遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

メリハリ大事ですの巻

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210502103843j:plain

平和を愛する千歳市民の一人、正義の味方・宙マンの活躍によって

北海道千歳市は、今日ものどかな平和の中にあった。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210427203700j:plain

だが、決して油断はできない。

暗黒星雲に巣食う怪獣軍団は、次にいかなる凶悪怪獣を送りこみ

再びどんな侵略計画を実行に移すか、誰にも分からないのだから。

「侵略者」は……あなたの、隣にいる。

 

 

 

そう、そんなわけで。

怪獣軍団からの新たなる使者は、既に北海道千歳市に降り立って

自らの使命を果たすため……まずは、そのために必要不可欠な

「エネルギー補給」を、しっかり済ませていたのであった。

 

ほら、よーく目を凝らして、見てみて欲しい――

 

「ふぃぃ~、食った、食った!」

膨れた腹を抱え、上機嫌でラーメン屋を出てきたのが今回の敵。

地球より50億光年の彼方、マクア星雲系出身のバンデル星人だ。

 

バンデル星人「いやぁ、流石はスライの旦那だ……いい店知ってるねぇ!」

スライ「んーふふふ、そうでしょう、そうでしょう!

 そのお店はね、評判の良い老舗なんですよ。

 何となく、懐かしい感じの味わい……しましたでしょ?」

バンデル星人「うんうん、奇をてらわない、って言うか……

 それこそ「昔ながらのラーメン」って感じだったねぇ」

スライ「そういうお店がね、今となっては貴重ですよねぇ」

スライ「で、そういう昔ながらの一杯だからこそ……

 シンプルなだけに、決してごまかしも効かないわけでしてな」

バンデル星人「おう、それよ、それそれ!」

バンデル星人「すっきりスープに、気持ち良いコシの麺。

 派手さはないけど、食べ飽きない味ってやつだよねぇ」

スライ「ですです、だからこそ仕事の丁寧さも光るんですよッ。

 そしてそして、忘れてはいけないのが……」

バンデル星人「おうよ、挽き肉ともやしね!

 これがまた、気持ちいい歯ごたえとスープのコクを加えて……」

スライ「うんうん、そこまで分かってもらえるとはッ!

 私としても、お勧めした甲斐があったってものです♪」

バンデル星人「おうっ、本当に旨かったよ!」

バンデル星人「あー、でも、こんな旨いラーメン食った後だと……

 ……ぶっちゃけ、シゴトすんの、かったりィなぁ?」

スライ「んーふふふ、そういう時はサボっておしまいなさいっ!

 大丈夫、大丈夫、魔王様も気づいてらっしゃらないんで……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

「えぇい、さっきから丸聞こえだぞ!

 この……この馬鹿者どもが~っ!!」

 

バンデル星人「(慌てて)ま、魔王様っ!?」

イフ「黙って聞いていれば何だ、特にスライっ!

 幹部候補生たる者が、配下にサボりを勧めて何とする!?」

スライ「(慌てて逃げ出し)ひぇぇっ、ですよねぇ~っ!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211203112854j:plain

イフ「お前もお前だ、バンデル星人。

 道楽者の困ったトコロまで、何も真似する必要はないのだ――

 遊びは遊び、仕事は仕事、メリハリをつけるのは大事だぞ!」

バンデル星人「ははぁっ、かしこまりましたぁ~!(汗)

 バンデルマシン、起動ッ!

怪獣魔王のお叱りを受け……

これ以上機嫌を損ねては大変と、慌てて巨大化するバンデル星人。

巨大な吸盤の中に彼が携帯している「巨人にする装置」こと

バンデルマシンのはたらきが、それを可能とするのだ。

 

そして、その様子は……

千歳市内を往く、宙マンファミリーの視界にもしっかり入っていた。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426230146j:plain

ピグモン「あっ、宇宙人がおっきくなったの!」

落合さん「あらあらまぁまぁ、何てことでしょう!」

ビーコン「カーッ、こちとらこれから昼飯だってのに!」

バンデル星人「ヒュホホホ……そうか、そっちは昼飯前か。

 こっちは既に、昼飯をしっかり済ませて元気モリモリよ。

 ……特製塩ラーメン、めっちゃめちゃ旨かったぜぇ~!」

落合さん「ちょ……何ですの、そのマウントの取り方!?」

ビーコン「そんな話聞いたら、ハラ減ってくるじゃないっスか!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210504000227j:plain

ピグモン「えう~、ランチのお邪魔しないで欲しいの~」

宙マン「ああ、全くだよ……全く!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426130014j:plain

イフ「わはは、よしよし……まずは宙マンに一点先取だぞ、でかしたッ。

 遠慮はいらん、思い切り暴れろ、バンデル星人!」

バンデル星人「ヒュホホホ、私ゃやりますよ~、魔王様!」

怪獣魔王の命を受け、進撃開始するバンデル星人!

迫り来る巨体を前に、なすすべもなく逃げ惑う人々。

落合さん「あらやだ、今回もこうなっちゃいますのね!?」

ビーコン「どひ~っ、すきっ腹には堪えるハナシっス!」

宙マン「いいから、安全な場所へ! みんな早く!」

バンデル星人の出現により、早くも大混乱の千歳市

なればこそ、航空防衛隊の空の精鋭たちは直ちに出動だ。

ピグモン「あ、防衛隊が来てくれたの!」

ビーコン「頑張ってくれっス、頼むっスよ~!」

落合さん「これ以上、悪い宇宙人の好きにさせないで下さいませ!」

「我々の腕の見せ所だぞ――全機、攻撃開始!

