怪獣軍団の新たなる刺客、熱火竜バルバゴン。
全身に蓄えたマグマエネルギーの威力を見せ、傍若無人な破壊を繰り返す
大怪獣の前に立ちはだかったのは、もちろん我らの……!
「おのれ、もう許さんぞ!
宙マン・ファイト・ゴー!!」
宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!
熱火竜バルバゴンよ、それ以上の乱暴は私が許しておかないぞ!」
バルバゴン「ピャゴ~っ、ノコノコ出てきやがったか、宙マン!
わざわざ死ににくるとはバカな奴だぜ!」
宙マン「そう言ってられるのも今のうちだ。正義の力を思い知れ!」
激突、宙マン対バルバゴン!
落合さんたちが見守る中、世紀のスーパーバトルが幕を開けた!
落合さん「お殿様、頑張って下さいませ!」
ビーコン「千歳の平和は、アニキが頼みの綱っス!」
ピグモン「はうはう~、宙マン、がんばってなの~!
ながもん「私たちが……ついてる」
みくるん「そして、しっかり応援……してますから~っ!」
全身のマグマパワーで、猛然と襲いかかってくるバルバゴン!
その剛腕と怪力に、宙マンも磨き抜かれた技の冴えで渡り合う。
バルバゴン「ピャゴォォ~ンっ……どうだ、どうだ、オラオラぁ!」
宙マン「うぬっ!」
バルバゴンのパワーに押されて、じりじりっと後退させられる宙マン。
両者の間合いが大きく開いたその瞬間……
グワッと開いたバルバゴンの口から、勢いよく超熱線が迸った。
だが、宙マンもさるもの。
恐るべき地獄の超熱線を、ひらりとかわして大空へとジャンプ!
バルバゴン「ぴゃ、ピャゴォォっ!?」
宙マン「行くぞ、バルバゴン!」
空中から舞い降り、バルバゴンめがけて躍りかかる宙マン。
組んずほぐれつ、再び凄絶な肉弾戦が展開されていく。
土砂を巻き上げ、大地を揺さぶり……
ふたつの巨体の戦う響きが、千歳の街を大いに震撼させる。
バルバゴン「うぐ、おのれッ!」
宙マン「えいっ、それっ――どうだ、参ったか、これでもか!」
バルバゴン「ピャゴォォォッ……
ナメるな、この野郎っ!!」
バルバゴン、マグマパワー全開!
宙マンの巨体を一気に振りほどき、そのまま地面へ叩きつけてしまう。
みくるん「ああっ、宙マンさんが!」
ビーコン「ぶっちゃけ、よくいるゴジラ型とタカくくってたら……」
落合さん「(頷き)……まさか、ここまでの強さだったなんて……」
ピグモン「やだやだ、宙マン、負けちゃいや~んなの~!」
ながもん「(じっと戦いを見守り)……!」
更にダメ押しとばかり、バルバゴンの口から吐き出される超熱線。
ビルが、自動車が……
そして宙マンが、その威力に吹っ飛ばされる!
ズガーン! グワーンっ!
「う、うわぁぁぁぁ……っ!!」
落合さん「(驚愕)お、お殿様っ!?」
ビーコン「ど、どひ~っ……まさか、アニキがここまでやられるなんて!」
ながもん「(息を呑み)……強い……!」
宙マン「(苦悶)う、うう……ッ!」
バルバゴン「ピャゴォォォ~っ、かんらからから……
どうだ宙マン、俺様の、バルバゴン様の力を思い知ったか!」
イフ「おおっ、いいぞ……その調子だ、バルバゴン!」
ゾネンゲ博士「今度こそ……今度こそ我らの勝利ですなぁ、魔王様!」
イフ「あぁ、そうだとも!
バルバゴン、お前こそ真の勇者だ、怪獣軍団の英雄じゃ!」
バルバゴン「ピャゴォォ~ンっ……さぁ、とどめだ宙マン。
恨み重なる怪獣軍団の敵とも、今日限りで永遠にオサラバだぜ!」
宙マン「ぐ、うっ……!」
みくるん「そんな……このままじゃ、ほんとに宙マンさんが!」
ビーコン「でも、オイラたちにはどうすることも出来ねっスよぉ!?」
ながもん「……!!」
……だが、その時である!
ズバーン! シュパパパパーンッ!
ながもん「……おおっ」
落合さん「まぁまぁ、何事が起こりましたの!?」
バルバゴンの超熱線が、宙マンめがけて浴びせかけられようとした瞬間……
突然、バルバゴンの周囲に爆発が巻き起こり、熱火竜の巨体を怯ませた。
バルバゴン「ピャゴォォッ……
どこのどいつだ、余計な横やり入れてきやがったのは!?」
宙マン「おおっ……あれは……!」
宙マンの危機を救ったのは、蒼い鋼の煌く機体。
ながもん「まさに……ナイス、タイミング」
ビーコン「ありがてぇっス、地獄で仏たぁこの事っスね!」
落合さん「お願いします、お殿様をお助け下さいませ!」
「目標を確認。
全機、怪獣に対して攻撃開始! 宙マンを援護する――発射!!」
怪獣めがけて急降下しながらの一斉攻撃!
