな歌唱……
曲を構成する全てのパートのうち、ひとつでもオーバースタンス気味に突出したり
あるいは萎縮したりして、各パート間のバランスの取りかたを間違えていたならば、
「寿司職人+侍モチーフの変身ヒーロー」というモチーフ選定に足を引っ張られて
単なる色物ソングに堕しかねない恐れもあったこの強烈な新キャラ用の挿入歌を、
ギリギリの絶妙なラインとバランス感覚によって、文句なしに「カッコイイ歌」として
みごとに昇華させてしまった――これはまさに、奇跡の一曲です。
職人(プロ)の仕事ってステキですね。