遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

大荒れ! 千歳のお祭り騒動の巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822030312j:plain

9月1日から3日にかけて催される、千歳神社の例大祭……

千歳っ子が待ちに待った、年に一度の楽しい恒例行事である。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822030608j:plain

街を歩けば、そこかしこから祭囃子の軽快な音色が響き渡って

自然に気分も高揚してこよう、と言うもの。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822030710j:plain

そんなわけで今、千歳の街はすっかりお祭りムードのまっただ中!

今回の『宙マン』はここ、活気溢れる千歳神社から物語を始めよう。

 

 

宙マン「おおっ、やってるやってる!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822030814j:plain

ピグモン「はうはう~、とってもにぎやかさんなの~♪」

落合さん「千歳神社のお祭りは、毎年来るたび本当に楽しいですわねぇ」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822031109j:plain

ビーコン「っか~、いつ味わってもいいもんスよねぇ。

 この熱気、この空気、このワクワク感……

 それに何つってもね、規模が違うっスよ、規模が!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822031257j:plain

 ご町内規模のものと違い、千歳市全体のお祭りだけあって

長~く続く沿道には、楽しい屋台や見世物などが目白押し。

宙マンファミリーならずとも、自然と心が弾もうというもの。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「あっ、りんご飴なの~、おいしそうなの~!

 ん~、ピグちゃんもりんご飴食べたいの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822031422j:plain

落合さん「あらあら、いけませんよ、ピグモンちゃん。

 今からそんなに食べて、肝心のお夕飯が入らなくなったら……」

宙マン「ん~、私もりんご飴食べたいなぁ♪」

落合さん「(きっぱり)屋台ごと買い占めましょうっ!

ビーコン「ちょっ、落合さん、分かりやすすぎっス!(汗)」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822031935j:plain

ビーコン「しかしまぁ、何つーか……

 神社のお祭りも、快調な滑り出しでよかったっスよねぇ。

 お天気は良いし、風も気持ちいいし、実にのどかな……」

落合さん「えぇ、実にわかりやすい平和の光景ですわ」

 

と、一同の空気が程よく和んでいた時。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426122355j:plain

そんな平穏を破り、千歳市の上空にまで達したのは……

宇宙の彼方から飛来した、真っ赤に輝く光球であった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426224545j:plain

 ゴ ウ ン ッ !

 

ビーコン「(思わず呆然)……うひょっ?」

落合さん「(冷や汗)こ、これはまた……もしやもしや……!?」

ズゴゴゴグワーンっ!

 

地面に激突、大爆発を起こす赤い球体。

濛々と吹き上がる赤い噴煙の中から立ち上がったのは!?

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822032408j:plain

「ゲボファハハ~っ!!」

 

ピグモン「あっ、なんか出て来たの!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426231846j:plain

落合さん「鉄くずの塊……でしょうか?」

ビーコン「うんにゃ、ありゃもう怪獣そのものっス!(汗)」

宙マン「こいつは……かなり、でっかいぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822032636j:plain

そう、まさにこれこそは……

怪獣魔王の妻・サンドロスに見出され、怪獣軍団に加わった宇宙の暴れ者。

その名も怖ろしい磁力怪獣・ガルバンだ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822032724j:plain

ガルバン「ゲボファハハ、いかにも我輩こそが怪獣ガルバン様だぁ。

 怪獣軍団の一員として、地球征服の使命を果たしに来たんだ。

 ……どうよ、これ以上の追加説明、いるかな!?」

ビーコン「う~ん、分かりやすいのは分かりやすいんスけど……」

落合さん「出来ればもうちょっと、別の答えが……

 温泉めぐりとか観光とか、穏便なのが聞きたかったですわね!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427201025j:plain

イフ「う~む……サンドロスよ、あやつで本当に大丈夫なのか?

 宇宙の暴れ者と言うには、いささかトボけた顔立ちだが……」

サンドロス「をほほほ、怪獣は見かけによらぬものドロスわよ、あ~た。

 ……さぁ、景気よくぶちかましてやるドロス、ガルバンちゃん!

 アタクシの見込んだその力、うちの亭主にも見せてやるドロスっ!」

 

ガルバン「ゲボファハハ~、任しといて下さいや、奥方様!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822033221j:plain

怪獣ガルバン、猛然と進撃開始!

迫り来る巨体を前に、悲鳴をあげて逃げまどう人々。

 

ガルバン「ゲボファハハ、火の祭り、闇の祭り、地獄の祭り……

 今日がお祭りだってんなら、我輩がとことん盛り上げてやるぞなもし~っ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822033400j:plain

落合さん「あらまぁ、何て言う押しつけがましい方でしょう!?」

ビーコン「どひ~っ、これじゃ千歳が「後の祭り」っスよ~!」

ピグモン「はわわ、上手いコト言ってる場合じゃないの~!(涙目)」

 

おお……北海道千歳市、早くも絶体絶命の大ピンチ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508001154j:plain

宇宙怪獣の暴虐、許すまじ!

