遊びをせんとや生まれけり

全ての「面白がりやさん」へ――千歳より、愛をこめて。

戦慄の捕食者の巻

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北海道千歳市・ほんわか町5丁目……

時計の針も四時を回って、みんなそろそろお腹がすいてきた頃合いだが

それはさておき、ここ数日は目に見えて「日が高く」なってきた。

まだまだ寒いながらも、春の気配も確実に近づいてきた北国。

毎度おなじみ「宙マンハウス」から、今日も物語を始めよう。

落合さん「さぁさぁ皆様、今夜のお夕飯は何に致しましょうか?」

 

ビーコン「いえっふ~、よくぞ聞いてくれたっス、落合さん!」

ピグモン「んーとね、んーとね。

 ピグちゃん今夜は「ピザゴハット」のマルゲリータが食べたいの~」

ビーコン「オイラは「巴寿司」の特上握りをきぼんぬっス、落合さん」

落合さん「まぁまぁ、何ですかおふたりとも。

 まだまだ冷蔵庫には、いっぱい食材があり余っているんですから……

 出前だの外食だの、とんでもない!」

ビーコン「チチチ、な~にを今更っスよぉ、落合さん。

 外食なんざ他の回でもちょくちょくやってるじゃないっスか、オイラ達」

落合さん「確かに、おかげさまで読者の皆様からもご好評を頂いておりますが。

 ……でもですね、それはそれ、これはこれですのよ?」

ピグモン「え~、ピグちゃん今夜はピザがいいのに~」

落合さん「何と言われても、だめなものはだめですっ!

 当家の家計を預かるこの落合の目の黒いうちは、そうそうそんな贅沢は……」

「あ、たまには店屋物もいいかもねぇ♪」

 

「ええ、同感ですわ、お殿様!!」

落合さん「あんまり出費を抑えようと血眼になるばかりではなくって、

 時には店屋物で目先を変え、日々の食卓を華やげようという心のゆとり。

 ああ、さすがは私のお仕えするお殿様♪

 実はですね、私も今日は店屋物がよいと思っていたところでして!

宙マン「はっはっはっ、そうなのかい?」

ピグモン「えう~、落合さん、言ってる事がさっきと全然違うの~」

ビーコン「(ボソッ)……まぁ、いいっスけどね~(汗)」

 

さすがにここまで露骨に豹変されると、突っ込む気力も失せるというもの。

と言うわけで、さっそく落合さんは職業別電話帳と首っ引き。

でもってて、約15分が過ぎたころ……。

 

落合さん「(慌てて)ちょ、お殿様、お殿様っ!」

宙マン「やぁ落合さん、今夜は何を「ご馳走」してもらえるのかな?」

落合さん「いえ、それどころではないのですわ、お殿様ッ」

宙マン「うン?」

落合さん「実は……「八天庵」さんも、「一休そば」さんも、

 それから「ピザゴハット」さんに「巴寿司」さんも……

 食材や料理がなくなって、開店休業状態らしいんですの!」

宙マン「……何だって?」

ビーコン「ま、マジっスかぁ!?」

 

「ふぇぇん……宙マンさん、宙マンさ~んっ!」

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更にこのタイミングで、息せき切って駆けこんできたのは……

これまたお馴染み、みくるん&ながもんのコロポックル姉妹。

 

宙マン「やぁ、二人とも、いらっしゃい!」

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落合さん「そんなに慌てて、どうかなさいましたの?」

みくるん「ふぇぇ、タイヘンなんですぅ、とにかく事件なんですぅ!」

ビーコン「へっ、事件っスか?」

宙マン「みくるんちゃん、まずは落ち着いて……

 詳しい話を聞かせてくれないか」

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みくるん「あの、えと、そのっ……

 千歳の街中から、食べ物が消えちゃったんですぅ~!

ビーコン「……うげ、マジっスか!?」

ながもん「(ボソッと)本気と書いて、マジ……だから、びっくし」」

みくるん「おかげで、街の飲食店はみんな大騒ぎなんですぅ」

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ビーコン「ひぇぇぇ、アニキ、こいつァえらいことっスよ!」

落合さん「幸町「来々軒」のアギラ様はじめ……

 そちらのご商売をなさっているお知り合いさんだって少なくないわけですから、

 私どもとしましても他人事では済まない事態ですわっ」

ピグモン「って言うかピグちゃん、お腹ペコペコなのは悲しいの~(涙目)」

宙マン「……むうっ、さてはまた怪獣軍団の……!」

 

疑念を抱いた宙マンファミリーが、急いで街に出てみると……

案の定また出てきたぞ、剣呑で厄介な手合いが!

