遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

到着! 超娯楽歴史本!!

今年もまた、9月4日の誕生日を迎えてひとつ歳をとり……

そしてまたまた有難いことに、僕宛ての誕生日プレゼントも届き出しまして。

そんな「お祝いのブツ」の先陣を切り、我が家のポストに届いておりましたのが

こちら、一通のゆうパケット

ウキウキ、ドキドキで封を切り、中身を出してみたらば……

あらまぁ、ステキ!!

ウルトラメカ大全 (講談社 Mook(テレビマガジン))

 

講談社 mook(テレビマガジン)のカテゴリーで、去る7月6日に発売されたばかりの

ウルトラメカ大全」じゃ、あ~りませんか。

大人の円谷プロファンに向けて、ウルトラマンシリーズから選りすぐられたメカが

たっぷり載った大人向けムックとして、以前よりかなり気になっていたこの一冊。

デジタル時代ならではの恩恵と、ウルトラ草創期からその撮影現場をほぼまんべんかく

見守り続けた講談社ならではの貴重なスチルの蓄積が相まったオールカラーの誌面は

細かなリクツ抜きでまず目に楽しく、圧倒されてしまいます――

歴代シリーズの防衛組織のメインメカのみならず、それらと敵対してきた宇宙人の

侵略円盤やロボット、或いは超人と怪獣と人間とが織りなしてきた驚異の物語の

脇を固める防衛隊の一般火力装備や、歴代チームの基地施設などに至るまで

これ以前に好評を博した「ウルトラ特撮 PERFECT MOOK」同様、本編抜き焼きと

現存スチルを縦横無尽に併用し、「もはや載ってないものを探す方が困難」なぐらい

質・量ともに充実して見応えのある誌面づくりが、劇中でのウルトラメカの活躍を

よりダイレクト、かつアクティブに読む者のハートへ伝えてくれます。

個人的には、例えば「カナン星人の罠にかかって大空の塵となった地球防衛軍

北極圏パトロール」とか、「超獣ブロッケンに破壊される直前、全く無傷な状態の

TAC第3研究室のミニチュア全景」などが結構美味しかったりしましたねぇ――

 

或いは1996年放映の『ウルトラマンティガ』のために用意された、TPC月面基地

ガロワ所属飛行艇の撮影用ミニチュア・プロップが、2023年の現在に至るまで

どれだけの変遷を重ね、重宝に使われ続けて来たかと言う事実を、ビジュアルの力で

より分かりやすく飲み込めるのも本書ならではの良いトコロです。

そう。

時代、時代のウルトラシリーズの中にあって、「架空の地球防衛・対怪獣組織」と言う

一般ドラマには有り得ないが、シリーズ作品を重ねるごとに存在意義や在り方を

いかに変化させ、いかに受け継がれ、歴史が積み重ねられてきたことか。

 

一冊の本を読み進めていく中で、時代の中での作品の堆積、それに伴う変化と伝統を

俯瞰しながらトータルでの「流れ」として俯瞰することが出来る、と言う点においては

本書は娯楽書であるのと同時に、『ウルトラ』の歴史の一面を語る上では欠かせない

第一級の「歴史副読本」でもある、とさえ感じます。

 

「ジェットビートルからアースガロンまで」と言う、本書のために用意された惹句は

決して伊達でも酔狂でもありませんね。

ええ、例えば。

ウルトラ・ユニバースにおいて長きに渡り、対怪獣攻撃の主力として「活躍」を見せ

バカスカ撃ち落されまくる様がいっそ痛快でもあった(笑)F-4ファントム……

シリーズでのデビューとなった『ウルトラマン』の本放映当時・1966年には

未だファントム機の導入が「決定」された段階で、実際の航空自衛隊基地には

ファントムの影も形もなかった、と言うこと。

 

そして今、空自配備のファントム全機がその役目を終えて退役となってもなお

『ウルトラ』の歴史が続いていることには不思議な感慨を覚えざるを得ませんし

時代を映す鏡としての映像作品のみならず、それと連動した現実の出来事などにも

思いを馳せつつ、じっくり本書を読み込んでみるのもアリなんじゃないでしょうか。

……と、そんな思いさえも脳内に浮かんでしまうのが、ひとえに本書の内容が充実し

何と言っても「見て楽しく、読んで楽しい」一級のエンターテインメントなればこそ。

 

入手した人だけのお楽しみである、ソフトカバー下の描きおろし図版までも含めまして

貴方がウルトラファンであるのなら、迷うことなきご入手をオススメする次第ですよ!