千歳の平和を守るべく、航空防衛隊が直ちに出撃した。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508001215j:plain

ビーコン「おおっ、今日も今日とて航空防衛隊っス!」

落合さん「今度こそは大丈夫、そう信じておりますかたねっ!」

ピグモン「はうはう~、おじさんたち、しっかりなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822033835j:plain

「ようし……全機、一斉攻撃開始っ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822033902j:plain

攻撃、攻撃、また攻撃!

ガルバンめがけ、嵐の激しさで叩きこまれる一斉砲火。

……だが、金属質のガルバンの厚い皮膚には全く通用しない!

 

ガルバン「ゲボファハハ……子スズメちゃんたち、可愛いこった!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822033942j:plain

「ど、どわぁぁぁ~っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210508001607j:plain

ガルバンの目から迸る怪光線で、次々に撃墜されていく戦闘機。

その恐るべき光線は、続いて我々の街にも向けられ……

林立する高層建築が、次々に火を噴きながら倒壊していく。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034035j:plain

爆発! 炎上!

ガルバンの威力の前に、千歳はもはや例大祭どころではない!

 

落合さん「あらあらまぁまぁ、何てことでしょう!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034131j:plain

ビーコン「どひ~っ! もうダメっス、おしまいっス!(汗)」

ピグモン「はわわ……宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「(頷き)おのれ、もう許さんぞ! 宙マン・ファイト・ゴー!! 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210430202106j:plain

閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、猛り狂うガルバンの前へ舞い降りる!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「トゥアーッ! 宙マン、参上! 

 怪獣ガルバン、これ以上お前の好き勝手にはさせないぞ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426150029j:plain

ズ、ズーンっ!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210722132558j:plain

落合さん「お殿様、今日も今日とて素敵です……♪(うっとり)」

ビーコン「おー、いつもながらこの安心感……っスよねぇ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034544j:plain

ガルバン「ゲボファハハ~、お前が噂に聞いた宙マンだったのか!

 なかなかやるらしいな、結構な評判だぜ?」

宙マン「果たして私の実力が、評判倒れかそうでないか。

 カラダで直接知ってもらうのが、一番手っ取り早いな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034659j:plain

かくして真っ向激突、宙マン対ガルバン!

例大祭に沸いていた街を舞台に、正邪の攻防戦は早くもヒートアップ。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034757j:plain

ガルバン「ゲボファハハ~、我輩が捻り潰してやるぞなもし!」

宙マン「簡単には、やられない!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034831j:plain

重量級のボディと怪力に物を言わせ、猛然と迫るガルバン。

その豪快な攻撃に怯まず、宙マンも果敢に肉薄していく。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822034907j:plain

ガルバン、パンチ攻撃の連続!

暴れ者の名に恥じない連撃に、さしもの宙マンもずずっと後退させられるが

それしきのことで、ヒーローの闘志が萎えることはない。

 

宙マン「そりゃッ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035017j:plain

ガルバンの内懐に飛び込んで、宙マンも負けじとパンチの連打!

これまで幾多の怪獣を痛めつけてきた、宙マンの鉄拳ではあるが

堅牢なガルバンのボディ相手では、いささか心もとない。

 

手強しガルバン、負けるな宙マン!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035111j:plain

ガルバン「ゲボファハハ~、お前の力はそんなものか!?」

宙マン「何をッ、見ていろ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

一定のポーズを取り……

すかさず、必殺光線発射の態勢に入る宙マン。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035244j:plain

宙マン「エクシードフラッシュを受けてみろ!」

ガルバン「(ニヤリ)――馬鹿がッ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035319j:plain

おお、何ということであろう!

ガルバンの全身に張り巡らされた磁力の壁、マグネフィールドが

宙マンの必殺光線を無力化してしまったではないか!?

 

宙マン「(我が目を疑い)な、何っ!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035421j:plain

ガルバン「ゲボファハハ、我輩ガルバン……

  「磁石怪獣」と異名をとるのは、伊達じゃないぞ!

  磁力を応用すれば、こんなことだって出来るのさね!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035448j:plain

勝ち誇り、目から怪光線を放つガルバン。

だが宙マンもさるもの、これをひらりとかわして大ジャンプ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426145936j:plain

宙マン「なんの、まだまだ――行くぞガルバン!」

ガルバン「ゲボファハハ、甘いぞな!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035605j:plain

ガルバンの怪光線が、空中の宙マンを直撃!