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ゴゴゴゴ……グラグラグラグラッ!

こんかいの

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今回の事態を引き起こしていたのも、やはり恐怖の大開封

今回の厄介者は……ズバリ、こいつだ!

「びゃるるるるぅぅ~っ!!」

 

大地を引き裂き、地上に姿を現した異形の巨体……

凄まじい咆哮をあげ、千歳の地にすっくと立ち上がる!

 

みくるん「ふぇんぇ、なんか出て来たですぅ!(涙目)」

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ながもん「(ボソッと)あれは……宇宙、大怪獣……アストロモンス」

ピグモン「なんでもいいけど、おっかないの~!」

そう! 奴こそは、怪獣軍団きっての大食い自慢。

腹部の毒花・チグリスフラワーで、怪獣だろうと人間だろうと丸呑みにしてしまう

恐怖の宇宙大怪獣、その名も怖ろしいアストロモンスだ!

アストロモンス「ウォーイ、ウォーイ、びゃるるるるぅぅ~っ!

 腹減ったど~、何か食わせろでもんす~!」

ビーコン「おおう、今のこの時期になんてタイムリーな台詞っスか!」

落合さん「と、言うことは……」

宙マン「……そうか、この事件はお前さんが犯人だったんだな!」

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アストロモンス「ウォーイ、だったらどうしたでもんす。

 オイの邪魔するなら、み~んな食ってやるでもんす~!」

ビーコン「ど、どひ~っ!(汗)」

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サンドロス「をーほほほほ!

 やってるドロスわね、アストロモンスちゃん。

 その調子で、食べ物という食べ物を片っ端からぜぇんぶ平らげちゃって

 千歳の奴らを腹ペコでのたうち回らせてやるドロス!」

イフ「期待しとるぞ、アストロモンス!」

アストロモンス「奥方様に魔王様、全てオイにお任せでもんす~!」

ビーコン「どひ~っ、こっちへ向かってきたっスよぉ!(汗)」

宙マン「いかん、みんな、早く逃げるんだ!」

ピグモン「はわわわ、助けてなの~!」

暗黒星雲からの命を受け、進撃を開始するアストロモンス。

高層ビルをも一撃で叩き壊してしまう恐るべき怪力を見よ!

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だが、しかし。

怪獣のこれ以上の進撃を阻むべく、直ちに千歳基地の駐屯所から

陸の精鋭たちが出動したのであった。

 

「GO!  GO! GO! GO!!」

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勇ましい号令一下……

タクティカル・スーツに身を固め、おのおの得意の武器を携えて

続々と車両から飛び出してくる防衛隊員たち。

 

ピグモン「あっ、防衛隊のおじさんたちなの!」

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落合さん「心憎いタイミングで来て下さいましたこと!」

ビーコン「いえっふ~、待ってましたっス!」

ながもん「本当に、がんばってほしい……いろんな、意味で」

みくるん「(慌てて)シーッ、ながもん、そんなこと言わない!

火を吐くバズーカ、唸りをあげるレーザーガン!

陸上部隊の火器の威力が、矢継ぎ早やに大怪獣へ叩きっこまれる。

……が、全くびくともせず進撃を続けるウアストロモンス。

 

アストロモンス「あたりきしゃりきの、こんこんちきでモンス~!」

アストロモンス「びゃるる~ん、どんなモンスか、このパワー!?」

落合さん「あらまぁ、嫌ですわ、すっかり得意になっちゃって!」

みくるん「ふぇぇん、これじゃお夕飯どころじゃないですぅ~」

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ながもん「ここは、やっぱり……ヒーローの、出番」

ピグモン「お願い、宙マン、なんとかしてなの~」

宙マン「ようし、行くぞ!

 宙マン・ファイト・ゴー!!

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閃光の中で、みるみるうちに巨大化する宙マン。

華麗な空中回転とともに、アストロモンスの前に舞い降りる!

