遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

開いてびっくり? 玉手箱の巻

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8月、北海道千歳市――

地方都市の穏やかなひとときが、今、唐突に破られようとしていた。

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラッ!

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突如として、千歳の市街地を襲った局地地震
ビルを崩し、大地を裂い、地底の奥底から姿を現したものとは!?

 

 

 

 

が、ひとまずそれはそれとして――

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こちらは毎度お馴染み、千歳市ほんわか町5丁目の「宙マンハウス」。

ちょうど今、みくるん・ながもんのコロポックル姉妹が、街に起こった異変を

宙マンに知らせるべく駆けこんできたところであった。

「ふぇぇん……宙マンさん、宙マンさ~んっ!」

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みくるん「た、大変ですぅ。

  今、街の真ん中に……何ていうか、その……へ、変なものが出たんですぅ!」

宙マン「変なもの、だって?」

ビーコン「う~ん、なんかえらく漠然とした報告っスねぇ」

みくるん「ご、ごめんなさい。でも……」

ながもん「(頷き)アレは……そうとしか……言いよう、ない」

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落合さん「みくるん様たちが、こんな事で私たちをかつぐとも思えませんし……」

ピグモン「はうはう、ピグちゃんも凄く気になってきたの~」

宙マン「とにかく現地へ行って実際に見てみよう、話しはそれからだ。

 みくるんちゃん、ながもんちゃん、案内頼む!」

みくるん「は、はいっ!」


……と、言うわけで。

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みくるん・ながもん姉妹の案内で、問題の現地まで駆けつけた宙マンファミリー。

で、そこで彼らを待ち受けていたものは……。

宙マン「……ふむ。

 これは確かに……二人の言うとおり、「変なもの」だなぁ」

ピグモン「右から見ても、左から見ても……」

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ビーコン「どっからどう見ても、文句なしに「変なもの」っスねぇ」

落合さん「えぇ、確かに……それ以外に、形容しようがございませんわ」

みくるん「……ねっ、ねっ、ですよねぇ!?」

ながもん「百聞は……一見に、しかず」

ビーコン「いやいや確かに、ながもんちゃんの言うとおりっスよ。

 ……にしても、これ……一体、なんなんスかねぇ?」

落合さん「見た目からしても、大きさからしても……

 この地球上のものではない、それだけは確かなようですわね」

ピグモン「ってことは、結局コレなんなの~?」

落合さん「太古の昔に地球へ漂着した宇宙船か、或いはタイムカプセルか……」

宙マン「(思案顔)……いや、あるいは、もっと危ない代物かもしれないぞ」

みくるん「あ、危ないもの!?」

ビーコン「無修正のエロ同人誌ナマ原稿とか、そんな感じっスか!?」

落合さん「そっちの“危ない”じゃありませんっ!(赤面)」

宙マン「(頷き)そう、例えば爆弾と言う可能性も捨てきれないわけだよ。

 千歳どころか北海道まで消し去りかねないような威力の……」

ビーコン「げげっ、マジっスか!?(汗)」

ピグモン「えう~、そんなの嫌なの、ピグちゃんこわいの~(涙目)」

宙マン「はっはっはっ、いやいや、あくまで仮定の話さ。

 現時点じゃそう言う可能性もないとは言えない、ってだけの話で――」

 

……などと、話していたその時である!

それまで沈黙を守っていた「変なもの」が、突然激しく振動を始めたではないか。

 

みくるん「ああっ、なんか動いてますぅ!」

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ながもん「まさか、ほんとに……」

ピグモン「ば、爆弾だった……の……!?(汗)」

ビーコン「(頭を抱えて)ひぇぇ、もうダメっス、おしまいっス~!」

 

宙マンたちが固唾を呑んで見守る中、どんどん激しさを増す不気味な振動。

そして「変なもの」の表面が、上下左右へぱっくりと割れて……!