戦闘機隊の一斉攻撃!

雨あられと叩きこまれるロケット弾にも、全く動じない軟体宇宙人。

 

バンデル星人「ヒュホホホ、無駄なあがきよ!」

「う、うわぁぁぁぁ……っ!?」

バンデル星人の吸盤から放たれる高熱火炎!

その直撃を受け、戦闘機は一機、また一機と撃墜されていく。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20211227030348j:plain

ビーコン「……あちゃ~」

落合さん「今回も……「こう」なってしまいましたのねぇ」

バンデル星人「ヒュホホホ、次はお前たちの番だ!」

ビーコン「どひ~っ、あんなコト言ってるっスよ~!(汗)」

ピグモン「はわわ……宙マン、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「おのれ、もう許さんぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426232617j:plain

キラリ、正義のスパーク!

みるみる巨大化して、バンデル星人の前に立ちはだかる宙マン。

バンデル星人「ヒュホホホ、出おったな宙マンめ!」

宙マン「正義の力で、今すぐ打ち砕いてやる!」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426151041j:plain

ファイティングポーズとともに、敢然と身構える宙マン――

さぁ、今日も世紀のビッグファイト開幕だ!

 

バンデル星人「死ねィッ、宙マン!」

バンデル星人の火炎噴射!

その悪魔の洗礼を、すかさずプロテクションで無力化する宙マン。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210514152523j:plain

ビーコン「おおっ、上手いっス、アニキ!」

落合さん「お殿様にかかれば、悪の宇宙人も敵ではございませんわ!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!」

バンデル星人「むむぅぅっ、味な真似を!」

宙マン「さぁ来い、勝負だバンデル星人!」

激突、宙マン対バンデル星人!

千歳の街を揺るがし、ふたつの巨体が鎬を削る。

軟体を不気味にくねらせ、宙マンへとのしかかってくる星人。

自らの体で押し潰し、そのまま窒息させる腹積もりだ――

だが、やすやすとそんな手には乗らないのがヒーロー。

迫り来るバンデル星人に怯むことなく、逆に猛然と立ち向かって

敵のボディに鋭い打撃技を見舞っていく。

ビシッ! バシッ!

高らかに響き渡る打撃音は、宙マンの的確なポイント攻撃によって

バンデル星人がしっかりダメージを受けている証拠だ。

宙マン「どうだ、これに懲りて逃げ帰る気になったかね?」

バンデル星人「うぐぐぐっ! その余裕、猛烈にムカちゅく~っ!」

怒り、右手の吸盤から速射銃を連射するバンデル星人!

だが宙マンは、冷静にその弾道を見切ってかわし、大ジャンプ!

バンデル星人「(驚き)な、何とっ!?」

 

バンデル星人めがけて急降下していく宙マン。

激しい空中きりもみ回転とともに、繰り出すその技の名は!

「エイヤぁぁぁーっ! 

 宙マン・回転フルキック!!

高速回転の勢いを加え、両足で蹴り込む正義のキック!

燃える足先を食らって、バンデル星人がブッ倒れたところへ――

 

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426152748j:plain

全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……

エクシードフラッシュの一閃が、バンデル星人を直撃!!

バンデル星人「グハァァっ、ナンタルチヤ……

 せっかくの旨いラーメンの余韻が、台無しだぁぁ~っ!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

落合さん「やりましたわ、流石お殿様です!」

ビーコン「いえっふ~、やっぱアニキはこうじゃなくちゃっス!」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210426153009j:plain

イフ「おのれ、またしても……にっくき宙マンめ、よくも!

 全く、あぁ全く、悔しいったらありはしないぞ……

 今に見ておれ、覚えておれ~っ!!」

 

……という、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210604234941j:plain

怪獣軍団の恐怖の使者、バンデル星人を撃退し……

かくてまたまた、見事に北海道の平和を守りぬいた宙マン。

そんな彼を讃えるように、降り注ぐ陽の光もひときわ眩しかった。

 

ピグモン「はうはう~、宙マン、おつかれさまなの~」

宙マン「ふぅ~、やれやれ……

 一戦交えちゃったおかげで、すっかり腹ペコだよ、私ゃ」

ピグモン「はうはう~、無理もないの~」

落合さん「でしたら、今すぐお昼ご飯に致しましょう。

 何か家で作りましょうか、それとも外食の方が……」

f:id:KOUMEMYLOVE4794:20210429165645j:plain

宙マン「う~ん、さっきの星人が、あんなこと言ってたからなぁ。

 おかげで胃も心も、すっかりラーメン・モードだよ」

落合さん「分かりました、では今から参りましょう!」

ビーコン「ヒヒヒ、ラーメンもいいスけどね、落合さん。

 白濁してて濃厚ってことなら、オイラ特製のザーm……」

落合さん「(ジト目)あのですね、ビーコンさん。

 ……それ以上言ったら、お 仕 置 き ですわよ!?」

ビーコン「(ビクッとして)あ、アイエェェェェッ!?」

宙マン「はっはっはっはっ」

 

美味しいランチで、メリハリつけて……

次回もまた頼んだぞ、宙マン!