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宙マン「トゥアーっ! 宙マン、参上!

 アストロモンス、品のない暴れ食いもそこまでだ!」

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ズ、ズーンっ!!

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ビーコン「おおっ、待ってたっスよ、アニキの十八番!」

ながもん「ここまで、きたら……宙マンだけが……頼り」

みくるん「頑張って下さい、宙マンさん……!」

宙マン「こらっ、これ以上の悪ふざけは私が許さないぞ!」

アストロモンス「邪魔する奴ぁ容赦しないでモンス!」

宙マン「聞く耳持たずか……ならば、やむを得ん!」

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ファイティングポーズをとって、決然と身構える我らが宙マン。

さぁ、今日もまた、世紀のスーパーバトルの幕開けだ!

アストロモンス「びゃるるるぅ~、勝負でモンス!」

宙マン「ああ、徹底的にやらせてもらおうか!」

激突、宙マン対アストロモンス!

落合さんたちが見守る中、パワフルな巨大戦が展開される。

鍛え抜かれた力と技で、敢然とアストロモンスを迎え撃つ宙マン。

だがしかし、たらふく食べた直後のアストロモンスは強い!

 

アストロモンス「びゃるるるぅ~、これを受けてみるででモンス!」

アストロモンスの腹部、チグリスフラワーの花弁から……

勢いよく噴出し、宙マンめがけて浴びせかけられる恐怖の毒ガス!

その怖ろしい毒性に、足元がふらつく宙マン。

「……う、うぁああっ……!!」

 

みくるん「ああっ、ちゅ、宙マンさんが!」

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ながもん「超獣よりも、強い怪獣……その力……伊達じゃ、ない?」

ビーコン「……呑気に賞賛してる場合じゃないっスよ、ながもんちゃん!(汗)」

ピグモン「宙マン、がんばって……まけないでなの~、宙マン!」

 

アストロモンス「びゃるるるぅ~、いいザマでモンスねぇ、宙マン!」

宙マン「(苦悶)ぐう……う、うううっ……!」

 

ビーコン「ああっ、このままじゃアニキがヤバいっス!

 落合さん、こうなったらオイラと落合さんとで編み出した

 いつもの合体攻撃で行くしかないっス!」

落合さん「はぁ、何ですのそれ!? まるっきり初耳ですわよ!」

ビーコン「ヒヒヒ、実はオイラも初言いで……。

 もしかしたらもしかして~、なんて思ったんスけど、

 そうそう世の中、都合よくはいかないもんっスね~」

落合さん「締め切り前の漫画家さんじゃあるまいし、現実逃避してる場合ですかっ!

 そんな事よりビーコンさん、ここはあなたが囮になって下さいな。

 そうすれば、あの怪獣の注意はお殿様から逸れて……」

ビーコン「……で、その場合オイラはどうなるんスか?」

落合さん「え~っと、それは……つまり、その……。

 ……ま、まぁ、この際細かい事は言いっこナッシング、ですわ♪」

ビーコン「だーっ、もう、このオネーチャンはっ!!

 罰として、落合さんにはあの怪獣に対して、今すぐお得意の色仕掛け作戦で

 おっぱいとか尻肉丸出しで臨むことを厳命するっス!」

 

 げ し っ !


落合さん「……こんな時までスケベ心丸出しですか、このエロ怪獣っ!」

アストロモンス「え~い、何をごちゃごちゃ言ってるでモンス、外野席!

 よ~し、まずはお前らから先に食べてやるモンス!」

ビーコン「ど、ど、どひ~っ!」

落合さん「あ~れ~!」

 

そのまま一気に、アストロモンスの巨体がのしかかって来て――

 ご っ く ん 

 

腹部のチグリスフラワーで、落合さんとビーコンを丸呑みにしてしまったぞ。

 

ピグモン「はわわ、落合さんたちが食べられちゃったの~!」

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ながもん「この発想は、なかった……むしろ、いらなかった」

みくるん「ふぇぇん、もうダメです、おしまいですぅ~!」

アストロモンス「さ~て宙マン、次はお前を食ってやるでもモンス……

 ……はぅっ!

 ん、んがが、んおおおっ……!?」

おお、これはどうしたことだろう!?