「ヴゥオアァァ~っ!!」

 

千歳市内に姿を見せた「変なもの」の正体……

それは怪獣軍団の一員・マキーナが、全身の甲羅を丸めた休眠形態であった。

怪獣魔王の命を受け、かねてより千歳の地下に潜伏を続けていたマキーナは

この姿でエネルギーを蓄え続け、満を持して地上にその姿を現したのである。

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、ありがとうナレーター君、説明ありがとう!

 震えおののけ地球人、これから俺が千歳をメチャクチャに……」

 

みくるん「あぁ、よかったぁ、爆弾じゃなかったんですね!

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ビーコン「アニキが爆弾とか言い出すから、マジでヒヤッとしたっスけど……」

ながもん「爆弾じゃなくて……怪獣、だった」

ピグモン「はうはう~、それならピグちゃんも一安心なの~♪」

「……ぜ、ぜんぜん怖がられてない~!?(汗)」

落合さん「事の真相がはっきりして、めでたしめでたしですわね、お殿様」

宙マン「(頷き)と言うわけで、今日のお話はこの辺でお開き、ということで。

 それでは皆さん、また次回のお話でお目にかかりましょう!」

落合さん「まだまだ残暑の厳しい折り、体調管理にはくれぐれもご注意を♪」

と言うわけで、本話はこれにてクロージング。

今回の『宙マン』……皆様、喜んでいただけましたでしょうか?

 

 

……よ、喜べてたまるか、このアホンダラ~っ!!

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、張り切って出てきたのにこの仕打ち……

 どいつもこいつもナメやがって、俺をコケにしやがって!

 俺はキレたね、ガチギレだ! えぇ、怒りが燃えまくってますとも!」

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イフ「ようし……その意気だマキーナよ、もっともっと怒りを燃やせ!

 その憤りを力に変えて、千歳の街を徹底的に破壊するのだ!」

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、やってやるですよ、魔王様~っ!」

怪獣魔王の命を受け、進撃開始するマキーナ!

迫り来るその巨体を前に、悲鳴をあげて逃げ惑う千歳の人々。

 

みくるん「ああっ、こっち来たですぅ!」

ビーコン「どひ~っ、爆弾じゃないのは確かによかったっスけど……」

ながもん「こっちは、こっちで……超、キケン」

宙マン「みんな、逃げるんだ――早く安全なところへ!」

マキーナの両目から、おもむろに迸る破壊閃光!

その一閃を受けたビルが、たちまちのうちに原型も残さず爆発四散する。

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みくるん「(涙目)ああんっ、どうしましょう、このままじゃ街が!」

落合さん「ほんとにもう……

 このジットリ湿っぽい季節でも、暴れる元気だけはおありなんですのねぇ!」

ビーコン「ボヤいてる場合じゃないッスよ、マジで千歳の大ピンチっス!」

ながもん「ここは、一発……ヒーローの、出番」

ピグモン「はわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「(頷き)ああ、任せておけ! 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、荒れ狂う大怪獣マキーナの前へ舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 平和を乱す凶悪怪獣、天に代わってこの私が打ち砕いてやる!」

ズ、ズーンっ!!

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ながもん「おおっ……いつもながら……凛々しい、姿」

みくるん「こうなったらもう、宙マンさんだけが頼りですぅ」

ビーコン「いえっふ~、アニキ、頼んだっスよ~!」

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、宙マン、このマキーナ様が捻り潰してやるぜ!」

宙マン「いいや、叩きのめされるのは貴様の方だ!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

ついに激突、宙マン対マキーナ!

落合さんたちが見守る中、巨人と巨獣が壮絶な戦いの火花を散らす。

土砂を巻き上げ、大地を揺るがし……

それぞれの体に秘められたパワー全開で、凄まじい格闘戦を展開する両者。

地中で蓄え続けたパワーを一気に爆発させ、猛然と攻めまくるマキーナ。

それらの攻撃を受け止め、受け流し……

宙マンもまた、怯むことなく果敢にマキーナへと攻撃を仕掛けていく。

宙マン「えいっ、それっ、どうだ――これでもか!」

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、なんのなんの、それしきで参るマキーナ様かよ!

