サンロク街の通称で呼ばれる、旭川の繁華街に店を構えて70年……
「地元で最も有名な居酒屋」とも称される、市内屈指の老舗。
また、近年においては『孤独のグルメ』お正月スペシャル・旭川ロケ編において
ゴローちゃんが足を運んだ店、と言えば通りがよいでしょうか?
旭川滞在・最後の夜を飾るのに、これ以上のお店はないと言っていいでしょう。
縄暖簾をくぐり、一歩お店の中に足を踏み入れれば……
そこは昔ながらの趣を濃密に湛えた、どこか懐かしくも今や贅沢な空間。
店内の雰囲気や接客態度のひとつひとつに至るまで、かなりのヤリ手と思しき
女将さんのさりげなくも隙のない配慮が隅々に行き届いており、店内に漂う
そんな温かい気配りに、客として訪れたこちらも自然と相好が崩れながらも
同時にどこかでピンと背筋が引き締まるような、二種背反の矛盾する感触が
何ともくすぐったく、嬉しかったり致します(笑)。
まずはお通しとして供された、酢大豆などをぽりぽりつまみつつ……
ビールで喉を潤しながら待っていると、徐々に注文の料理が到着してきます。
まずはこちら、炙りの干しイカ。
只でさえ味が熟成して旨い干しイカの中に、ペースト状にされたゴロ(内臓)が
入ることによって、より味の奥行きが増しているという佳品。
でもって、こちらは説明不要の御造り!
吟味されたひとつひとつの食材が、それぞれに鮮烈そのものの旨味を蓄えていて
普段食べているような刺身とは(当然ながら)別次元の旨さです。
どれもこれも本当に旨い刺身だったのですが、個人的にもっとも気に入ったのが
湯葉の上品ながらも心地よい舌触り、それにマグロの中の旨味成分の濃密さ。
ひとつひとつの食材の質を突き詰めることによって、普段食べなれているはずの
刺身と言う料理はここまで「突き詰められる」のか、と目からウロコでした。
と、これだけでも昇天しそうなほどに旨かった「三四郎」さんの料理ですが
勿論、干しイカと刺身だけで食事を終えたわけではありません。
てなわけで、「三四郎」さんの料理ご紹介記事は……
敢えてここで焦らして引っ張り、次回更新分の第二弾へと続くのでありました。
いやぁ、記事一回分で終わらすのは余りに勿体ないお店なもんですから、ね(笑)。