遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

散歩のとき何か戦うはめになっての巻

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暦は4月、大地を覆っていた雪も急速に溶け去り……

ここ・北海道にも、いよいよ春が訪れた。

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北海道千歳市の一角・ほんわか町5丁目も、うららかな陽気と

心地よい春風にほんのりと暖められ、のどかな平和の中にある。

今回の『宙マン』もまた、台所から軽快なリズムで包丁の音が聞こえてくる

毎度おなじみの「宙マンハウス」から物語を始めよう。

 

ピグモン「はうはう~、とってもいいにおいなの~!」

ビーコン「ぐししし、今夜はシチューっスね、落合さん!?」

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落合さん「うふふっ、御名答ですわ、ビーコンさん。

 4月とは言えまだまだ夜は、こういう体の暖まる料理が嬉しい時期……

 それに何と言っても、お殿様の大好物のひとつですものね」

ピグモン「えへへ、ピグちゃんも落合さんのシチューだいすきなの~」

ビーコン「あ~、もうね……この匂いを嗅いでるだけで堪んないっス!

 メシメシ、もう晩飯にしちゃうっスよ落合さん、腹減ったっス~!」

落合さん「だめだめ、慌てない慌てない……

 まだ、お殿様がお戻りになってらっしゃらないでしょう。

 ……あら、そう言えばお殿様、今日はお帰りが遅いですわねぇ?」

ピグモン「宙マン、夕方のお散歩に出かけてそれっきりなの~」

ビーコン「アニキの散歩、長いからなぁ……

 興が乗ると、あっちこっちに寄り道して長居するのもしょっちゅうっスし。

 うお~い、アニキぃ、早く帰ってきて下さいっス!

 でないとオイラ、腹が減り過ぎておっ死んじまいそうっスよ~!」

落合さん「(苦笑)ビーコンさんったら、そんなオーバーな……」

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そう、「宙マンハウス」の厨房で、夕食の準備が進んでいる間……

我らが宙マンは、日課である夕方のウォーキングの真っ最中なのであった。

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宙マン「いやぁ、すっかり雪も溶けたとは言え……

 日が沈みかけてくると、まだまだ風の冷たさが身に染みてくるね~。

 今日は早めに家に帰って、あったかい夕飯に舌鼓。これだね!」

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そんなわけで、早めの帰宅を決意した宙マンであったが……

そのままスムーズに帰れるわけがないのは、賢明なる読者諸氏ならば

既にご承知おきの通り。

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラっ!

突如として、千歳市郊外の造成地を襲った大きな局地的地震

驚く宙マンの目の前で、ひときわ大きく土砂が舞い上がり……

濛々たる砂煙と岩礫の中から、すっくと巨体を立ちあがらせたのは!?

「デュフハハハ、私じゃーいっ!!」

宙マン「おおっ……暗殺宇宙人・ナックル星人!」

ナックル星人「(頷き)ほおっ、覚えててくれたかい、有難いねぇ!

 私もまた、あの時の屈辱……

 お前に恥をかかされた日の事は、決して忘れちゃいなかったさ!」

 

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宙マン「……で、そのナックル星人が、私に何の用事だね!?」

ナックル星人「余計なお喋りは抜きじゃ、サクサク話を進めよう。

 あの時の屈辱を晴らしてやる、私と再度の勝負だ宙マン――

 嫌だと言うならお前の代わりに、千歳の街をメチャクチャにしてやるが!?」

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宙マン「(やれやれと溜め息)交渉の余地も、聞く耳もなしか……

 いいだろう、その挑戦、受けてやる!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、ナックル星人の前に敢然と舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 毎度毎度、懲りもせず……今度と言う今度は思い知らせてやる!」

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ズ、ズーンっ!!

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イフ「ぬふふふ、出てきおったな宙マン、今日こそは貴様の最期だ!

 ナックル星人よ、お前の力で宙マンを捻り潰してしまえ!」

ナックル星人「ハナからそのつもりですとも、魔王様!」

ナックル星人「お前にやられた悔しさが、夜ごとシクシク疼くのよ。

 ……それを鎮める方法は、ただひとつ……

 宙マン、おまえを倒してあの日の屈辱を晴らすことだけだ!」

宙マン「残念だが、また痛い思いが上乗せされるだけさ。

 それが嫌なら大人しく、さっさと暗黒星雲へ帰るがいい!」

ナックル星人「……よくもそこまでほざいたなッ!」

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ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトル開幕だ!