 宙マン、こいつを受けてみやがれ!」

マキーナの両目から迸る破壊閃光!

周囲に凄まじい爆発が巻き起こり、宙マンの巨体を大きくよろめかす――

そこへすかさず、マキーナの張り手が宙マンめがけて炸裂した!

「う、うわぁぁぁぁぁ……っ!!」

ズ、ズーンッ!

マキーナの連続攻撃に押され、遂に地面へと倒れ伏してしまうヒーローの巨体。

 

みくるん「ああっ、ちゅ、宙マンさんが!」

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落合さん「地底でエネルギーを蓄えていただけあって、スタミナ充分ですわねぇ」

ビーコン「だーっ、感心してる場合じゃないっスよ、落合さぁん!(汗)」

ピグモン「はわわわ、宙マン、負けないでなの~!」

ながもん「(口の中で)……ファイト……!」

「ウホッ! こりゃ今度こそ、いけるんでねーのォ!?」

「やっちまえマキーナ! その意気、その調子だぜィ!」

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、ハナからそのつもりよ!」

倒れ伏した宙マンにとどめを刺すべく、猛然と駆け寄ってくるマキーナ。

だが、宙マンもまた、残された気力と体力を振り絞ってすっくと立ち上がる。

マキーナ「ヴゥオアァァ~っ、くたばれ宙マン!」

宙マン「なんの、これしき……負けて、たまるかっ!!

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宙マンの防御技、プロテクションが発動!

空間そのものを湾曲させて形成するシールドが、真っ向からの大怪獣の突進をも

完全に受け止め、逆に弾き返してしまう。



マキーナ「(悶絶)……お、おごぉぉぉっ!?」


宙マン「とどめだ! 宙マン・エクシードフラッシュ!!

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全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、マキーナを直撃!!

マキーナ「こ、こんな結末……認めたくな~いっ!!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

みくるん「わぁっ、やりましたぁ、宙マンさんの勝ちですぅ!」

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ビーコン「いえっふ~、さっすがアニキ、そうこなくっちゃっス!」

落合さん「お見事でしたわ、お殿様!」

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ピグモン「はうはう~、宙マン、かっこよかったの~♪」

ながもん「……グッジョヴ」

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イフ「うぐぐぐっ……またしても、またしても宙マンめが!

 よいか、この仕返しは必ずしてやるからな――

 今に見ておれよ、この次こそはお前に吠え面かかせてやるわ!」

 

かくして、今回もまた宙マンの活躍により……

恐るべき大怪獣マキーナは撃退され、千歳の街には平和が蘇った。

ビーコン「ヒヒヒ、アニキアニキ、どうもお疲れ様っした!」

落合さん「おかげで千歳の街にも、また落ち着きが戻って参りましたわ」

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みくるん「それにしても、あの「変なもの」の正体が怪獣さんだったなんて……」

ながもん「まさしく……あけてびっくり……玉手箱」

ピグモン「はうはう~、どうせならねぇ、ピグちゃんは……

 開けて驚くビックリ箱より、開けて嬉しいプレゼントの方が好きなの~」

宙マン「うん、どうせなら、みんなの心が温かくなるようなものが良いねぇ」

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ビーコン「っスよね~、オイラもそれには全く異議なし、大賛成っス!

 ヒヒヒ、てなわけで落合さん!」

落合さん「はいはい、何でしょう?」

ビーコン「今すぐオッパイ露出して、オイラの心を温めて欲しいっス~☆」

落合さん「(表情が引きつり)……はァ……!?」

 げ し っ !

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落合さん「ねーいっ、上手いこと言ったおつもりですか、このエロ怪獣っ!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、結局今回もこうなっちまうんスねぇぇ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

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しぶとい残暑も、悪い怪獣も吹っ飛ばす……

スカッと爽やか、正義の味方。

我らが宙マン、次回もバッチリ頼んだぞ!

 

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