1930年代のシリアル(連続活劇)スペースオペラ・コミックスを原作として
その時代ゆえの陳腐さや古臭さ、ギラギラの原色が飛び交うけばけばしい色遣いを
たっぷりの製作予算をかけたうえで、愚直なまでにそっくりそのまま映像化したことで
少なからぬ1980年当時の観客を困惑させ……と同時に熱狂的なファンをも生んで
評価がバッサリ二分されることとなった(笑)カルト的特撮映画。
そんな『フラッシュ・ゴードン』を今日に至るまで伝説の一編たらしめているのは
イギリスのロックバンド・クイーンによって、さながらおもちゃ箱のごとき映像と
全編に渡りしっかりと向き合い、寄り添った華麗な音楽の数々にもあります。
そんな劇中音楽でも特に有名な、映画の開幕を告げるオープニング主題歌。
……そしてこの主題歌をはじめとした素晴らしい音楽の数々を、クイーンが決して
「ロックバンドの片手間仕事・タイアップ」としてではなく、立派な自己の表現として
公式ディスコグラフィの中に堂々と本作のサントラを加えてくれている、と言う事実が
「こういうジャンル」の一ファンとして、何より誇らしく嬉しかったりしますねぇ。