凄まじい早撃ちにやられ、バランスを崩して墜落する宙マン。

 

落合さん「ああっ……お、お殿様!?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429162343j:plain

ビーコン「アイツ……トボけた顔して、とんだ食わせモンっスよ!」

ピグモン「はわわわ……宙マン、まけないでなの~!」

 

ガルバン「ゲボファハハ、お次はマグネ衝撃波ぞなもし!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822035745j:plain

「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427235422j:plain

イフ「ううむっ……認めるぞサンドロス、確かにお前の言う通りじゃ!

 磁石怪獣ガルバン、実に素晴らしい奴ではないか――

 流石は我が妻、よくぞこの逸材を見出したものよ!」

 サンドロス「をほほほ、ざましょざましょ、そうざましょ、あ~た。

 ……さぁガルバンちゃん、ここからはアタクシたちもお祭りドロスわよ。

 宙マンなんてサッサと片付けて、パ~ッと派手に祝勝会ドロス!」

ガルバン「ゲボファハハ、そりゃナイスな提案でございますねぇ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040545j:plain
宙マン「(苦悶)うう……うっ……!」

ガルバン「そぅれ、とどめだ宙マン! 死んでもらうぜぇ!」

宙マン「なんの……やられて、たまるかッ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040606j:plain

怒れ稲妻! 宙マン・ボルトサンダー!!

 

 ピカッ、ゴロゴロドドーンっ!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040736j:plain

宙マンの気合とともに、念動力で発生させる正義の稲妻!

眩い閃光とともに、ガルバンの急所を直撃したボルトサンダーが

磁石怪獣の全身を猛然と駆け巡り、容赦なく痛めつけて――

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040819j:plain

ズ、ズーンっ!!

 

ガルバン「ひゃらりらりぃぃ~、こいつぁ効いたぜェェ……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040852j:plain

稲妻の高圧電流で磁力を失い、最早フラフラのガルバン。

その隙を逃さず、再び大ジャンプで空に舞う宙マンの巨体。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822040940p:plain

正義のヒーロー、華麗なる空中一回転。

地上へと舞い降りざま、怪獣めがけて繰り出すその技の名は!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822152509j:plain
宙マン「エイヤァァーっ!

 宙マン・ミラクル・キック!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822041149j:plain

出た、電光石火の必殺技!

エネルギーを集中させ、真っ赤に燃え上がった宙マンの足先が

ガルバンの眉間を叩き割るかのように炸裂!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822041311j:plain

ガルバン「きょ、強烈……痛烈……まいったぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822041441j:plain

ビーコン「やったやった! やってくれたっスねぇ、アニキ!」

 ピグモン「はうはう~、やっぱり宙マン、にじゅうまるなの~♪」

落合さん「えぇ、本当に……お見事の一言に尽きますわ、お殿様!」

 

イフ「ぐぬぬぬっ、あと一歩のところだったものを!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428010012j:plain

サンドロス「おにょれ、おにょれ宙マン……よくもやってくれたドロスわね!

 この屈辱、アタクシは決して忘れはしないドロス…… 

 次こそは、必ずお前様をギャフンと言わせてあげるドロス~っ!!」

 

……などと言う、毎度お馴染みの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822041856j:plain

我らが宙マンの活躍によって、磁石怪獣ガルバンは撃退され……

千歳市内には再び、楽しげな祭囃子の音色が戻ってきたのであった。

 

ピグモン「はうはう~、宙マン、おつかれさまなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822042124j:plain

宙マン「やぁやぁ、みんな、お待たせ!

 それじゃ改めて、お祭りを楽しむとしようじゃないか」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822042206j:plain

落合さん「は~、お殿様の大勝利で一安心しましたら、何かこう

 清々しい感じで小腹が減ってきちゃいましたわね~。

 ちょっと出店で、チョコバナナでも買って参りましょうか?」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822042310j:plain

ビーコン「や、落合さん、そんなんに金使うなんて勿体ないっスよ!

 チョコバナナなら、ちゃんとオイラのココにあるじゃないっスか。

 もれなくおいなりさんとのワンセットで……♪」

落合さん「……( ぷ ち っ ! )」

 げ し っ !

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210428011630j:plain

落合さん「ねーい、空の藻屑とおなりあそばせっ!(怒)」

ビーコン「どひ~っ、九月の青空が目に沁みるっスぅぅ~」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

みんなが待ってた、年に一度の一大イベント……

祭囃子が勇者を讃える、今日からは千歳神社の例大祭

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210822042731j:plain

神輿だワッショイ、祭りだワッショイ。

みんなの元気で、憂いも涙もぶっとばせ――

何はともあれ、めでたし、めでたしっ!

 

 

※(この物語はフィクションであり、現実における千歳神社の例大祭

 新型コロナウイルスのまん延に鑑み、開催を見合わせています。

 その旨お断りさせて頂くとともに、再びの開催を心より祈念する次第です)