遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

青い海に映える影、そして

海外・国産映画やTV番組。配信番組などの好評によって、改めて「怪獣」の魅力が

再確認されつつある「追い風」ゆえの恩恵か……この数年は目に見えて増えましたね、

過去の名作やキャラクターに真摯な光を当てる書籍の数々が。

テレビマガジン特別編集 マイティジャック/戦え! マイティジャック/快獣ブースカ/恐怖劇場アンバランス ほか EPISODES (講談社 Mook(テレビマガジン))

 

そんな嬉しい状況下における嬉しい一冊として、世代人ならその響きだけで心躍る

講談社「テレビマガジン特別臭」、講談社MOOkの一環としてリリースされたのが

こちら、『マイティジャック/戦え!  マイティジャック/快獣ブースカ/

恐怖劇場アンバランス ほか EPISODES』。

 

なんたって署名がこの長さですので、人様に進める時困るのがアレでナニですが

その代わりと言ってはなんですけど、内容は充実。

TBSタケダアワー・空想特撮シリーズ「ウルトラ」の圧倒的な成功と栄光にまぎれて

なかなか単独では語られることのない「マイティジャック」などの同時期円谷作品群を

その商業的評価や論評などをばっさり切り捨て、数々の魅力的なキャラクターたちや

躍動するSFメカニックの数々を、それらが躍動する毎週のエピソードに焦点を合わせ

それのみに絞り込んでのガイドブックとして編纂した潔さは、映像作品本編からの

豊富な「抜き焼き」をも駆使した貴重な画像の豊富さともども、初めてこれらに触れる

若い世代のファンの方々に対しては、余計な先入観を与えることなく作品そのものの

ピュアな魅力をピュアな形で素直に提示できる最良の手引書。

 

……まぁ、さすがに『MJ』第9話「地獄への案内者(ガイド)のパイロット版である

「S線を追え」に関する記述がなかったのはちょっと残念ではありますが。

ただ今回、『マイティジャック(「戦え!」含む』、『ブースカ』『アンバランス』の

各エピソードについて腰を据えてのあらすじ紹介や解説が為されている分、どうしても

巻末に「おまけ」ないしは「ついで」と言う感じでの起債となった『チビラくん』が

どうしても見劣りしてしまうかたちとなったのは残念なところ。

 

まぁ、全78話・計468回と言う長丁場であるうえに、月~土にかけての帯番組と言う

特殊過ぎる放送スタイルの関係上、キャラクターや毎回のエピソード紹介などに

費やすカロリーが膨大なものになり、前話確認だけでもえらい事なのはわかりますし

現時点において『チビラくん』だけでの単独ムックを敢行する無謀さもわかりますが

それだけに「ユミちゃんの登場~ハッタルVSゴルバの対立構造の確立~トラベルマシン

の本格運用による世界観の広がり~プかろ(ナンジャさん)登場~そして最終回、

カイジュウ星滅亡と脱出に至るまでの顛末」と言う、長期番組そのものの大きな流れを

せめてあらすじの形で俯瞰できるような配慮は欲しかったなぁ!

 

まぁ、『チビラくん』の場合は言ってくとキリないんですけどね。

『戦え!MJ』のビッグQQが改造されたロボットゲバゴローにドナール、ハレハレ、

赤いトータス号でやって来るイカルス似の(笑)郵便屋さんのこととか……。

と、最後には少し腐す形になりましたけど、貴方が円谷プロ作品ファンであるのなら

もはや本書は一家に一冊の必携版。

『ウルトラ』以外の作品群の豊かさに触れ、違った視座を得ることは、すなわち

より深く今の『ウルトラ』を知るための大事な一歩になり得るはずですので。