遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

『ウルトラマンアーク』23話、見ました!

"……オニキスは、君の中にある"

不意に謎の疲労感を覚えるようになっていたユウマ。

その一方で星元市の上空に突如として陽炎のような空間の歪みが生じ、その中から

巨大な姿を現した宇宙獣・トリゲロス。

出現したアークとの間に凄まじいばかりの激闘が繰り広げられた果て、星元市一体を

跡形もなく廃墟に変えてしまうほどの大爆発がおさまってみれば、そこにはもう

宇宙獣ばかりかアークの姿さえ、跡形もなく消え失せてしまっていた――

 

ってところで、『アーク』本編の年内放送はこれにて終了。

続いて来週放映となるいつもの特別総集編、年始事情での放送休止を挟んで

SKIP職員ともども呆然としながら、この「生殺し」に、およそ三週間ものあいだ

本編再開を待ち続けなければならないわけです――

 

……って言うか、ここで、このタイミングで引く!?

全くもう、『アーク』の製作スタッフ陣は鬼か何かですかッ(笑)!!

TAMASHII NATIONS S.H.フィギュアーツ ウルトラマンアーク 約150mm PVC&ABS製 塗装済み可動フィギュア

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と、年甲斐もなくそんな絶叫をあげてしまうほど(笑)ぐいぐい引き込まれてしまった

『アーク』最終章の幕開けに当たる今回の激闘編。

冒頭、フィジカル面での不調を垣間見せるユウマの不穏な様子や、待機を命ぜられて

分所に一人(ユピーもいましたが)残ったユウマの前に姿を現したアークの同胞、

ルティオンと志を同じくする者”ことビオルノの口から語られる新たな事実の数々……

アークたちの銀河系では恒星ソニアの太陽フレア増大を抑え込むめどが立ちつつあり、

しかしその不確実性を危惧する指導者層の一人ゼ・ズーは、当初よりの予定通りに

ゼ・ズーゲート(オニキス)を介して、ユウマたちの地球と銀河系を犠牲にする形で

計画を強行しようとしており、そのための新たな刺客としてモノゲロス、ディゲロスの

傾倒に連なる宇宙獣・トリゲロスを送りこんできた、と言うこと。

 

そしてそのトリゲロスが狙う者はウルトラマンアーク……

即ち、先のザディーメ戦において、オニキスの力をその身に取り込むことによって

ギャラクシーアーマーを生成し、故にその体内には未だオニキスが在り続けている

我らが主人公・飛瀬ユウマの抹殺にこそある、と言うこと!

 

冒頭からの主人公の不調や、幻影のようなかたちでのヒーローの同胞出現など

その作劇構成要素に、『ウルトラセブン』の傑作最終回「史上最大の侵略」との

共通項を見出すのはあまりに容易ですが、それらの要素が絶えず重苦しい緊張感で

主人公や視聴者にのしかかってきた『セブン』に対し、和気藹々の気安さと優しさが

SKIPという組織や番組全体の基調を成してきた『アーク』では、事態の急変を通じて

これまでの話数で彼らが培ってきた「温かい繋がり」の強さと良さが改めて再確認され

ひとつのシリーズが今まさにゴールへと迫りつつある感慨をもたらしてくれるなど

「番組のカラーが違えば、同じ切り口でも印象はガラリと変わるもの」だと言う

当たり前のようでいて得難く、かけがえのない事実をも提示してくれます。

 

……にしても、ユウマやSKIPとの交流を通じての地震の変化を吐露してみたり

「君を失いたくない」とユウマに告ってみたり(違・笑)、アークの苦戦に際して

かつてないほど感情的になり、取り乱した姿をも見せてくれたり……

元々その傾向はありましたけど、今回は特に石堂さんのヒロイン力が半端なし!!

 

披露を覚えたユウマに対するSKIP職員各自のリアクションや、石堂さんを巡っての

現場でのやりとりの数々(遂に石堂さんへの敬語を捨てて接する伴所長!)など

ここまでの話数でじっくりと、丁寧に蓄積されて来たものがひとつひとつ結実し

我々視聴者の前に提示されてくる瞬間のカタルシスは正に「この時期ならでは」で

約半年間の放送期間を心から楽しませてもらえ、良い時間を過ごさせてもらえたのだと

しみじみ心が熱くなるのを禁じ得ませんね(ほろり)。

[バンダイ(BANDAI)] ウルトラ怪獣アドバンス モノゲロス&ディゲロス

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そして、そんな今回のドラマ的盛り上がりとテンションの高まりを語る上では

決して欠くことの出来ない貢献を果たしてくれた宇宙獣トリゲロス。

言ってしまえば既存の怪獣スーツ再利用の敵ではあるものの、アークにとっての

「始まりの敵」たるモノゲロス・ディゲロスと同種の宇宙獣であるという事を

敢えて衒いなく堂々と打ち出すことによって本編のドラマに一貫性を持たせつつ

「対アーク用として、その能力や先方のことごとくを熟知している刺客獣」という

恐るべき強豪ぶりによって視覚的面白さをも見事にアピール。

 

同時に現在発売中の「ウルトラ怪獣アドバンス」のソフビを入手していればすぐに

この“トリゲロス”状態が再現できるのだよ、と公式サイドが背中を押してくれる

反則面での旨さにも特筆すべきものがあり……

 

そして14~15話の”オニキス&ザディーメ編”から大きく間があいたにも関わらず

続く16~19話の”ブレーザーコラボ編”や、リリックな詩情や不気味な幻想味など

映像としての美しさや面白さなどを前面に押し出したエピソードの挿入などによって

ここに至るまで視聴者の興味とテンションを絶やさず、全く飽きさせることのない

シリーズ構成と番組編成の妙味にも改めて舌を巻かざるを得ません。

 

や、本来はこうあって然るべきなんですよね、プロフェッショナルな仕事って。

オールウルトラマン まるごと大図鑑2024

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だからこそ、そんなスタッフ陣の思惑にまんまとハメられつつ(笑)……

年明け以降の本編再開を、今から身悶えしつつ待ちわびようと思います。

ああ、三週待ちなんてホントにご無体なッ(笑)!!