突如として、優勢だったはずのアストロモンスが苦しみだし……

全身から火花を散らし、その場でのたうち回り出したではないか。

アストロモンス「い、胃がムカつく、もう耐えられないでモンスぅぅ……

 う、う、う、ウェェーップ!!

アストロモンス腹部の、チグリスフラワーの花弁が大きく歪み……

次の瞬間、さっき食べたばかりの極楽コンビを勢いよく空中に吐き出した!

 

落合さん「あ、あらあらあら~っ!?」

ビーコン「ひょ、ひょんげ~っ!!」

ビーコン「ハンニャラ、ヒ~っ……」

ピグモン「はわわ、ビーコンちゃん、大丈夫ぅ!?」

ながもん「問題ない……落合さんも、無事」

みくるん「宙マンさ~んっ、今がチャンスですぅ!」

 

みくるんの言葉に、力強く頷いて応え……

宙マンは遂に、伝説のスーパー剣を抜き放った!

宙マン「正義の刃、受けてみろ!

 秘剣・スーパー滝落とし!!

ザシュウッ!!

スーパー剣を抜き放ち、刀身にエネルギーを集中させ……

豪快な空中回転とともに、真っ向から振り降ろされる光の刃!

宙マンの「滝落とし」が、アストロモンスを唐竹割りに切り裂いた。

アストロモンス「は、はっ、ハラヘリヘリハラ~!!」

やったぞ宙マン、大勝利!

 

みくるん「わぁっ、宙マンさんが勝ったですぅ!」

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ながもん「これで、千歳も……ひと安心」

ピグモン「はうはう~、宙マン、ありがとうなの~♪」

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サンドロス「うぐぐっ、宙マンめぇぇ……今に、今に見てるドロス!

 この次は、きっと仕返ししてやるドロスわよ~っ!」

 

かくして、宙マンの活躍により……

宇宙大怪獣アストロモンスは撃退され、また千歳市は救われたのであった。

ピグモン「はうはう~、宙マン、お疲れ様なの~♪」

宙マン「いやぁ、今回は危ないところだったよ」

ながもん「問題ない。……信じてたから」

宙マン「はっはっはっはっ、ありがとう♪」

みくるん「でも、あの怪獣さん……

 どうして突然「あんなこと」になっちゃったんでしょう?」

宙マン「う~ん、何でもかんでも手当たり次第に食べていたから……

 もしかしたら、食あたりにでもなったのかもしれないねえ。

 ピグモンも、食中毒には充分注意しなくちゃいけないよ」

ピグモン「うんっ、ピグちゃん気をつけるの~」

 

宙マン「で、それはそれとして……だ」

 

落合さん「んまーっ、なぁんですってぇ!?

落合さん「あの怪獣さんが食あたりを起こしたのは、どう考えたって

 ビーコンさんを飲み込んだからに決まってるじゃありませんの。

 それをあなた、言うに事欠いて……」

ビーコン「い~や、あれは絶対落合さんを食べたせいっス!

 なんたって落合さんは、煮ても焼いても食えないんスから……」

落合さん「んまー、花も恥らう乙女に向かって何たる侮辱!」

ビーコン「花も恥らう乙女は、素手で怪獣を殴り倒したりしないっス~☆」

落合さん「ムキーッ! お黙りんこ、この悪玉コレステロールっ!」

 

……アストロモンスの食あたり敗退、という今回のバトルの結果をめぐって

なんと二人で、その原因に関する醜い(笑)押し付け合いとなすり合い。

 

宙マン「……あの~、落合さん?

 そろそろ夕飯時だし、切りのいい所で準備に入ってもらえると

 私としても有難いかなぁ……な~んて」

宙マンの言葉も、喧々囂々の言い争いを続ける極楽コンビの耳には入らない。

 

宙マン「やれやれ、困ったもんだねぇ」

ピグモン「……はうう、ピグちゃんおなかペコペコなの~」

ながもん「真の原因……実は、食べ合わせが……悪かった?

みくるん「黙ってたほうがよさそうだね、そのコトは……(汗)」

宙マン「(苦笑)……たっはっはっはっ」

 

今日も本当にありがとう、宙マン!

さぁ、次回はどんな活躍を見せてくれるかな?