戦闘機の機関砲が、雨あられとバルバゴンめがけて叩きこまれていく。
バルバゴン「ピャゴォォ~ンっ、ちょこまかと鬱陶しい!」
果敢に、軽快に展開される、戦闘機編隊の援護射撃。
そして、そこに生じた僅かなタイムラグは……
我らの宙マンが残された気力を振り絞って再びその巨体を立ち上がらせ、
更なる戦闘態勢を整えるには充分すぎるほどの時間であった!
バルバゴン「ピャゴォォ~ンっ、てめぇ、まだやろうってのか!」
宙マン「ああ、本当の勝負はここからさ――」
宙マン「くらえ――宙マン・閃光波!」
ピッキュイィィーンっ!
高らかな音とともに、宙マンの手にストロボ状の発光が生じ……
次の瞬間、バルバゴンのボディで激しい爆発が起こる。
バルバゴン「ぐ、ぐぬうううっ!」
ながもん「さすが、宙マン……上手いっ」
ビーコン「いよっしゃ、これでアニキのペースっスよ!」
落合さん「この流れを逃す手はございませんわ、お殿様!」
バルバゴン「ぴゃゴオオオッ……よ、よくもやってくれたな!?」
宙マン「いいや、まだまだ。どんどんいくぞ!」
驚異的なジャンプ力で、一瞬のうちに大空へ舞う宙マン。
急降下の勢いとともに、星人めがけて繰り出す技の名は!
ドゥリャアァーッ! 宙マン・合掌打ち!!」
出た! 宙マンの大技、「合掌打ち」!
両の拳を握り合わせ、高空から熱火竜の脳天へと叩きつけた痛打が
バルバゴンに更なるダメージを上乗せし、ぶっ倒れさせたところへ――
宙マン「とどめだ!
宙マン・エクシードフラッシュ!!」
全身のエネルギーを極限まで凝縮して放つ、虹色の必殺光線……
エクシードフラッシュの一閃が、バルバゴンを直撃!!
バルバゴン「余計な邪魔さえ入らなきゃなぁ……ち、チキショ~っ!」
やったぞ宙マン、大勝利!
ピグモン「はうはう~、やったのやったの、宙マンの勝ちなの~!」
みくるん「よかったぁ。……ほんとによかったですぅ!」
ながもん「やっぱり……宙マン……にじゅうまる。……ヴイっ」
恐るべき熱火竜の猛撃を退け、平和を取り戻した千歳市。
それは宙マンのみならず、平和を愛する地域の人々の思いが成し得た
「絆」の勝利でもあった。
イフ「う……ぐぬぬぬっ……
おのれおのれ、またしても……にっくき宙マンめ、よくもよくも!!」
イフ「だが、今に見ておれよ、この借りはきっと返してやるぞ!
更に怖ろしい怪獣を送りこみ、次こそは必ず息の根を止めてやる!
よいか、覚えておれ宙マンめ……!」
……という、怪獣魔王のいつもの負け惜しみはさて置いて。
我らが宙マンの活躍によって、怪獣軍団の年明け一発めとなる大攻勢は
熱火竜バルバゴンもろとも退けられ、平和が蘇ったのであった。
みくるん「改めて……お疲れ様でした、宙マンさん!」
ながもん「でも、今日は……さすがに……ヒヤッと、した」
宙マン「うん、私も正直、危ないところだったよ。
……それはそうと、ひと勝負終えたら、なんだかお腹がすいちゃったな」
ビーコン「よーし、時間も時間っスし、みんなでランチにするっスよ!」
落合さん「では、手近なところで今日、開いているお店と言いますと……」
ビーコン「あ、そういうコトなら落合さん……
錦町の居酒屋が昼間のランチ営業も始めて、そのメニューの中には
沖縄料理もあったりするんスけど、そこどうっスかねぇ?」
落合さんまぁ、ビーコンさんにしてはナイスなご提案ですこと!」
ビーコン「この抜かりなさが、婦女子を狂わすビーコンちゃんの魅力っスよ~。
ヒヒヒ、どうスか落合さんもひとつ実感してみないっスか?」
落合さん「(ジト目)……なんだかイヤな流れになってきましたわね!?」
ビーコン「だ~いじょぶ、だいじょぶっス、ちゃんと優しくするっスから!
そう、具体的にはベッドの上で甘くとろけるような愛撫の波に……」
げ し っ !
落合さん「ねーいっ、それ以上言ったら制裁ですからね!?(怒)」
ビーコン「どひ~っ、制裁してから言わないで欲しいっスぅぅ~」
宙マン「はっはっはっはっ」
花も嵐も、吹雪もマグマも乗り越えて……
明日も行く行く、ご町内のヒーロー。
さァて、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?