ナックル星人「ぬおおおっ! 勝負だ勝負だ、宙マン!」

宙マン「どこからでも来い、ナックル星人!」

激突、宙マン対ナックル星人!

荒涼たる北の大地を舞台に、巨大宇宙人ふたりが鎬を削る。

スマートな体躯ならではの、軽快なフットワークとアクションで

猛然と接近戦を挑み、パンチの連打を繰り出してくるナックル星人。

初戦のリベンジをと息巻くだけあって、その気合は相当以上。

だが、我らが宙マンもさるもの……

敵の鉄拳を左右の腕でガードしながら、決して怯むことはない。

ビシッ! バシッ!

お互いのパンチが幾度となく交錯し、力と技が拮抗する。

宙マン「……流石に、大口を叩くだけのことはあるな!?」

ナックル星人「デュフハハハ、こんな程度で感心して貰っては困るぞ!」

勢いよく放たれる赤い稲妻!

額からのナックル破壊光線が宙マンの全身を舐めるように炸裂し、

ヒーローの動きを麻痺させる。

宙マン「う、うおおおっ!?」

ナックル星人「デュフハハハ、この瞬間を待っていたのよ!」

ドスーンっ!

 

動きが麻痺した宙マンの腹部めがけて、ナックル星人の頭突きが命中!

さしもの宙マンも、これには堪らずドドーッとぶっ倒れてしまった。

ナックル星人「デュフハハハ……これで最後だ、死んでもらうぞ宙マン!」

宙マン「なんの……これしきっ!」


勢いよく覆いかぶさり、拳を叩きつけてこようとした星人めがけ……

宙マンの額から発射される、起死回生のヘッドビーム!

肩口に炸裂したその一閃が、ナックル星人を大きくよろめかせる。

ナックル星人「ぐ、ううっ……おのれ!」

宙マン「よし、今だっ!」

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すかさず態勢を立て直し、大空へとジャンプする宙マン。

華麗な空中回転とともに、ナックル星人めがけて繰り出すその技の名は!

宙マン「エイヤァァーッ! 宙マン・ミラクル・キック!!

出た、電光石火の必殺キック!

ラクルキックの一撃を食らって、ナックル星人が悶絶したところへ――

宙マン「とどめだ!

 宙マン・エクシードフラッシュ!!

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、ナックル星人を直撃!!

ナックル星人「ち、力及ばず……ぐ や゛じ い゛ぃぃ~っ!!」

やったぞ宙マン、大勝利!

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イフ「うぐぐっ、おのれェ……おのれ、またしても宙マンめが!

 だが、これしきの事でいい気になるなよ。

 ワシら怪獣軍団には、必殺の奥の手がまだ幾らでも控えておるのだ!」

 

……などと言う、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。

我らが宙マンの活躍によって、ナックル星人は返り討ちにされ……

北海道千歳市はまた、悪の破壊を免れたのであった。

 

ピグモン「あ、宙マンなの、こんなところにいたの~!」

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ビーコン「アニキの帰りがいつもより遅いんで、心配になって見に来たら……」

落合さん「うふふ、今日もまた正義のご活躍でしたのね、お殿様♪」

宙マン「やぁ、わざわざ迎えに来てくれたのかい、みんな。  

 ……心配かけちゃって申し訳ない、すぐに帰ろう!」

落合さん「えぇ、そのつもりでおりますわ。

 外の風も冷えてきましたし、急いで家に戻りましょう、お殿様!」

ビーコン「家族みんな揃わねーと、夕食ってカンジしないっスもんね☆」

ピグモン「はうはう~、今日の晩ごはんはシチューなの~♪」

宙マン「おおっ、嬉しいなぁ、私の大好物のひとつだよ!

 4月とは言え、まだまだ……

 そういう体の暖まる料理が嬉しい時期だものねぇ」

ピグモン「はうはう~、宙マンてば、落合さんとおんなじこと言ってるの~」

落合さん「……(嬉しそうにうつむいて)」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

今、まさに北海道の春。

宙マン、みんな、また一段と元気に頼んだぞ!